新編

魔法少女まどかマギカ

ひぐらしのく頃にの物語

10人の魔法少女達・・・

 

第25章

 


 

  数日後・・・雛見沢分校の工事は順調に進捗中・・・

 

  一方、見滝原中学校では・・・圭一が無事転校出来るように、まどかとさやかが毎日勉強を教えているが・・・

その下校時間・・・

 圭一「いいか、恭介!・・・今日は元部活メンバーの野郎共と約束がある!」

上条「どんな約束だよ?」

圭一「プラモ遊びだよ・・・村の公民館で全世代のガンプラが用意されている・・・MSやスケールも全て自分好みだ!・・・俺は憧れのあのス◯ライクフリーダムガ◯ダムが唯一の楽しみだぜ!」

上条「追試の補習は大丈夫なのかい?」

圭一「な〜に、今日1日くらいは御天童様だって、許してくれるだろう」

  2人はまどか達に見つからないように・・・生徒がいなくなっている教室からタイミング良く脱出する・・・

上条「それで、僕も逃げる協力をしろと・・・」

圭一「お前もガ◯ダム好きだろ・・・交響曲もいいが、プラモ組み立ても楽しいもんだぜ!・・・手先を使うから、良いリハビリにもなる」

上条「そうか・・・では付き合おう!」

圭一「よ〜し・・・そこでこそ、我が同士だ!」

圭一は納得する上条恭介の肩を叩いた。そして、お互いに信頼しあった2人は柄の悪い風呂敷を覆いながら、こっそりと校内を逃亡中である・・・

圭一「それに、今回のプラモ遊びには、悟史も来るそうだ」

 上条「悟史もかい?」

圭一「あいつも、詩音とは内緒に参加するとのことで連絡があった」

 上条「女子に秘密にする理由があるのかな?」

圭一「ガ◯ダムに女子は興味ねーよ・・・ヒーローものを見に来たところで意味がない・・・むしろ目障りだと思うだろうよ」

上条「成る程ね・・・」

その時、廊下の奥から早乙女先生が来るのを見えた・・・

圭一「まずは、担任の先生は避けたほうが無難だな・・・“プラモ工作体験バザーがあるから早退する”と話したら、どんな大目玉食うやら・・・

 上条「確かにそうだ」

圭一「まあ・・・ほむらは大丈夫かな?・・・あの人は団体行動には慣れていないだろうし、結構無関心だから・・・」

上条「レナは?」

圭一「逆に機転が働き過ぎて、こういう気まずい場合に敵に回すと厄介な面がある」

上条「仁美も学級委員だから危ないな・・・」

圭一「最も危険なのは、まどかとさやかだ!・・・あの2人は容赦なく俺を獲物のように捕らえて地獄の補習猛特訓さ!・・・ましてはプラモ遊びで帰れるなんて通用しない・・・言語道断だろう」

上条「妥協が許せない感じだな・・・恐ろしい」

圭一「あっ!・・・そう言えば魅音も危ないな・・・あの猪突な性格は学年が違っても、常に我がクラスに訪れてきやがる!・・・奴も要注意人物だ!」

  何の意味のないことで女子の性格と行動を洞察する2人・・・常に男子トイレに隠れながら警戒している。

圭一「後は、厨房の窓からくぐり抜けて、非常タラップを下りれば裏門へすぐだ!」

 上条「窓から抜けるのは、少しきついな・・・」

圭一「お前もだいぶ回復してきているぞ!・・・これも羽入のオヤシロパワーのおかげだ!・・・感謝しろよ」

上条「ああ・・・とても助かっている」

そして・・・裏門までようやくたどり着く!

上条「誰もいない・・・チャンスだ!!」

圭一「やったぜ!!脱出成功〜!!・・・いざ、我がパラダイスへ!!」

  と・・・上手くいったかのように脱走すると・・・

圭一「ぐあっ!・・・何だ!?何だ!??」

上条「うわあ!!」

沙都子「おっほっほっほっほ!!・・・逃げようたって、そうはいきませんわよ!!」

そこで、お嬢様笑いの沙都子の声が聞こえた・・・見えない網に引っかかった圭一と上条恭介は校庭の樹木の枝で宙吊りにされた。その様子を見て騒いでいる帰宅中の生徒達も見えた。

圭一「げっ!!・・・沙都子!!・・・何でお前が・・・!!?」

魅音「あんた達が逃げないように、おじさんが呼んだんだよ・・・」

レナ「勿論、レナが考えたの」

さやか「ちょっと・・・こんな大事な時に帰るのは、まずいんじゃないの!」

上条「さ、さやか・・・」

まどか「これも圭一君が、雛見沢分校へ戻れるためなの・・・今日はお約束通り、あたしん家でお勉強だよ・・・そのために、パパも美味しい夕食を準備してあげるって(にこ)」

