新編

魔法少女まどかマギカ

ひぐらしのく頃にの物語

10人の魔法少女達・・・

 

第1章

 


 

  たった今、この世に恐ろしい怪奇現象が起こるような事態に陥っている・・・前原圭一より

 

* * * * *

 

「・・・今、あなたに似た同い年の女の子がこの近くにいる・・・」

「俺にそっくりの女・・・どういうことなんだよ!?」

「彼女は・・・自分の身を投げ入れて・・・魔女を消し去ろうとしている・・・それをあなたに止めて欲しい・・・」

「止めて欲しいだと・・・その女は?・・・」

辺りの建物が崩壊している中、黒髪の長い女の人がぼんやりと見えた。

そして彼女が指さすと・・・

「「「アッヒャハハハ〜!!」」」

「うわっ〜・・・と!!」

それは、不気味な笑い声が響くとてつもなく恐ろしい光景が・・・そして、その女の子はすでに消えていた・・・

「彼女を止めて・・・お願い・・・」

「とめてっ・・・て!?・・・俺があの魔物のようなものに向かっていくのか!?」

「お願いだから・・・」

女の人が懇願すると圭一は驚愕する!

そして、強引に押しながら、魔物(魔女)に接近させる・・・

「や・・・やめろ〜〜!!!」

そして、彼も消えていった・・・

 そう・・・そこは『ワルプルギスの夜』という光景だった・・・

 

圭一「はっ!(汗)・・・ゆ・・・夢か?・・・」

とっさに布団から起きた・・・目を覚ますと、凛とした部屋は時計の振り子の音だけが聞こえていた・・・この時、彼の体中には、すでに冷や汗でいっぱいだった・・・

圭一「今日の夢は、えらく格別だったな・・・魔女の襲撃を阻止するために?・・・髪の長い女が現れて・・・『俺に似た女がこの身近にいる?』・・・とはな・・・」

悪夢から解放されて安堵する彼は、ため息を付く。

圭一「ふっ、まさかな・・・」

 

雛見沢分校に登校中・・・

 

 レナ「どしたの?・・・圭一君・・・何か浮かない顔して・・・」

圭一「いや・・・今朝、おかしな夢を見たんだ・・・久しぶりだよな・・・まったく(ガクッ)」

 沙都子「圭一さんの夢は、どうせロクなものしか見ませんよね・・・」

 圭一「うるさいな・・・」

 詩音「正夢ってこともあるかも?」

 沙都子「圭一さんの夢に限って、そのようなこと絶対にありえないですわ・・・おほほほ(笑)」

 圭一「そうだな・・・ありえないな・・・あははは(笑)・・・って!!どういうことだ!!!」

本当に夢のままであって欲しいと彼は願った・・・いや、どう考えても現実には、もうありえないだろう・・・『祟殺し』・・・『鬼騙し』・・・『厄醒し』と今まで汚染されていたこの村が全て消滅して元通りになったばかりだ・・・

 レナ「レナも今朝、おかしな夢見たよ・・・」

 梨花「どのような夢なのですか?」

 レナ「何かさ・・・ネコかウサギか分からない妙な白い生き物がやってきて、何かの契約をして欲しいとの・・・そんな夢を見たの?」

 魅音「あっ・・・それ、おじさんも見た!」

 レナ「え?・・・み〜ちゃんも見たの?」

 魅音「奇遇だね・・・ひょっとしたら、これも何かの縁結びかもよ?」

圭一「縁結びね・・・」

 梨花「羽入・・・レナと魅音が言ったの、何か聞き覚えありますか?」

羽入「う〜ん・・・う〜ん(汗)」

 魅音「考え込まなくても、思い出してからでいいよ・・・」

 

  そして校舎にたどり着くと、そこには予想もしない結末が・・・そう、雛見沢分校が半壊されていたのだ!

  誰かのいたずらなのか・・・それとも、何らかの恨みによってのいやがらせなのか・・・ちがう、いたずらや恨みだけで、こんなにひどい破壊はされないはずだ!

