シスプリワンピース
第13章 強者宿縁の決闘
サンジVSブリブド桟橋近くの広場では、2人が戦いの真っ最中だった。振りかぶったブリブドのハイキックやローキックを、サンジは攻めの要となる自慢の足技で次々と返していく・・・技を応酬しながら攻防している2人は、負う傷は五分五分だった。ブリブド「なかなかやるじゃねェか・・・人間の分際で!!」サンジ「だから言っただろう・・・お前ごときには、やられねェと!」破壊力絶大なブリブドの強靱な太い足腰・・・しかし、サンジも彼に劣らずの強力な蹴りだ。『バラティーエ』と呼ばれる海上レストランの長ヒゲのオーナー『ゼフ』譲りの足技は、木製のバット21本を軽く叩き割る程の威力を持ち、また狙いも的確だ。手は使わず、もっぱらその足だけを武器に強敵を倒してきたサンジ自身の戦闘としてのポリシーである。ブリブド「だが、ここまでだ!・・・種族の違いってのを、教えてやるぜ!! “ジョラケー・ファート・ハーング”!!!」サンジ「何を!・・・胸肉〈ポワトリーヌ〉!!!」バシッッ!!!サンジ「ぐあッ!!!」この時、均衡を破ったのはブリブドの方だった。彼の回転踵蹴りを応戦したサンジだが、余りの威力に押されてしまい、ぶっ飛ばされて血反吐を出した。ブリブド「これでようやくわかったか!!・・・人間が魚人にケンカを売るということは、自然の摂理に逆らうのと同じ行為だ!」サンジ「フ・・・どこかのクソ魚野郎がそう言っていたな・・・!!」その時、サンジはアーロンの事に脳裏を浮かぶ・・・アーロンとはノコギリザメの魚人で、凶悪凶暴、全てはココヤシ村を支配するのが目的で、長い間ナミをおもちゃのようにこき使っていた。結局ルフィが倒したが、今でもその奸計な性格にナミを愛するサンジとっては、最も許せない奴だった。そのため、アーロンと同じ事を言っているブリブドに対してサンジは嫌悪感を抱き、余計に苛立ってきた。ブリブド「弱者の人間がおれ達の事を語る筋合いねェ・・・おれ達魚人は、強くなるために生まれてきたようなもの・・・このムエタイを極めたのもその意味だ!!」立ち上がろうとするサンジを容赦なく、ブリブドが攻撃してくる。ブリブド「“テーン・クワアット・ラーン”!!」接近して、サンジのくるぶしを蹴りあげようとする。サンジ「くッ!!」後方にある岩の破片を浴びてしまい、身を抱えたサンジがさらにダメージを負った。サンジ「強いだけしか能のないのは、所詮は魚人だな・・・自分の本能でしか動こうとしない!」服がよごれ、傷だらけになりながらもクールに煙草を吹かしてつぶやく。ブリブド「本能だろうが何だろうが、戦闘は戦闘だ!」サンジ「ワイ・クーと言う踊りを知っているかい!」ブリブド「フン・・・踊りなんて知ったこっちゃねェ!・・・強さあってこそが真の格闘家っていうものだ!!」サンジ「人間的地位が削がれている魚人には理解しきれないだろうな・・・ムエタイでも格闘とは、始める前には神聖な気持ちが必要だ!・・・神に祈りを捧げ、ワイ・クー踊りを披露してから始める礼儀作法だ!!」ブリブド「対戦前の美得か?・・・くだらねェ!!・・・われわれ魚人は、マナーなんて不要!・・・攻撃あるのみ!! “ニープレス”!!」ブリブドの膝打ちが接近して狙うと、サンジが脛で受け止めて跳ね飛ばした。サンジ「そんなてめェには・・・おれの美学ってのを教えてやるぜ!!」パッ!!ブリブド「チッ、何処に消えやがった!」突然姿を消したサンジに、ブリブドは慌てた表情できょろきょろさせた・・・実はサンジは、消えた訳ではない。