沙都子「もちらん・・・わたくしもお供させて頂きますわよ!」

図々しい・・・

レナ「今度はレナも一緒に行っちゃうから!」

嫉妬深い・・・

 圭一「ま・・・まどか・・・レナ(汗)・・・あ〜あ・・・憧れのガンプラが・・・とほほ・・・」

さやか「それに・・・恭介も圭一君と一緒になって逃げた理由をじっくりと聞かせてもらうからね!」

上条「そんな〜・・・」

結局最後は、校外で待ち構えている沙都子の仕打ちにはまってしまい惨敗・・・圭一と上条恭介の遊楽のチャンスはこの時点で逃してしまった・・・

 

  「こうして俺は、まどかの自宅で追試の勉強をすることになった・・・自分の唯一の楽しみをも犠牲にしてまで・・・でも、部屋で女子達に囲まれるのも悪くないな・・・夕飯だって食べられるしな・・・タツヤは俺が来るたびに大喜びしていた・・・すごく気に入られているんだろうな・・・(圭一)」

 

  そして、追試当日・・・

「上条君が今朝転校したようだね」

  先日まで病欠だった1人の女子生徒が言う・・・

「親が転勤するからって・・・なんかさ、退院してから間もなかったよね」

  「もう普通に動けるようになって、本人も十分に良かったと思うわよね」

  女子生徒達は教室でおしゃべりしていた・・・

さやか「はあ〜・・・恭介・・・」

  窓を眺めるさやかが1人で憂いを帯びている・・・

仁美「恋する方が転校して、美樹さんも寂しいご様子ですね・・・」

さやか「結局は恭介とキス出来なかった・・・」

仁美「おほほ・・・そのことですか・・・遠距離恋愛でもしてみては(笑)」

さやかの言葉に仁美はクスクスと微笑んだ。

さやか「もう(怒)・・・人が心配している時に・・・」

 そして、ほむらは圭一のところにこっそりと来る・・・

ほむら「前原さん・・・約束通り・・・私が代わって受験いたしましょうか?」

圭一「おお!・・・そうしてくれることをありがたく待っていた・・・でも、まずは自分の実力で試してみたい!・・・・折角、まどかとさやかから勉強を教えてもらったんだし、最初は俺自身で受験してみる・・・もし、これがダメなら、次こそはお願いするよ」

ほむら「そう(にこ)・・・では頑張って・・・あなたならきっと受かるわ・・・」

圭一「あ・・・ああ・・・気遣ってくれてありがとう・・・(赤面)」

 この人気のない場所で・・・ほむらは圭一に最後のキスをする・・・自身をつけた圭一は自分で追試を受験することにした・・・

 

そして、追試の結果・・・見事、彼は高得点で合格した。その実力を聞いて、レナと魅音が感動する。

魅音「へえ〜、やるじゃん!」

レナ「追試とはいえども、こんな難関校の試験で高得点も取るなんて・・・やっぱり圭一君はすごいな!」

圭一「これもまどかとさやかから教えてもらったおかげさ」

さやか「もう〜・・・感謝しなさいよ!」

まどか「そうだよ・・・あたし達が親切丁寧に教えたおかげだから・・・」

圭一「う、嘘だ!!・・・結構スパルタだったぞ〜!」

まどか「スパルタに教えてないもん・・・(ムス)」

 圭一の疑いにまどかがシラを切る・・・

レナ「み〜ちゃんは?」

魅音「えっ!?・・・まあ(汗)・・・ぎりぎりだけど何とか通ったかな・・・(苦笑)」

 思わしくなかった試験結果に動揺する。

圭一「まあ〜・・・これからも、分からないところがあったら、いつでも教えてやるぜ」

魅音「調子いいんだから・・・」

圭一「ありがとうな・・・まどか」

 これも、まどかの平和と幸福によって導かれた1つの結果でもあった・・・

 

 ほむら「本当に合格出来て良かったわ・・・」

彼の追試合格を聞いて1人微笑むほむらは、この後ゆっくりと去っていった・・・

 