  すでに登校した学級の児童生徒達も愕然としていた。

警察隊や消防団員らが校舎に犠牲者がいないかの捜索や現場検証をしていた。

 

 大石「原因は不明・・・とうわけですね?」

「はい・・・昨日の夜までは、壊されていなかったのに・・・」

  事件についての事情聴取で気落ちする校長先生・・・それを大石警部が慰める。

 知恵先生「私も夜遅くまで仕事していました・・・それまでは、何も無かったです・・・」

 大石「犠牲者は今のところ、無いようですな・・・全員無事で何よりですよ・・・」

圭一「良かったです・・・ありがとうございます・・・」

 大石「それにしても・・・あの破壊状況は、人為的な業ではないな・・・」

 詩音「ええ・・・昨日の夜から今日の朝まで、人間が破壊したとは思えないですよ」

 圭一「パワーショベルで解体したとか?・・・」

 魅音「どさくさに紛れて、そのようなことをする人はいないって・・・しかも、この校舎に限って・・・何の恨みがあったか知らないけどさ・・・」

 

  半壊した校舎・・・昨日の夜中当たりで事件が起きたらしく原因は今のところ不明・・・果たして誰なのだろうか!?

 

  校長先生を中心に各教師達が仮設のプレハブで職員会議を終えた後、児童生徒らにグラウンド集合させて全校集会を行った。半壊された校舎の周囲には、人が容易に出入り出来ないように『立入禁止』の標識とトラロープでしっかりと覆っている。

 

  「ええっと・・・全校児童生徒の諸君、注目!!・・・毎度も言ったとおり・・・注目と聞いたら、体ごと私のところに向けてください!・・・今、雛見沢分校は、このように壊されています!・・・これから改修工事に入りますが、その間、諸君らの勉強が出来なくなるゆえ、急なことで申し訳ないが・・・しばらくは近くの見滝原市の学校で、臨時転校とします・・・当校は小学校、中学校とに分かれていて、よりアカデミックな学校と聞きました・・・文武両道とけじめのある教育方針が主体となっています・・・であるから諸君らも勉強などの学校生活に慣れていけるようどうか頑張ってください・・・尚、中学部では、当校指定の制服がありますので、後日こちらの方から支給します!」

 

今日の午後は特別な臨時休校・・・クラブ活動はもちろん中止・・・生徒達は全員帰宅する。

雛見沢分校の仮設プレハブでは・・・残った教師らは、見滝原学校についての転校手続き及び資材の手配等をしていた。

 

レナ「見滝原の学校だって・・・どんな感じの制服なんだろうね・・・」

魅音「何だか、楽しみだね!」

レナ「お友達もつくりたいな・・・」

圭一「ああ・・・」

呆然としている様子で歩く彼は、ただ空を眺めていた・・・あの時に見た悪夢・・・突然の校舎破壊・・・何か気がかりだ・・・

魅音「そうだ、圭ちゃん・・・向こうで彼女探せば?」

圭一「おっ・・・俺が!?」

沙都子「圭一さんに彼女なんて無理ですよ、魅音さん・・・こんなデリカシーのない人間に恋人が来るなんて・・・」

ゴン!!!・・・

圭一は沙都子に思い切り頭を突いた。

沙都子「うぐぅぅ・・・(涙)」

圭一「悪かったな!!・・・デリカシー無くて・・・」

梨花「僕もガンバルから・・・圭一も向こうでもガンバルなのですよ!」

圭一「お・・・おう・・・」

梨花が励ますも、何か元気のない返事だった・・・

羽入「あうあう・・・あう・・・」

只今、考え中・・・

魅音「そういえば、詩音達の学校はどうだった?」

詩音「うちらのところは、無事だったよ・・・」

魅音「へえ・・・良かったじゃん・・・」

詩音「おねぇの転校先がどんな学校か・・・暇ある時、うちも遊びに行くね」

魅音「一応都会だし・・・ひょっとしたら豪華でびっくりするかもよ」

 

