新編

魔法少女まどかマギカ

ひぐらしのく頃にの物語

10人の魔法少女達・・・

 

第24章

 


 

  『エンジェルモート』の準備した昼食会を仲間達は思い切り楽しんでいる・・・飲んだり食べたりと戦いが終わった後の食欲はみんな旺盛だった。キュゥべえも用意された肉や果物を美味しく食べている。しかし、食べ放題オードブルの大半が圭一と杏子が食べ尽くしている。

 なぎさの母「皆さん・・・楽しそうですね」

  そこで、なぎさの母が自製したケーキをみんなに手渡す。

圭一「うおおおお!・・・うまそうな、ケーキだな!」

なぎさの母「うふふ・・・エンジェルモートで、働かせてもらったんです・・・」

まどか「良かったですね・・・」

圭一「とっておきのスイーツだぜ〜!」

  生クリームたっぷりのベイクドチーズケーキ・・・どよめく圭一は食後のデザートとして残しておく。

なぎさの母「気にいってくれて光栄です」

 なぎさ「あっ、お母さん・・・」

別の円卓から、娘のなぎさの声が聞こえた。

なぎさの母「それと・・・なぎさの分はこれね」

 なぎさ「わあ〜!・・・チーズケーキだ・・・ありがとうww」

梨花「なぎさは、チーズケーキが大好きなのですね」

沙都子「デザートは女の子の定番ですからね」

羽入「とても美味しそうなのです☆☆☆」

 絶妙のスイーツは女の子達にとって待ち遠しかった。

 

詩音「は〜い、悟史君・・・“あ〜ん”して(はあと)」

悟史「え〜・・・恥ずかしいよ〜・・・」

魅音「そんな照れくさそうにしなくてもいいじゃない(にこ)」

悟史「う〜ん・・・でもな!」

マミ「あら・・・女の子の好意はしっかりと受け入れたほうがよろしいですよ(にこ)」

奈津子「あはは(笑)」

  また別の円卓では、嬉しそうな顔で詩音がフォークですくったケーキを悟史のお口に食べさせようとしている・・・2人の愛情雰囲気に3年生の女子達がのほほんと微笑む。

 

