シスプリワンピース

 

第10章 強豪突破、ルフィVSジャドー

 


 

      ジャドーの能力の中で異次元空間に閉鎖されてしまったが、千影の学者並の頭脳で、何とか脱出した。しかし、残り時間が制限され、緊迫する中で滞りなく帆走するゴーイング・メリー号だが、ようやく妹達の島が見えてきた。

   ナミ「あの島ね!」

      望遠鏡を覗きながら、確認した。

ウソップ「また、さっきの妙な歪みが出てこないよな・・・」

      恐々とウソップは辺りを見回した。

  ロビン「その時は考えるわ」

      クールにロビンが言う。

  ルフィ「今度こそ、ジャドーを捕まえてやる!!」

 

 

      その時、沖合で1人の平社員がゴーイング・メリー号を遠くで確認した。

 

  平社員「ボス、大変です!・・・麦わら一味が、こっちに向かって来るそうです!!」

      カタツムリのような無線電話を手にしながら、ジャドーに伝えた。

 

      会議室で・・・

ジャドー「何だと!!・・・バカな・・・麦わら一味は、おれがまとめて始末したはずだぞ!!」

      そんなはずがあるかと・・・戸惑った。

     「「しかし・・・現に麦わら海賊マークの旗が立っている船が、真っ直ぐに向かって来るんです!!」」

      ジャドーの手前の円卓に置かれてある無線電話から、即答が来た。

ジャドー「あいつらめ、どうやって脱出したんだ・・・おれ自身の能力以外は、出られないような法則になっているのだぞ!!」

      ジャドーが苛立った。

ジュアリ「あら、抹殺失敗ですか・・・」

ジャドー「うるさい!!・・・おれに指図する気か、ジュアリ!!!」

      ジュアリの一言にジャドーは睨みつけた。

ジュアリ「いえいえ、ちょうどいいかなっと思って・・・」

ジャドー「まあいい!!・・・こうなったら全員出撃させろ!!!」

      電話の受話器で平社員に命令させた。

     「「は、はい・・・かしこまりました」」

      はっきりと、無線電話から、了解の声が聞こえた。

ジャドー「おまえらも出動だ!! 役割が回ってきたぞ!!」

      顔を歪ませながら、幹部達に言う。

   テツ「そう来ないとな・・・」

      テツはニヤッとして、すぐに出撃する。

ジャドー「まずは、ニコ・ロビンと小娘12人から始末しろ!!・・・麦わら一味は、その後だ!」

幹部3人「了解!!!」

      ジャドーの命令に3人は、出撃した。

ジャドー「何としても潰してやる!!・・・」

      恐い目をしたジャドーは、自分の野望を通そうと怒りを抑えながら言った。

 

 

      そして、ゴーイング・メリー号は・・・・

      着実に、目的地に向かっている。

ウソップ「ど・・・どうやら、あの妙な歪みは出てこねェみたいだな〜・・・」

      ホッとしたが・・・

  サンジ「おまえら、気をつけろ!! 向こうから敵船が襲ってくるぜ!!」

      サンジが左舷から、3隻の敵船を確認した。どうやら、ダークプロジェクトの船らしい。

ウソップ「ま・・・またかよ〜〜〜!!!」

      ウソップは驚愕する。

   千影「こちらからも・・・・・3隻やってくるよ・・・・・」

      同じように右舷からも敵船を確認した。

ウソップ「ひゃ〜〜・・・やべェよ〜・・・砲弾なんてもうねェよ〜〜!!」

      ウソップは両サイドから敵船が向かってくることに、全身をぶるぶる震わせた。

チョッパー「わわわ〜〜!・・・ど、どうするんだよ・・・ウソップ!!」

    衛「敵が次第に近づいてくるよ!」

      チョッパーや衛も慌てた様子で喚いた。

   雛子「こわいよ・・・」

  亞里亞「くすん・・・・・くすん・・・・・」

   鞠絵「いやあ・・・」

      雛子と亞里亞と鞠絵は、人一倍臆病な為、デッキテラスでおびえながら、3人一緒に抱き付いて涙を滲ませている。

 ルフィ「このまま前進しろ〜!!・・・ジャドーの所に行く!!!」

 ロビン「その方がいいわね・・・時間も制限されているから」

      ゴーイング・メリー号は、襲ってくる6隻の敵船を無視して、真っ直ぐの島を目指している。

ナミ「敵が襲ってきたわよ!!」

      ナミは、驚愕した。

 

      ボンッ!!!