それから数日後・・・

ここは見滝原中学校・・・

  圭一とレナは同じクラスに転入した・・・

 

早乙女先生「みなさん・・・え〜と・・・転校生を紹介します!」

男子生徒「おお!・・・いきなりの転校生かい!」

女子生徒「男子と女子の2人だね・・・」

この時の教室は、かなりにぎやかだった・・・ホワイトボードには、先生自筆での転入生の名前が記されていた。

早乙女先生「前原圭一君と竜宮レナさんです・・・」

圭一「こんちは・・・圭一です!」

レナ「レナです・・・よろしくです・・・」

早乙女先生「2人は、近くの雛見沢村の学校が突然の半壊で授業が受けられないとのことで、しばらくは、この教室でお世話になるそうです・・・ですから皆さん・・・彼らにもどうか仲良くしてあげてくださいね・・・あと、何度も言いましたけど、皆さんも、半熟卵のような人とは付き合わないように・・・完熟トマトのような人と付き合うようにしてくださいね・・・」

圭一「・・・(何のこっちゃ)」

早乙女先生「あと前原君・・・前任の先生からお聞きしましたが・・・」

圭一「何ですか?」

早乙女先生「くれぐれも学級問題を起こさないように・・・してくださいね」

圭一「は、はい・・・(知恵先生め、密かにちくったな〜)」

 

休憩時間・・・トイレから教室に戻る3人の女子が会話している最中だった・・・

まどか「転校生かあ・・・2人は同じ学校に通っていたんだよね・・・」

さやか「らしいね・・・あの転校生の男子、何かまどかにそっくりじゃないの?」

まどか「そ・・・そうかな?」

仁美「本当に・・・何かとりりしいお方ですわね・・・」

志筑仁美・・・おっとりとした表情の彼女だが、習い事もいくつかこなしている多種多才なお嬢様である。

さやか「ほ〜らチャンスじゃない!・・・まどか〜・・・このさえ狙っちゃいなさいよ!」

まどか「えっ、えええ〜!・・・まだ初対面なのに、いきなりの告白なんて無理だよ〜!」

3人は圭一のことでうわさ話が入った。

 

そして教室に入り・・・自分席で、当校指定のブレザー姿に慣れないレナが何かとぎこちなかった・・・

まどか「はじめまして・・・あたし鹿目まどか・・・」

さやか「あたしは美樹さやか!」

仁美「志筑仁美です・・・以後お見知りおきを・・・」

3人は親切に自己紹介をしてあげた。

レナ「は、はじめまして・・・竜宮レナです・・・」

さやか「ははん・・・緊張しているんだね・・・」

レナ「はぅ〜・・・何か制服が少しきつくて・・・」

仁美「すぐに慣れますわよ・・・」

さやか「一応・・・あんた達が来る前にも最近転校してきたばかりもいるけど・・・」

さやかが指さすと自分の席で静かに読書をしている暁美ほむらがいた。

圭一「あいつ!?・・・ま、まさか!」

彼女を見た圭一は、動揺し始めた・・・

さやか「彼女の名前は暁美ほむらさん・・・一応可愛いけど、何か不思議な感じの性格なんだよな〜・・・」

ほむら「これは、どうも・・・」

レナ「どうも・・・レ、レナです・・・」

さやか「このクールな挨拶・・・実に憎いわ・・・」

そして、ほむらは圭一にこっそりと視線を向ける・・・

圭一「ゆ、夢で見た女・・・なのか!?」

あの時の悪夢の出来事で愕然する彼・・・はっきりとは覚えていないが、これが正夢につながるのか?

そして・・・

まどか「よろしく(にっこり)」

圭一「よっ・・・」

天使の微笑みのような彼女の挨拶に赤面した彼は無意識に手を振った・・・この時、2人の視線が初めて合った・・・

 

 

続く

 


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