空中で大きくジャンプし、体を抱えながら高速回転していたのだ。そして、迷っているブリブド目がけて、狙いを定めた。サンジ「コンカッセ〈粉砕〉!!!」ゴガァァァァァン!!!ブリブド「ぐああああッ!!!」上空から、回転踵落としがブリブドの脳天に叩き込む。この時、ブリブドが血反吐を出した。ブリブド「ク・・・ク、下等な人間のくせに、そんな強さがあったなんて・・・」脳から激痛が走る彼は、顔をしかめた。恐らく、頭蓋骨に亀裂が入っている所だろう。サンジ「流石魚人だ!・・・あんだけ食らっても未だ意識が残っているとは・・・以外とタフなもんだぜ!」大技を決めたサンジだが、相手が魚人なだけになかなかくたばらなかった・・・確かに並以上の人間でも、先ほどの踵落としを食らったら脳震盪では済まない。決められた時点で、頭蓋骨が砕けて、すぐにあの世へ逝ってしまう程の恐るべき大技なのだ。ブリブド「ちっくしょう〜!・・・こんな所で、やられてたまるか!!・・・ダークプロジェクトを成功させるんだ!」人間なんかにと・・・ムキになったブリブドはサンジに大技のキックをお見舞いする。サンジ「ならば・・・ここで、トドメを刺すか!」そして・・・サンジも容赦なく反撃する!ブリブド「“スパイラル・ハイキック”!!!」サンジ「フ!・・・」相手の迅速な回転蹴りを受け流すと、サンジはくるりと交わし、その隙に間合いに入り込んだ。サンジ「“肩ロース〈バース・コート〉”!!!」バキッ!!!サンジ「“腰肉〈ロンジュ〉”! “後バラ肉〈タンドロン〉”! “腹肉〈フランジュ〉”!・・・」ボレーキックで右肩を蹴り付けた後に、左肩、腰、腹とそれぞれの体の部位を正確に攻撃していく。サンジ「“頬肉〈ジュー〉“! “もも肉〈ジゴー〉”! “すね肉〈ジャレ〉”!」続けざまに蹴り技を連発した。ブリブドはぶっ飛び・・・その隙にサンジもジャンプ!そして・・・サンジ「“仔牛肉〈ヴォー〉ショット”!!!」勢いをつけた強力な空中跳び蹴りが、ブリブドの腹部にめり込んだ。ブリブド「ぐわあああああ!!!」サンジの必殺技をもろに食らったブリブドは、衝撃波を食らったかのようにぶっ飛ばされて、ブロックを貫通し、その奥の岩盤に激突した。サンジ「デザートは要らねェな・・・!」サンジにとってのとどめのセリフ・・・血まみれになって倒れたブリブドは、もう二度と起きあがれない。勝者・・・サンジサンジ「おっと、格好付けているどこじゃない・・・時間もない! 急がねェと、可愛い妹達の美しい町並みがなくなってしまう!」ジャドーが王下七武海に就任されるのも残りわずか!・・・サンジは、みんなの所へ向かって行った。* * * * *ここは、キャンプ場・・・森林の中での草原が広がる長閑な場所で、1人の剣士と2人の少女、そして1匹の犬がさまよっていた・・・ゾロ「チッ、また森か!・・・次はどこに行きゃあいいんだ・・・」咲耶「あの・・・さっきから方向ずれていますけど・・・」頭を掻きながら迷っているゾロに、咲耶は呆れ疲れていた。鞠絵「ここの場所からは、ほとんど見当も付きませんわね・・・」弱々しい声で森を見回す鞠絵・・・繁華街の往路も見失ってしまった。ゾロ「だからおれが見つけてやるから・・・心配するなって!」いや、余計に心配するよ・・・咲耶「・・・目的地にたどり着ける何か良い方法があるんですか?」ゾロ「しらねェ・・・進むのみだ!」咲耶「ちょ・・・ちょっと〜!」ミカエル「ワワン!!」何食わぬ顔で進むゾロに、咲耶とミカエルはツッコミ嘆いた。しばらく歩き続けると、3人は知らない内に密林に入ってしまった。