 

      やはり簡単には通してくれないのか・・・直進するゴーイング・メリー号目がけて1発の砲弾が発射される。

   ナミ「私が至近弾を逸らすように航海するから・・・うまい具合に取り舵きって!!」

      緊急事態の中、しょうがない顔をしてナミは、操船技術で敵船を振り切るつもりで、みんなに号令をかけた。

 

      しかし、逃げられない・・・敵船は6隻一体となって、進行する隙を塞いだ。

 

  ロビン「取り舵で逃げ切るのは無理のようね・・・お相手した方がよろしくって・・・」

      ロビンは、周りの状況を判断して言った。

ウソップ「おい、6隻の敵船だぞ!!・・・相手できるかよ〜〜!!」

      足をガクガクさせたウソップは、お手上げ状態の様子だった。その敵船の大きさからにすると約数十人程度のダークプロジェクトの社員が乗っているらしい。

 ロビン「ここは、私が相手するわ!・・・6隻くらいなら何とかできる」

      敵船を見遣ったロビンが平然とした態度で撃沈させようと主甲板へ向かう。恐らく、ロビンにとっては問題ない相手だろう。幼い時、海軍の軍艦を6隻も沈めた経験があるからだ。そのおかげで彼女が賞金首になった唯一のきっかけである。

   千影「待って・・・・・私も行くよ・・・・・一度試してみたいことがあってね」

ウソップ「おめェもいくのかよ〜!!」

      後方で、千影がロビンの肩を叩いて言った。

 ロビン「いいけど・・・6隻の船を相手するのはとても危険よ!」

      千影の以外な言葉に引き受けたロビンだが、不可解に思った。能力も持たないこんな少女が遠距離から襲ってくる6隻の敵船をどうやって相手できるのか・・・彼女が悠然と主甲板に向かっていく行動に、ロビンはとても不安げな様子だった。

 

      そして、主甲板で立ち止まり、おもむろとバックから水晶玉を出した。

   千影「危惧な表情で心配するのも当たり前よね・・・・・私の細身の体で・・・・・戦おうとする姿を見ると・・・・・」

  ロビン「本当に大丈夫?」

      ロビンは、ますます不安になった。

   千影「見ての通り・・・・・私は何の能力も持たない普通のかよわい人間だ・・・・・でも・・・・・この水晶玉を使って唱えれば・・・・・遠方の敵を遺憾なく攻めることが出来るのさ!」

      千影は目を鋭くさせ、クロスでかぶせた水晶玉に手をかざした。

   千影「 Break down behind many ships spy ware・・・」

      瞑想しながら詠唱すると、水晶玉から光が発した。すると・・・

 

      チュド〜ン!!! チュド〜ン!!!・・・

 

      何と、敵船が次々と撃破されていく・・・

 

      チュド〜ン!!! チュド〜ン!!!・・・

 

彼女の遠隔性の攻撃により、一瞬の内で撃破された6隻全ての敵船は、海面で大きく炎上した。

  ロビン「へえ〜、すごいじゃない・・・」

      隣にいるロビンが驚きの目で彼女を見ていた。

  ルフィ「やっぱりやるな・・・おめェ!」

      後から来たルフィが、千影の術を見て感動した。

   千影「フフ・・・・・この水晶玉で術をうまく駆使すれば・・・・・悪魔の実の能力者並に強さを発揮することも可能だ・・・・・」

      千影は微笑した。これが彼女の能力である。

  ルフィ「なあ・・・その玉、おれにも使えるのか!?」

   千影「それは・・・・・・」

 ルフィ「どれどれ、貸してみろ!」

      ルフィは、千影から水晶玉を借りて、彼女の真似をしてもう一隻向かってくる敵船目がけて詠唱する。

  ルフィ「沈め!!」

 