羽入「うわ〜〜ん!!(泣)」

梨花「羽入!?・・・どうしたのですの?」

突如泣き出した羽入に、梨花が心配そうに尋ねる。

 なぎさ「食べようとして、シュークリームケーキを落としたみたいのです・・・」

羽入「美味しそうなシュークリームが・・・あうあうあう!(泣)」

 今まで食べたことのない大好物が円卓の下に落ちてしまった・・・羽入の泣き声は止まない・・・

梨花「羽入はドジッ子なのですね

沙都子「こんなに崩れては食べられませんわね・・・よし、わたくしにお任せください!」

 胸を張りながら、落とした分のケーキを取ってくることにした・・・

そして・・・

沙都子「はい・・・取ってきましたわよ」

羽入「わあ〜・・・ありがとうなのです(にこ)」

同じシュークリームケーキを羽入のところに手渡した・・・彼女の表情は『晴マーク』のように笑顔が戻った。

なぎさ「良かったですね・・・」

梨花「もう・・・落としてはダメなのですよ」

羽入「うん(にこ)」

杏子「こらあ〜!!・・・ケーキ返せ!!」

すると・・・遠くから杏子の怒鳴り声が聞こえた・・・沙都子の隠し技で、別の円卓にいる彼女のケーキをこっそりと奪ったのだった・・・

沙都子「もう、食べちゃっていますわ・・・おほほほ」

杏子「くそ〜!・・・こうなったら・・・さやかのいただき!」

さやか「ちょっと!・・・ずる〜い!!」

杏子「早い物勝ちだ・・・(パクパク)」

 レモンクリームケーキを奪われて杏子につっこむ・・・

さやか「じゃあ・・・まどかのも〜らい!」

まどか「そんな・・・ひどいよ・・・さやかちゃん・・・・(涙)」

さやか「早い物勝ち!(パクパク)」

 今度はさやかがまどかの好きな苺ショートケーキを奪って食べている・・・“とほほ”と落ち込むその時・・・・

まどか「圭一君のも〜らっぴ!」

圭一「あっ!・・・俺の取っておきのスイーツが・・・(涙)」

まどか「早い物勝ちだよ〜(にこ)」

圭一「とほほ・・・」

 自分の楽しみとして残しているベイクドチーズケーキが、隣に座っているまどかによって食べられてしまった・・・

圭一「よ〜し・・・こうなったら・・・」

レナ「・・・(すー・・・)」

 圭一がレナのスイーツに狙いをつけると、それに気付いて避けようとする。

圭一「え〜い!!・・・レナ、それよこせ!!」

レナ「嫌よ・・・レナだって食べたいもん!」

 ついに奪い取り合戦か!・・・圭一がフォークで何回も狙い続けるも、レナがそれを上手く回避する・・・隣に座っている上条恭介も2人の行動に気付き、自分のデザートを速やかに食べた。

 このまま2人の奪い合いを続けている最中に・・・

ゴンッ!!

圭一「げぼっ!・・・」

魅音「いい加減にしなよ!!・・・食事中にみっともない!」

 その後ろに座っている魅音が、暴れている圭一の頭をお膳で突いた。

圭一「何で俺だけ・・・」

なぎさの母「皆さんが心配しなくても、手作りケーキはまだありますから・・・」

圭一「ホントか!?・・・じゃあ、残りは俺が全部もらったぜ!!」

沙都子「そうは、させませんわよ!!」

圭一「お子様はおやつ1個で十分だ!(べ〜)」

沙都子「自分だけ4個も食べようなんて、ずるいですわよ!」

圭一「俺は特別だ〜!!・・・あっ!・・・」

ドテン!!

  ぺちゃっ!・・・

ひとりじめして食べようとする最中・・・キュゥべえが食べ残したバナナの皮を踏んでしまい、4個全てのケーキを台無しにした・・・

魅音「欲の突っ張りを出すからよ」

沙都子「フン・・・『二兎を追う者は一兎をも得ず』ですわね・・・おほほほ!!」

杏子「こら〜!!てめー!!・・・食べ物を粗末にするな!!」

圭一「げぼっ!」

 結局は1個も食べられなかった圭一・・・沙都子に笑いものにされてしまい、更には後ろから杏子のげんこつが来た・・・

まどか「圭一君・・・顔にクリームが付いているよ・・・」

圭一「ケーキでふさがって前が・・・みえね〜!・・・」

  まどかが圭一の顔を丁寧に拭いてあげている。そのお粗末な様子にまわりのみんなが爆笑する・・・

圭一「やっぱり女の子は笑顔が一番だよな・・・聖なる乙女の美徳というものだ」

“これは一本取られたな〜”と・・・まわりみんなにつられて、彼も大笑いした。

富竹「みんなの笑顔が揃ったところで、“富竹フラッシュ☆”だ〜!」

圭一「げっ!・・・トミー、来ていたのか!?」

富竹「君達女子の笑顔をしっかりとフラッシュしまくるぜ!・・・ハハハ!」

杏子「つ〜か・・・あんた、うぜえよ!!」

富竹「そんな・・・(ショック)」

杏子に冷たくあしらわれて富竹がガックリする・・・

ほむら「あら?・・・富竹じゃない・・・この間はマミへのご協力ありがとう・・・」

富竹「いえいえ・・・ほむらさんの言うとおりにしたまでですよ・・・彼女もお友達増えましたからね・・・」

マミ「ええ・・・おかげさまで・・・」

富竹「練習は上手くいっている?」

マミ「はい・・・とても充実していますわ」

富竹「それは良かった」

圭一「トミー!・・・俺達はこの萌え宴会を楽しく味わっている最中だ!」

沙都子「圭一さんは女の子達に囲まれて良い思いしていますわよ・・・」

富竹「そうか?・・・村を救ったお礼として、入江先生が折角いい女紹介したがっていたのに?」

圭一「何!?・・・紹介だと?」

富竹「もう来ているよ・・・」

圭一が反応すると・・・セクシーな大人の女性(CV:松来さん推薦)が近くに寄ってくる。

「フフ・・・なかなかいい顔しているじゃない・・・坊や」

圭一「そうかな・・・(どきどき)」

女性は調子よく煽てる・・・その胸元から刺激を受けるくらいの巨乳な姿に圭一は悩殺されている。

 「どう〜・・・少しだけ私と付き合わない?」

圭一「はい!・・・お供させてください!」

まわりの殺気も気付かずに、でれでれしながら引き受けると・・・

  ボコッ!!!