 それから1ヶ月後・・・雛見沢分校がついに完成した情報を聞いて、圭一達は見滝原中学校から最後のお別れをする。制服も元の雛見沢分校のものに着用している。

しかし、そこにはほむらの姿はなかった・・・

仁美「うう・・・ここでお別れするなんて名残欲しいですわ(涙)」

まどか「これで良かったんだよね」

圭一「おう・・・学校生活に慣れたところで、また転校しちゃうけど・・・思って見れば長かったな・・・」

さやか「ええ・・・恭介に続いて圭一君やレナまでも離れてしまうなんて、長いようで短い期間でもあったよね」

杏子「まあ・・・また見滝原にこればいいんじゃない・・・」

 マミ「なぎさちゃんとも・・・お別れになるのね」

 なぎさ「お母さんがエンジェルモートで働くことになったおかげで、なぎさも雛見沢分校へ転校することになったのです・・・」

マミ「さみしくない?」

なぎさ「うん・・・大丈夫ですよ(涙)」

レナ「なぎさちゃんは、梨花ちゃんや沙都子ちゃんと一緒にお勉強できるからさみしくないよね」

羽入「お友達が1人増えて、嬉しいことなのです」

キュゥべえ「(く〜ん・・・く〜ん・・・)」

お互いに共有している2人が気を合わせている・・・そして、ゆっくりと別れの握手を交わした・・・

マミ「なぎさちゃん・・・何かあったらいつでも私のところに来てね(涙)」

なぎさ「うん・・・マミ、ありがとう(涙)」

そして、マミとなぎさは別れの挨拶として、お互いに抱擁する。

魅音「同じ年頃と一緒に勉強したほうが、なぎさちゃんにとっても学校生活に馴れてくると思うから・・・」

梨花「雛見沢分校は学年関係なく、みんなが一緒にお勉強できる楽しい学校なのですよ・・・にぱ」

杏子「ホントか!?・・・なあ・・・あたしもそっちに行っていいかい?」

沙都子「げっ!・・・あんたも来るの!?」

杏子「何だよ!・・・そんな嫌な顔しやがって!?」

仁美「でも、佐倉さん・・・町から更に遠くなりますよ・・・通学大変になるのでは?」

 おっとりした様子で仁美が尋ねる・・・この時、杏子も見滝原中学校に編入しているため、当校の制服を着用している。

杏子「な〜に・・・その時には、圭一の家に居候させてもらうぜ(笑)」

圭一「待て!!・・・いくら何でも、それは出来んぞ!」

  冗談ぽく笑う杏子に、それを鵜呑みにする圭一が突っ込む。

まどか「圭一君とも今日で別れちゃうけど・・・これからもあたし達のところへ遊び来てね・・・」

圭一「ああ・・・いつか会いにいくよ」

まどか「必ず来てね・・・約束だよ・・・」

 そして、みんなの前で思い切りキスをする・・・その後、顔を赤らめる・・・

さやか「こらっ!・・・まどか!・・・このあたしより先にキス体験して〜!・・・この〜!!」

自分より先に勝ち組を獲得されたことに、さやかが怒った・・・そしてまわりのみんながどよめいた。

レナ「圭一君!!・・・もうっ!!」

 デレデレとする圭一を見て、レナも憤慨する・・・

圭一「だが、結成した新部活メンバーだけは不滅だぜ!」

マミ「ええ・・・勿論よ(にこ)」

さやか「見滝原中学校聖魔部の部長がそう答えているから・・・みんなが花添えて卒業するまでは継続よ!」

「「「は〜い!!」」」

マミ「では、皆さん・・・またお目にかかる日まで・・・」

「「「さよなら!!」」」

杏子「・・・あたしも必ず雛見沢分校へ転校すっからな!!」

レナ「杏子ちゃん・・・」

梨花「・・・」

魅音「はいはい・・・言っとけ・・・言っとけ・・・」

 遠くから聞こえる女子の不穏な声に、魅音は気を失せた・・・

 そして、お迎えする富竹の車で便乗して雛見沢へ帰って行く・・・

 

 その後・・・戻って来た圭一達は、完成した我が母校へ訪れた。

レナ「わあ〜・・・豪華!!」

魅音「見違えるように・・・綺麗になっているね」

改築した雛見沢分校に2人は好評だった。そして、光沢が出るような校舎の中へ入ると、今までとは違う教室に全員が感動する。

沙都子「う〜ん・・・新築の香りがたまらないですわね・・・」

圭一「おい、見ろよ・・・電子黒板もそろえてあるぜ!」

レナ「本当だ!・・・これで、知りたい情報がいつでも検索できちゃうんだね」

羽入「僕、この教室・・・とても気に入りましたなのです!」

梨花「なぎさも、明日からこの教室でみんなとお勉強できるのですよ・・・にぱ!」

なぎさ「うん・・・すごく楽しみです!」

  初めて見る校舎になぎさの心が動いた。

 