      しかし、何も起こらなかった・・・

 

  ルフィ「おい・・・おかしいぞ〜、千影!・・・なぜおれの場合は効かねェんだ!」

   千影「普通に使っても意味ないよ・・・・・コツがいるんだ・・・・・」

      少し呆れながら言った。

 ルフィ「こんなものにもコツがいるのか!?」

      たかが水晶玉にも、技術を要しないといけないのかと、ルフィは手に持ったそれを見て、めんどうくさそうに言った。

 ロビン「無理よ、船長さん・・・術と言うのは、熟練された人でないと効果は発揮しないもの・・・あなたがいくら強くても、水晶玉にはその人の使用するしきたりと相性があるから・・・」

      ロビンはルフィに説明した。

 ルフィ「ちェッ、無理か・・・別におれは、この手でジャドーをぶっ飛ばすからいいや!!」

      諦めても、別にいじけてはいなかった。

  ナミ「ねえ!・・・ちょっと・・・あの敵船、海軍じゃないの!?」

      主甲板の下り階段で、ナミが1隻の軍艦を確認した。

 ルフィ「ああ・・・おれが、さっき打ち落とそうとしたものか?」

   ナミ「もしかして、あんた!・・・あの船に攻撃しようとしていたの!!(ツッコミ)」

  ルフィ「千影の水晶玉を借りて試してみたけど・・・何も効かなかったみてェだからよ・・・」

   ナミ「あんた・・・バカね!!(ツッコミ)」

      ナミは、青すじ立てて怒った。

  ルフィ「何がだ!!」

   ナミ「意味のないこと、するんじゃないわよ!!・・・あの海軍マークの帆が見えないの!!」

      ナミは遠くに見える軍艦に指さして言った。

  ルフィ「海軍だろうが、向かってくる奴はぶっ飛ばせばいいんだよ!!」

      ルフィは言い返す。

   ナミ「この子達の事も考えなさいよ!!!」

      逆ギレするナミは怒鳴った。

   千影「喧嘩の最中・・・・・失礼ですけど・・・・・島に着いたよ・・・・・」

      唖然としながら、ナミとルフィの口げんかしている間に入って言った。

   ナミ「あら、本当だ・・・」

 ロビン「余裕がないわ・・・早い内に突破しないと・・・」

      ロビンは、少し焦った気持ちで言った。ジャドーが、七武海になったら全てが台無しになるからである。島も・・・兄も・・・住民も・・・そして、千影の無罪も・・・

 

      しかし、その軍艦には・・・

ネズミ大佐「おそろしい〜・・・やはりあの小娘、ただ者じゃねェ・・・」

      実はネズミ大佐がいる海軍船だったのだ・・・6隻の敵船が撃沈された状況を望遠鏡で覗いて愕然としていた。

   部下「どうします!・・・大佐・・・報告しますか!」

ネズミ大佐「もうしばらく島で様子を見よう・・・極めて危険な島だから・・・気ィつけて舵を取れ!」

      辺りを哨戒しながら、命令した。

   部下「かしこまりました・・・」

 

      ようやく島にたどり着いたルフィ達・・・全員集まり、防波堤から出て、町並みを覗いていた。

   可憐「ひどい・・・可憐達の町が・・・」

 咲耶「あんまりだわ・・・」

      愕然たる面持ちで可憐、咲耶以下の妹達は気落ちした。そこには、建物倒壊、道路寸断など・・・どれも不可抗力な破壊物ばっかりだった。せっかく帰って来たイタリアン風の町並みが跡形もなく崩壊されていたことに、ショックを隠しきれなかった。