虫の鳴き音が響くだけの森深い奥、その先には林に囲まれた細い通路がある。しかし、木の柵で塞がれていて通行止めになっていた。咲耶「あら、通行できない・・・困ったわね・・・」鞠絵「これから引き返しても、時間だけが経過してしまいますし・・・どうしたら良いのでしょう・・・あら?」おっとりとした表情でつぶやく鞠絵は、柵の前の木に何かを見つけた。ゾロ「そんなの・・・ぶった斬れば進めることだろう!」ゾロが刀で柵を斬ろうとするその時・・・鞠絵「あっ、待ってください!」ゾロ「何だ、いきなり!」鞠絵「ここには何か仕組まれているような気がするんです・・・」ゾロ「罠か?」鞠絵「ええ・・・どう見てもこの場所・・・尋常とはいえません」この島に住んでいる咲耶や鞠絵も初めて見る洞窟のような怪しげな通路・・・果たして、ダークプロジェクトの仕業なのか!?咲耶「鞠絵ちゃん、どうしてそのような根拠を?」鞠絵「この木に番号ボタンがあります・・・指定された暗号を押さないか、むやみに柵を突破すると、わたくし達は生命を奪われる予感がするんです」柵の左手前に立てられてある1本の木に番号ボタンを発見した。1から0、マイナスと書かれてある11個の押しボタンが並べられてある。危機感を抱く鞠絵はそれを見て、敵が仕掛けた罠だと判断する。咲耶「危険だわ・・・取り敢えずここから逃げましょう・・・」恐怖をあおぐ咲耶は、この柵から後退する・・・ガシャ〜ン!!・・・ガシガシ!咲耶「そんな〜・・・」しかし、後方からも予期しない岩盤が突然地面から這い上がり、上部も網のように枝で結ばれ、3人の逃げ道を完全に塞いでしまった。ゾロ「どいてろ!・・・すぐに、壊してやるぜ!!」鞠絵「いけません!・・・ゾロさん・・・」ゾロ「何でだ!!」鞠絵は細い声で、岩盤を砕こうとするゾロを止めた。鞠絵「この岩盤も、あの柵と同様に罠が仕掛けられてある可能性が高いようです・・・(恐)」ゾロ「チッ・・・つながってやがるのか!」おどおどとしている鞠絵の説明に、ゾロは舌打ちした。咲耶「この岩盤、何か書かれているわ!・・・『ダークプロジェクト』!」岩盤の石臼にアルファベットで薄く書かれていた。ゾロ「やはり、あいつらか!!」鞠絵「どうしましょう・・・今は、脱出する方法を考えないといけませんわ!(恐)」ミカエル「クゥ〜ン・・・」その時、しっぽを振りながら、ミカエルが1枚の用紙を口に銜えていた。咲耶「何かしら?」咲耶は、ミカエルから取った用紙を見開いた。咲耶「えっと・・・『2次正方行列(2、4、−1、6)をジョルダン標準形にせよ?』と書いてある・・・そうか、問題の答えをあの木に取り付けられている番号ボタンを押せば、柵が開くような仕組みになっているのだわ!」ゾロ「しらねェ・・・どさくさにまぎれて何でそんなもんがこっちに落ちているんだ!」鍛えることと寝ることしかわからないゾロは、この問題が全くわからなかった。咲耶「ジョルダンか・・・行列だけは聞いたことがあるけど、学校ではまだ習っていないから、私にも解けるかどうかよ」優等生の咲耶もこの難問には、頭を悩ます。鞠絵「何の問題ですか?」ゆっくりと鞠絵が、その用紙を覗いた。咲耶「数学の問題らしいけど・・・鞠絵ちゃん、わかる?」鞠絵「ああ・・・ジョルダン行列ですね・・・線形代数の公式を利用して解くものです・・・」咲耶「え!・・・出来るの!?」鞠絵「はい・・・え〜と、こうやってこうだから・・・」鞠絵はこの難問を、頭の中ですらすらと解いていく。鞠絵「出来ました!正解は・・・左上から右上へと順番に『4,1,0,4』です。」