まどか「・・・!!(怒)」

レナ「・・・!!(怒)」

圭一「すいません・・・」

まどか(鋭い黄金の爪着用)とレナ(グローブ着用)のダブルパンチを突かれてしまった・・・

ほむら「どなたか存じませんが・・・前原君には好きな人がいますので・・・悪いけど、ここはお引き取りください!」

 「あら・・・残念(涙)」

圭一「おい!・・・いきなりかよ!」

女性からの誘いをほむらあっさりと断った・・・彼女はがっかりしながら去って行く・・・

さやか「みんな!!・・・丁度盛り上がったところでバイオリン交響曲を聞かせてあげるよ〜!」

全員「いいね〜!!・・・」

さやか「恭介・・・準備はいい?」

上条「ああ・・・」

ここで、みんなに声を上げたさやかが上条恭介の得意な演奏を披露させる。拍手喝采の後に、彼がバイオリンを弾き始めた。

レナ「素敵な曲ね〜・・・」

仁美「上条君・・・バイオリンをお弾きになる程まで、回復を成し遂げたのですね・・・」

その美しい音色は隣に座っているレナと仁美の耳に静かに届いた。

まどか「「ほむらちゃん・・・あたし今ね、最高の幸せを実感しているの・・・心地よい場所で、みんなと美味しく食べて・・・楽しく祝って・・・」」

ほむら「「本当に良かった・・・あなたはそのままでいいの・・・そのまま、普通の鹿目まどかでね・・・」」

まどか「「うん・・・ありがとう・・・ほむらちゃん」」

  高台から遠くに響く程の心地よい音響を聞いて、まどかとほむらはソウルジェムで心のメッセージをお互いに返していった。

戦を乗り切った後の大宴会・・・そこにはみんなの笑い・・・喜び・・・そして、幸せの場であった。

 

そして・・・宴会が終えて、圭一とまどかは高台で沈む夕日を眺めていた。

平穏になった村は日が暮れても、とても静かだった。

圭一「なあ・・・まどか」

 まどか「え?・・・なあに?」

 圭一「俺、気付いたことがあるんだ」

 まどか「気付いたこと?」

圭一「以前にレナが思っていたことだけどさ・・・あいつは今でも宇宙人が存在していることを信じているんだ・・・世界を司っているのは、宇宙人の仕業だと・・・」

 まどか「レナちゃんが?」

 圭一「俺はその噂を初めは疑っていたけど・・・でも、それが真実だったんだよな・・・」

まどか「そんな感じがしたよね」

圭一「その宇宙人が・・・恐らくインキュベーターだったんだろうな・・・」

まどか「ええ・・・(にこ)」

キュゥべえ「・・・」

この時、キュゥべえは何も答えなかった・・・着ぐるみのような感じで可愛らしくまどかになついている。

圭一「ま・・・俺とレナが一騎打ちした時の戯れ言だけどね」

まどか「うふふ・・・キュゥべえはあたし達にね・・・運命を変えられる素質があるからって、無条件で契約をお願いされたの・・・願い事が1つ叶えられることを信じて・・・」

圭一「確かに、そう聞いたよな・・・」

まどか「願い事って、有史以前から人々の魂を礎にして、良心な希望での祈りを捧げていったの・・・でもね、中には善悪を知らずに強欲な願いも捧げていった人達もいた・・・その欲望が習慣性になったために己の心が次々穢れてしまい『ワルプルギスの夜』という悪を生み出してしまった・・・羽入ちゃんが言った『フワラズ』て、そういう勾玉でもあったんだよ、きっと・・・ほむらちゃんはその事実をすでに知っていたんだね・・・だから、あたし達に契約を拒んだんだ・・・」