 ナミ「まるで・・・初めて来た時のココヤシ村のようね・・・」

      呆然したナミは、過去に訪れた自分の故郷の事に脳裏をよぎった。

サンジ「クソひでェ事するぜ・・・ブラックホール野郎め!!」

      サンジは、怒りの瞳で遠くのジャドーを睨んだ。

  可憐「ひょっとすると・・・お兄ちゃんはもう無事じゃないの・・・」

      憤りと悲しみで涙に濡れる可憐は、崩された町並みを見てふと思った。その場所は、住民誰1人もいない。

サンジ「大丈夫だよ、可憐ちゃん・・・一昨日も説明した通り、自分を信じて行動することだよ・・・兄ちゃんは、きっと何処かにいる!」

      なだめるように、可憐に励ました。

  可憐「はい・・・ありがとうございます・・・」

      返事こそ元気無かったが、励まされた彼女は思いきり頷く。

  ルフィ「この町のどっかにジャドーがいるんだな!!」

      ルフィは、怒りのこもる顔で根城を探ろうとする。

 ロビン「ええ・・・必ず何処かに・・・」

      ロビンも表情を鋭くして言った。

  ルフィ「早く見つけてぶっ飛ばす!!」

      ルフィは、自分勝手なジャドーを許さなかった。

 

その時、北西から、何かが聞こえた・・・

 

    「「「「すぐに消してやる!!」」」」

 

 ロビン「ジャドーの声だわ!!」

 ルフィ「何!!・・・ジャドーだと!!」

      ルフィは、次第に怒が増してきた。

   可憐「いやよ・・・」

      慄然する可憐は、顔が青ざめてきた。

ウソップ「ヒ、ヒィ〜!」

      ジャドーと聞いてウソップは、情けない顔をして体をびくびくさせている。

   鈴凛「ウソップさんって・・・あれで本当に勇敢な海人なの・・・」

    衛「なんか疑わしくなるね・・・」

   四葉「超ダサイデス・・・」

      3人は呆れた顔で、本人に気づかないように話した。雄々しく『勇敢な海の戦士』だと自称していた彼が、格好悪くびびっているのを見て、だんだん信じられなくなってきた。

 

      空の周りがだんだん薄暗くなり、妹達の近くから異様な空洞が、突如出現した。

 

妹全員「きゃああああ!!」

ミカエル「キャイ〜〜ン!!」

      何と・・・その空洞が、妹達を襲う!

 ロビン「お嬢ちゃん達、すぐに逃げて!!」

  咲耶「何処に逃げればいいの!・・・(恐)」

      余りにもの恐ろしさに、状況判断を見失って戸惑う咲耶はロビンに聞いた。

 ロビン「ジャドーのいる北西の場から、半径100m以上離れれば大丈夫よ!」

      ロビンが陽動すると、妹達は必死になって逃げ出した。

  ルフィ「あいつか!!!」

      北西側の高山に遠くに突っ立っているジャドーを確認した。

  ルフィ「おれがジャドーを仕留める!・・・おまえ達は先に兄を捜してこい!!」

      ジャドーを見つけたルフィは、みんなを後にして飛んでいった。

   可憐「待って、ルフィさん・・・」

      可憐は心配そうに、飛んでいったルフィを見つめて言った。

 ロビン「ここは、船長さんに任せて、私達は早く兄を助けに・・・」

      ルフィの所に向かおうとする可憐を、ロビンは彼女の片手を捕まえて止める。

   ナミ「ほら、行くわよ!」

      ナミは、ぼっと見つめている可憐の頭を軽く叩いて兄を探しにいく。

   可憐「う、うん・・・」

      頷く可憐もみんなの後について走って行った。

 

      そして、ゴムゴムの技で飛んできたルフィは原野に立ち止まり、ジャドーと初めて対峙する。森林奥に設置されている風力発電機の羽根が回転する音だけの静寂な場所で、そよ風に煽られて衣服や前髪が揺らめきながらも姿勢と精悍な表情だけは崩さなかった。