そして、自分が解いた答えを順番よく押した。すると、塞がっていた柵が解除し進行する通路を開いた。ミカエル「ワン!!」ゾロ「フッ・・・ようやく、脱出できたな!」ゾロはニヤッとしながら、立ち去る準備をする。咲耶「鞠絵ちゃん、ジョルダンの意味解ったの?」鞠絵「ジョルダンと言うのは、ジョルダン細胞と呼ぶべきもので、冪零変換を伴う規範的な正方行列なんです・・・その対角成分が同じ数字で、その右上の成分が1、残りの成分が0になる正方行列を意味します・・・あとは固有方程式を求めれば、すぐに答えが出ます」咲耶「すご〜い・・・頭いい!」鞠絵「実はわたくし・・・ジョルダンの内容を本で読んだことがあるんです」ゾロ「やるじゃねェか・・・大したものだ!」咲耶「さっすが鞠絵ちゃん!・・・療養所で英才教育を受けているだけはあるわね。」鞠絵「ありがとうございます」ニッコリと微笑む鞠絵・・・いくら英才教育といっても、小学生が大学教養レベルの問題を普通に習うのだろうか・・・そしてこの場から退き、通路の中へと進むと・・・ゾロが訝しげに後方を見つめる。ゾロ「ついでに、どういった罠になっているのか・・・確認しておくのもあるな!」だいぶ離れた後方の柵を斬ろうと、一本の妖刀を手に持った。ゾロ「一刀流!! “三十六煩怒悩”!!!」咲耶と鞠絵とミカエルを安全な所に避難させながら、ゾロが飛ぶ斬撃を放つと・・・パパパパパパパ〜ン!!!鞠絵が予想した通り、3人が閉じこめられていれた場所に、無数の銃弾が上下左右と発砲された。ゾロ「なるほど、ああなるわけか・・・ぶっそうな物をつくりやがるぜ・・・ダークプロジェクトの連中は!」咲耶「もし鞠絵ちゃんが居なかったら・・・私達完全に助からなかったわね・・・」鞠絵「ええ・・・お役に立てて・・・」ゾロ「すると、この辺が奴らのアジトらしいな!」咲耶「アジトって・・・ちょっと危険じゃないですか!」辺りを見遣ったゾロがダークプロジェクトのたまり場であることを確認した。しかし、誰もいない・・・また罠があるのだろうか・・・敵のアジトと聞いた咲耶は、恐々と警戒しながらゾロにくっつき始めた。鞠絵「秘密結社ですから・・・何か策をお考えになっているのでしょうか・・・」鞠絵も警戒しながら、ゾロにくっついた。ゾロ「鞠絵・・・今恐いか!」鞠絵「いいえ、恐くありません・・・ゾロさんがいらっしゃるんですもの」ゾロの背を向けるような質問に、ニッコリしながら答えた。ゾロ「それでいい、その意気込みだ!」鞠絵「はい・・・ミカエル、近くに何か感じますか?」小さな声で、ミカエルに調べさせた。ミカエル「・・・」誰かが隠れているのかと地面を嗅ぐミカエル・・・どうやら何も反応しなかった。「「「いたぞ!!・・・麦わらか!!」」」その時、ダークプロジェクトの一員らが誰にも気付かれない高い木の上で、麦わら帽子を被っている1人と残りの2人を発見した。颯爽と枝から飛び降り、襲いかかる。ゾロ「上か!!」殺意を感じたゾロがすぐに気づき、2人を抱えて素早くよけた。「チィ・・・麦わらじゃなかったか!!」ダークプロジェクトの平社員らが残念そうに顔を歪めた。咲耶「麦わら・・・そうか、鞠絵ちゃんがルフィさんだと思っていたんだ・・・」怖そうな顔でつぶやく咲耶・・・どうやら敵は、麦わら帽子をかぶっている鞠絵をルフィと勘違いして襲うとしていたのだ。ゾロ「船長がいないとそんなに残念か!!」敵に対してゾロが睨んだ。平社員1「フン、賞金首を討ち取ってボスに捧げるための重大な事だ!・・・お前達もすぐに殺してやるぜ!!」