圭一「『フワラズの勾玉』は、元々オヤシロ様が両思いを叶えさせる目的として授けた力だけどね・・・『縁結び兵器』ともいうしね」

まどか「もしも、有史以前からほむらちゃんのような人が存在したら・・・永年の平和を導いていたかも知れないし、あたしも魔法少女にならなくて済んでいたかも・・・」

圭一「でも最後に、まどかは村や街を取り戻してくれた・・・その願いがあったからこそ世の中のみんなの危機を救った・・・そして再び平和にしてくれたんだ!・・・この雛見沢が静穏になったのもまどかのおかげさ・・・本当にありがとう!」

まどか「いいえ・・・どういたしまして(はあと)」

 そのロマンチストな夜景を満喫しているその時!・・・

さやか「あ〜ら・・・2人で仲良く黄昏れちゃってさ〜・・・」

魅音「ホントだ!・・・ホント(くすくす)」

沙都子「圭一さんは、特に嬉しそうですわね・・・おほほほ!」

マミ「3人とも・・・趣味が悪いですよ」

圭一「げっ!・・・お前ら、ずっと見ていたのか!?」

 沙都子「お気づきにならなかったのかしら・・・途中からだけど・・・ちゃんと聞いていましたわよ」

レナ「わあ〜・・・初めてキュゥべえに触れた!」

まどか「今はレナちゃんにもなついているね・・・とてもおとなしくなっている様子だよ」

魔女も消滅してグリーフシードも生み出せなくなった今、知的生命体の使者はただ無口に動き回っているだけだった。

レナ「ペットみたいに、かぁいいよ〜・・・えへへ・・・お持ち帰りぃ〜!!」

自分の世界に入ったレナが良心なキュゥべえを持ち上げて走って行った・・・

まどか「レナちゃん・・・」

詩音「あらあら・・・始まったようですね・・・いつものの妄想癖が・・・」

まどか「あの調子なんですか?」

詩音「可愛いものには、特に目が無いですから・・・」

圭一「そ〜言えば俺・・・追試の勉強をしないと雛見沢分校に戻れなくなるんだったな(ガクッ)」

魅音「あっ!・・・おじさんも追試があったな・・・」

まどか「心配しないで・・・あたしがわかりやすく教えてあげるからね・・・うふふ」

圭一「・・・?(汗)」

さやか「勿論・・・あたしも協力する〜!」

圭一「おう・・・よろしく頼むぜ!」

魅音「何か、よ〜く聞いたらさ・・・圭ちゃんとさやかちゃんって声似ていない?」

上条「ああ・・・何となくそんな感じに聞こえる・・・初め声かけられた時、さやかだと思っていたから」

圭一「なぬ〜!!・・・俺ってそんな女みてーな声してんのか!??」

魅音「別に・・・そう言う意味じゃなくって・・・」

さやか「え?・・・じゃあ、どう言う意味なんですか??・・・自分でもさっぱりと気付かないですけど・・・」

沙都子「まあ・・・中学生って、声変わりするか否かの年頃ですからね・・・圭一さんも声が少々高いですわよ」

圭一「はぁ!・・・少々!?・・・お前ホントかよ!」

沙都子「さてね・・・」

まどか「そんなことないよ・・・あたしが聞いたらとても男らしい声しているわよ」

さやか「まどか・・・あんた自分自身はどうよ?」

まどか「え?・・・よくわかんないけど・・・」

マミ「前原君・・・鹿目さん・・・2人とも大丈夫よ・・・私が聞いても、ちゃんと大人の声に変わっているから」

杏子「気にしなくても、さやかが男みてーな声しているだけだ」

さやか「あんたも人のこと言えないでしょうが!!(ツッコミ)」

 自分の本文をすっかり忘れていた圭一は、再び試練を乗り越えなければならなかった・・・まどかとさやかは彼の追試の手伝いを喜んで引き受けることになった・・・

 

戻る  続く

 


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