 ルフィ「おまえが、ジャドーか!!」

      怒りがこもったルフィは、ジャドーを強く睨みつけた。

ジャドー「どうやら貴様があのクロコダイルを討伐させた張本人・・・モンキー・D・ルフィか!!・・・この期に及んで何しに来た!!」

 ルフィ「島を返しに来た!!」

      単刀直入に言った。

ジャドー「フ、何を笑わせる・・・ここの島は我々の組織を企てるための場所とするのだ!!・・・そうそう返すとでも思っているのか!?」

      煙草を銜えながらジャドーは、冷笑した。

 ルフィ「返す気がねェなら、ぶっ飛ばしてでも取り返す!!!」

ジャドー「こしゃくな奴だ!!・・・まあいい・・・貴様も我が社の抹殺リストに入っているからな!!!」

 ルフィ「なら話が早ェ! 潰すまでだ・・・」

      ルフィは視線を鋭くしながら戦う姿勢で構えた。

ジャドー「先に言っておくが・・・おれはクロコダイルとは比べ物にならねェくらい強いからな!!・・・奴を倒したからっていい気になるなよ!!」

 ルフィ「“ゴムゴムの鉄砲〈ピストル〉“!!!」

      早速先制攻撃をした。

 

      ボワ〜〜ン!!

 

      ジャドーの腹部を狙った! しかし・・・腹部が歪んで、切り抜かれた丸い穴のようにルフィの伸びるパンチをすり抜けていった。

  ルフィ「なんだ〜・・・当たんねェぞ!!」

      殴った感触のない手応えに、ルフィは戸惑った。

ジャドー「その程度の攻撃で効くわけがない!!・・・おれは『アナアナの実』の能力でな・・・体全体が穴のように貫くんだ・・・つまり、おれ自体そのものが立体映像と言っていい!」

 ルフィ「うるせェ!! “ゴムゴムのスタンプ”!!!」

      ボワ〜ン!

 ルフィ「“ヤリ”!!!」

      ボワ〜ン!

 ルフィ「“ロケット”!!!」

      ボワ〜ン!!

      ルフィはゴムゴムの技を連発したが・・・同じように、ジャドーの体を歪むようにすり抜けてしまった。

ジャドー「フン!!!」

      ジャドーが、ゴムゴムの技で接近して来たルフィの腹に拳を入れた!

      バキッ!!!

  ルフィ「ぐわあッ!!!」

      ボコ〜ン!!

      平凡な一発だったが、威力は強烈だった。ルフィは、なんと100メートル先までぶっ飛び、林に激突した。

  ルフィ「イテテッ!!・・・くそ〜〜!! なぜ当たんねェ!!」

ジャドー「バカか、おまえは!!・・・さっきも言っただろう・・・おまえの攻撃では通用しねェと!!」

 ルフィ「にゃろ〜!!」

ジャドー「これだけじゃねェぞ!!」

      ジャドーは、右腕を大きく素振り上げた。

 

      ババ〜ン!!! ババ〜ン!!!

 

      とジャドーの手の平から出現した奇妙な穴からショットガンが連発され、ルフィを狙った。

ルフィ「あぶねェ!!」

      ルフィは、間一髪でかわした!

ジャドー「おれの穴の中は異次元空間にもなっている!・・・そこからいろんな物が出せるのだ!!」

 ルフィ「おまえはドラ○もんか!!」

ジャドー「関係ないな、そんなこと!・・・ゴム人間の今の貴様に勝ち目なんてあるのか!!?」

 ルフィ「ああ・・・絶対にぶっ飛ばす!!!」

ジャドー「口先だけは達者だな・・・だが無駄だ!!・・・なぜならおれはブラックホールと一体化しているからな!!・・・これが決定的な優劣な差だろう」

 ルフィ「ブラックホール!?・・・確か千影が言ってたな・・・弱点を見つけないと倒せねェ相手だと・・・」

      ルフィは、思考しながら戦闘した。しかし、動きが鈍くなった。

ジャドー「何ボサっとしている!!」

      容赦なく巨体からくり出されたジャドーのパンチがうなりを上げてルフィに襲いかかった。

      ブォン〜!!!

 

      ゴゴォォン!!!

 

  ルフィ「ぐわッ!!!」

      ルフィは辛うじて身をかかえながらかわしたが・・・ジャドーの絶大なパンチ力によって、地面が砕け散りその衝撃で欠片もろとも吹っ飛んだ。

 

ジャドー「“ホールエアー”!!!」

      ヒュ〜〜〜〜〜〜ン!!!