 そして翌日・・・改装した雛見沢分校での授業が始まる・・・少ない児童生徒に新しい教室でわくわくしている。

  そこで担任の先生が教卓の前で立っている1人の転校生に自己紹介を進める。

知恵先生「今日から新しい転入生・・・百江なぎささんが一緒にお勉強をすることになりました・・・皆さん、仲良くしてあげてください」

なぎさ「あらためまして・・・百江なぎさです・・・好きな食べ物はチーズです・・・よろしくお願いしますなのです・・・」

 彼女の挨拶の後、児童生徒が拍手をする!・・・そして、1人の女子、公由夏美と仲良しの握手を交わしながらゆっくりと自分の席に着く。

レナ「一緒に頑張ろうね!」

なぎさ「うん!・・・」

圭一「よ〜し!・・・これで部活メンバーが、もう1人追加したって訳だな」

羽入「賑やかになってきて、お勉強にも意欲が沸いてくるのですよ(にこ)」

共に戦った馴染みの仲間達が歓迎する。仲間の大切さと喜びを元オヤシロの神様はここで理解した。

 

そしてまた、見滝原中学校のSHR時間では・・・

早乙女先生「それでは皆さん・・・転入生紹介します・・・」

 転入生は担任の先生の隣へゆっくりと入って来る・・・黒髪で三つ編みしているメガネっ娘の可愛い少女だった・・・

早乙女先生「暁美ほむらさんです・・・」

ほむら「あの・・・宜しくお願いします・・・」

 担任がホワイトボードで転入生の名前をフルで板書すると・・・少女はおずおずとしながら、教卓の前に立って自己紹介をした・・・

 早乙女先生「さて、皆さん・・・引き続き恋愛というものは、真心をこめて話す言葉が大事なことです・・・【暖かい心にしみ通る言葉】そして【リーダーシップとして愛人を慕っていく言葉】この2つが重要なのです。半熟卵のような生徒はこの2通りが欠けている証拠なのです!・・・女子の皆さんはくれぐれも半熟卵のような男子とは付き合わないように・・・」

紹介が終えてほむらが着席した後、先生は毎度のように恋愛のことで語っていた・・・それを聞いて半ば呆れている生徒も多かった・・・

 

その休み時間・・・3人の女子生徒が転入生の少女に声をかけてくる・・・

    「へえ〜・・・綺麗だね・・・どこの出身校?」

 ほむら「それは・・・」

「部活は文化部?・・・それとも運動部?」

 ほむら「あの・・・別に何もしてなくて・・・」

    「彼氏とかいるでしょう!」

 ほむら「いえ・・・その・・・(赤面)」

  そこで、まどかとさやかが来た。

 まどか「え〜と・・・大丈夫?・・・どこか、気分が悪かったら保健室へ行こっか?」

 さやか「こう見えてもまどかは保健委員なんだ」

 ほむら「え?・・・あっ・・・はい・・・」

気弱なほむらはクラスのみんなから視線を浴びて萎縮しているが、さやかとまどかが彼女に対して生暖かく接していた。

 

まどか「ほむらちゃんだよね・・・あたしは鹿目まどか・・・まどかって呼んで!」

さやか「あたしは美樹さやか!」

ほむら「はい、宜しくお願いします」

まどか「そういえば以前にも、同じ名前の女の子がクラスにいたんだけど・・・」

ほむら「えっ?・・・ほら・・・同心同名って、よくあることですよ・・・(汗)」

まどか「でも、ここしばらく前から急にいなくなって、何処へ行ったのかな?」

ほむら「それは・・・(びくびく)」

さやか「もういいじゃない、まどか!・・・あいつはそれなりに何とかやっているよ」

まどか「そうだね・・・」

さやか「それよりさ・・・まどかって、恋人いたそうよ」

まどか「ちょっと・・・いきなり何てこというの!」

さやか「別にいいじゃん・・・おめでたいことだし(笑)」

ほむら「あら・・・まあ・・・どのようなお方ですの?」

まどか「臨時転入生として、あたし達のクラスにいたんだけど・・・強くてとても格好いいナイト様みたいな人なの・・・今度遊びに行くときに紹介するね」

ほむら「はい・・・お願いしま〜す」

さやか「何か、すごい男子だったよな・・・『萌えの伝道師』だの『口先の魔術士』だの・・・自画自賛に言っていたね」

ほむら「え!?・・・」

さやか「もう、転校しちゃったけど・・・あなたにも見せてあげたかったよ・・・“まどかの男の子バージョン”を・・・(笑)」

まどか「さやかちゃん・・・やめてよ!(涙)」

ほむら「鹿目さんの恋人・・・会ってみたいですね・・・」

今の彼女が真のほむらだってことは、誰も気付いていないようだ。

 

・・・終わり・・・

 

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・・・・・後書き・・・・・

 

  『魔法少女まどか☆マギカ』と『ひぐらしのなく頃に』のコラボレーションストーリが今後劇場化されたらなと思います。

魔法少女レナ

 


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