明かに敵意だと判断した平社員達は、行く手を塞いで凶悪顔で刃を向けた。ゾロ「おまえら・・・下がっていろ!」咲耶&鞠絵「ええ・・・」ゾロの忠告に2人は後方に下がった。そして、静かにダークプロジェクトの平社員の中に入り込み、鞘から一本の刀を引く。その真横にはミカエルが、アウ〜、アウ〜としっぽを振りながら興奮している様子だった。ゾロ「ダークプロジェクト・・・ざっと100人ってとこか!」ゾロが挑発しながらゆっくり近づくと、敵達は武器を構えて戦闘の準備をする。平社員1「名の知らぬ海賊風情が偉そうな口を・・・かかれ!!!」今まで裏組織に居たためか、ゾロが賞金首になっているにもかかわらず、未だルフィの素性だけしか知らないダークプロジェクトの連中達・・・先頭に立つ1人の平社員の号令に、全員がゾロに襲撃する。ゾロ「幕の内・・・“弁刀”!!!」グサッ、グサッ!!平社員達「ぐわあああ!!!」グサッ、グサッ!!ゾロの一刀流の猛襲技に、数名の敵が次々と斬られていく・・・ゾロ「面倒だ!・・・時間もねェ・・・まとめて終わらせてやる!」そして、ゾロはあと二本の刀を鞘から抜いた。ゾロ「三刀流・・・“龍巻き”!!!」ザザザ〜〜ン!!!龍をイメージする構えからゾロの回転によって生じた剣圧の刃が平社員達を巻き込みながら、たちまち斬り飛ばされていった。ゾロ「次、斬られてェ奴はだれだ!!」腹巻き、手拭い、そして三本の刀を抱えている男が恫喝しながら、残りの平社員達に刃を向けた。平社員2「ヒイイイイッ!! こ・・・こいつは・・・【東の海〈イーストブル〉】の海賊狩りのゾロ!」平社員3「お、おい・・・あの【ウイスキーピーク】でも100人斬りをしたって奴か!!?」ゾロ「やはり、ここのグランドラインにもその名が行き渡っているとはな!・・・おれも一段と強さを増しているって証拠だな!!」その時・・・【東の海〈イーストブル〉】出身の何人かの平社員が見覚えのある彼を見てぶるぶる震え上がっていた。そうだ!ゾロだ・・・あの『海賊狩りのゾロ』だ!・・・両手に刀、あと一本は口に銜えている三刀流・・・実は彼こそが、グランドラインの入り口【ウイスキーピーク】と呼ばれていたサボテン島で、待ち伏せしているバロックワークスの賞金稼ぎ100人を一瞬の内で殲滅させた男である。地元で最も恐れられ、その名を轟かせた元悪名高い賞金稼ぎが、ここで今、奮闘する!平社員3「恐い・・・恐すぎる・・・」鬼面人を脅すが如く、威圧感のある見幕に【東の海〈イーストブル〉】出身の平社員らは、恐持状態になった。その平社員らも【東の海〈イーストブル〉】にいた頃は、かなり名の知れた海賊だった。平社員1「バカ!!・・・ダークプロジェクト一員が何びびってやがるんだ!・・・ボスの立場から比べればどおってことないだろ!!」せかせかと別の平社員も冷や汗を出しながら、腰が引けている奴らを怒鳴った。咲耶「すごい迫力・・・」ゾロの気迫に、仲間の咲耶もすえ恐ろしく見ていた。鞠絵「とても、格好いいですわ〜〜♡」咲耶「ちょっと、鞠絵ちゃん・・・」ミカエル「ワン!」目を輝かせた鞠絵は完全に見とれてしまっている・・・(ていうかボケていると言った方がはやい)平社員2「ち、畜生!・・・こんな恐ろしい奴に出くわすなんて・・・」鳥肌が立つ程の恐ろしさに、平社員達が腰を引けているその時・・・グサアアアッ!!!「ぐわあああ!!!」突然、何者かによって残りの平社員達が知らない内に全員斬られていった。テツ「意気地なしが・・・おれ達の部下に配属する資格なんてねェ!」