      今度はジャドーの手の平から吸い込み風をまき散らした。

 ルフィ「なんだ、この吸引力は!!」

      ルフィは暴風に巻き込まれた枝のように煽られている。

  ルフィ「わああッ!!・・・ちくしょう!・・・どうやって奴の弱点を・・・」

      ようやく、吸い込み風から脱出し地面に着地した・・・

しかし・・・

ジャドー「あまい・・・」

 

      ボンッ!!!

 

      ジャドーの出現した穴から砲声が轟き、弾はルフィ目がけて飛んできた。

 ルフィ「何を・・・“ゴムゴムの風船”!!!」

      ルフィの腹部はゴム風船のように膨らみ、飛んでくる砲弾をおなかで受け止め、ゴムの反動で跳ね返して、ジャドーに狙いを向けた。しかし砲弾は、ジャドーの体の前で消えていった。つまり、異次元空間の中へ入ってしまったのだ。

  ルフィ「なんだ〜!! あいつ砲弾を消したのか!!?」

      ルフィは唖然とした。

ジャドー「遅いぞ!!」

      そして、ジャドーが瞬時に肉弾戦で奇襲してきた。その腕前は、真の格闘家と言うべきか・・・凄まじい拳と蹴りの連打が躊躇するルフィの体を狙ってくる。

 ルフィ「わッ!!・・・わッ!!・・・わッ!!」

百戦錬磨のルフィがみるみる内に押されている。もともと頭より体が動く熱血派なルフィにとって、判断しながら攻めていくのは、まるっきり向いていない。そのため、深く考えるごとに彼の攻防にスキも多くなってきた。

 ルフィ「冗談じゃねェ!!・・・こんな所でやられてたまるか!!!・・・ゴムゴムの〜〜〜〜“散弾〈ショット〉”!!!」

      攻められていることに我慢できず、ムキになってひたすら応戦した。

ジャドー「こしゃくなマネを!!」

      2人の激しい攻防の真っ最中に、ルフィの体から何か音響が聞こえた・・・

ジャドー「何!!」

      ジャドーは動揺した。その音響は、彼にとって何か手応えがあったのか・・・

  ルフィ「今だ! “ゴムゴムの鐘〈かね〉”!!!」

      ルフィは首を後方に長く伸ばて、戸惑っているジャドーの顔面に狙いを定めた・・・

 

      しかし・・・

 

     「ぐあああッ!!!」

      ジャドーの右手のひらから出てきた突然のヤリが、ルフィの腹部を突き刺した!!

 

ジャドー「1億ベリー程度で突き上がっているんじゃねェぞ・・・貴様!!・・・おれは『王下七武海』の一角を担う男だ!・・・たかが一部海域で、多少名を挙げた小物船長が・・・このおれにたてつこうなんて100年早いぜ!」

       背中まで突き刺したルフィを、上まで持ち上げた。刺されたルフィは、口から大量の出血!・・・その痛みは、冷然な態度の彼にはまるで響かない・・・そして、刃に刺されたままのルフィは、彼の能力によって出現させた溶岩の穴の中へと落下していく。

  ルフィ「おまえなんかに!!!・・・」

      ルフィの怒りはもはや、ジャドーのアナアナの能力の前に沈んでいってしまうのか・・・

ジャドー「おれ様に歯向かうとこうなるのだ・・・ヒヒヒヒッ!!!」

      ジャドーは大きくあざ笑った。ルフィは負けてしまったのか!!?

 

 

*  *  *  *  *

 

 

      その頃・・・

      ルフィがジャドーと対戦している間に、ナミ達と妹達は、兄と住民達を救いに湖の桟橋へと渡って行く。周りが草原で見晴らしの良い場所でもある。

  サンジ「・・・ん!?」

      湖全体がぶくぶくと泡立てているのを見て、サンジが訝った!

      その時!

     「死ね!!」

   可憐「きゃッ!!!」

      湖から突然舞い上がった1人の幹部が可憐に襲いかかる!

ガシッ!!!

サンジ「おっと、あぶねェ!!」

      危機一髪で、可憐への不意打ちを足技で受け止めたサンジが、睨み付けた。

「チイッ、邪魔するな!!・・・ロビンや小娘抹殺の指令がでているんだ!!」

  可憐「・・・(恐)」

      その敵幹部は、何と魚人ブリブドだった。襲いかかってきた彼の言葉を聞いて、妹達はおののいた。

 サンジ「かよわいレディー達に手出しするんじゃねェ!・・・半魚野郎!!」

      女を守ると言う信念を志としているサンジが煙草を銜えながら挑発した。対峙する2人の足技が隙を与えないように互いに力を入れて交差する。

ブリブド「貴様も麦わらの一味か!!?」

 サンジ「そうだ!!」

ブリブド「そんなに死にてェなら、貴様からすぐに葬ってやるぜ!!」

 サンジ「おれは、おまえごときには殺されねェぜ!」

      サンジはクールにキメながら、ブリブドに言い返した。

 サンジ「ここは、おれが引き受けた! おまえ達は早くいけ!」

      目前の敵を相手に、サンジはみんなに言った。

   白雪「は・・・はいですの!」

      白雪他の妹達は戸惑いながら先に行った。

   ナミ「じゃあ、サンジ君・・・先行っとくね!」

      ブリブドと対戦するサンジを後に、ナミ達は走っていた。

  サンジ「さてと・・・」

      ナミ達を見送った後、すぐに戦闘の準備をした。

 

 

      何とか並木道へ駆け付けたが、倒壊された樹木や荒らされた住宅などで目的地を明確にするための道のりが分かり難くい。

ナミ「あんた達の住まいは、この辺の近くなの!?」

      息を切らし、走りながら尋ねた。

   可憐「そんなに遠くはないですけど、徒歩では少し時間がかかります・・・普段はトラム〈路面電車〉で往復していますから・・・」

   ナミ「で・・・駅前は?」

  ロビン「どうやら、電車は動かないみたい・・・」

      路面電車の線路はすでに壊されていた。

  ナミ「とにかく走るしかないわね・・・」

      ため息を付きながら言った。

 

妹達の案内にナミ達も繁華街へ向かうが、建物の崩壊だらけに遂には分かれ道が幾つにもなった。

ナミ「どうやら団体行動では無理のようね、ここから手分けして探すしかないわ・・・」

      場所が場所で、見当が付かないナミは分岐点に立ち止まって捜索方法を変更した。

  ロビン「そうね・・・」

      後方でロビンも賛同した。

ウソップ「きっと、この奥の何処かにダークプロジェクトの連中が待ちかまえているに違いないぞ〜・・・(ガクガク)」

      恐々と予想するウソップは毎度のこと、腰が引けていた。

   咲耶「恐いわ・・・」

   鞠絵「咲耶ちゃん・・・」

      ウソップの言葉に2人は、びくびくしてお互い抱き付いている。

   ゾロ「不安がってもしょうがねェぞ!・・・進むしかねェだろ!!」

      妹達を背中で言い捨てながら、ゾロが先に分かれ道へ向かった。

   ナミ「あんたが一番不安なのよ!!・・・1人で行こうとするんじゃないわよ!!(ツッコミ)」

      無鉄砲に進もうとしている方向音痴のゾロにナミが青筋立てて怒った。

   ゾロ「5通りに分かれているのか!・・・テキトーに入ればその内出られるだろう・・・」

      ナミの注意もうわの空で、自分勝手に行こうとする。

   ナミ「あちゃ〜、ダメだ・・・ねえ、あんた達・・・あの人の後に付いて行って!」

咲耶&鞠絵「ええ・・・」

ミカエル「ワン!」

      呆れ果てたナミにエスコートをお願いされた2人とミカエルは、おずおずとゾロの所へ走って行った。

  ロビン「私達も、均等に手分けして探しましょう・・・」

   ナミ「時間も無いから・・・人数合うように分かれて行って!」

      せかせかと言った。

   春歌「可憐ちゃんは兄君さまと先に会わせないといけませんから・・・ワタクシ達と御一緒で・・・」

   可憐「うん・・・」

      4コースの分かれ道を、残ったメンバーで手分けして走って行った。

 

                                                               続く

 


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