倒れた敵の後方から、ダークプロジェクトの第一幹部、テツが現れた・・・背丈のある大男だ。背中には大型のエクスカリバーを背負ってある。ゾロ「てめェがこのアジトの親玉か!!」テツ「やがてそうなる・・・政府からの承諾が来たらな!」ゾロ「なら・・・早ェとこ片づけねェとな!」敵対ながらも、同じ賞金稼ぎとして息の合う2人・・・かつては、テツも『海賊殺人鬼』として悪名を挙げた賞金稼ぎだった。ジャドーの配下に付き、ここの縄張りを自分の生業〈賞金稼ぎ〉として繁盛させていくことが目的なのか?テツ「おれは、体中の筋肉を自在に進化させる『ムキムキの実』の能力者だ!」ゾロ「ムキムキの実だと!?」睨み付けるような目つきで、テツに言った。テツ「どういう効果か、教えてやろう・・・」テツは仁王立ちして自分の体を思いきり力ませた。ムキッ!! ムキッ!!気合いにより動脈血管の跡が見える程にまで身体の筋肉を増加させた。テツ「ウォォォッ!!!」ゴゴゴゴゴ・・・・・!!テツの怒号により、地響きが鳴り、大震災が起きたかのように周辺を揺らした。ゾロ「クッ・・・気合いだけでか!!」鞠絵「きゃあ!!」咲耶「鞠絵ちゃん! 危ない・・・」ミカエル「ワン!!」倒れそうになる鞠絵を咲耶とミカエルが支えていた。テツ「フンッ!!!」そしてテツは、筋肉で進化させた腕っ節の拳で地面を突いた。ゴゴゴゴゴ〜〜〜〜〜〜ン!!!突いた地面は、はるか遠方へと地割れが響き、真っ二つに引き裂く・・・ゾロ「やべェ!!・・・地球割りかよ!!」予想もしないド迫力に、さしものゾロも驚きを隠せなかった。テツ「おっと、あぶねェ!・・・元に戻さなくっちゃ・・・」すかさずテツは両手で地面を押した。テツ「フ〜〜〜〜〜ンッ!!!」ゴゴゴゴッ!!!その時、テツの体には何か怪しげなオーラが包まれていた。気を集中させて力を蓄えているのだろうか・・・体全体の筋肉を膨らませながら、割れた地球を元に戻そうとする。ピタッ!すると・・・瞬間接着剤で固定したかのように、跡形も無いほどにきれいにくっついた。(Drスランプアラレちゃんを想像して下さい)ゾロ「何なんだ・・・一体!」テツ「なあに・・・ほんのデモンストレーションだ!・・・おまえ達も今すぐこうなることを意味しているのだ!」テツはゾロ達に指さしながら、低い声で告げた。鞠絵「咲耶ちゃん、恐いわ・・・」テツの恐い目つきで指摘されて、鞠絵はぶるぶる震えながら恐怖し、咲耶の横にくっついた。咲耶「私達・・・夢でも見ているのかしら・・・」余りにもの現実離れの恐ろしさに、咲耶も驚愕した。ゾロ「ちょうどいい・・・おれにとっては、もってこいの獲物だぜ!」ゾロはニヤッとしながら、黒手拭を頭に巻いた。もちろん彼にとっては、願ってもない相手だろう。より強ければ強い程、自分の求めている野望へと一歩一歩近づくからである。テツ「だが・・・その前にそこの小娘らから先に始末しなければならない!・・・標的は弱者からという鉄則でな・・・」ゾロ「おいおい、どういう理屈だ!」テツは、ゾロの言葉を無視して2人の中で一番弱そうな人を選ぶ・・・テツ「お前だ!」睨み付けるような視線で指さすテツは、弱腰になっている鞠絵に狙いをつけた。鞠絵「そんな・・・」テツ「ボスの計画上の指令のために、死んでもらう!!」鞠絵「や、やめて・・・」テツの情け無用な告げ言葉に、鞠絵は涙が滲む。ゾロ「おい!・・・ふざけるな!!」ゾロはテツに対して怒気をぶつけた。咲耶「鞠絵ちゃん、逃げて〜!!」鞠絵「助けて・・・」ミカエル「ウウ〜〜!・・・ワンワン!!・・・ワン!!(怒)」ミカエルは、咲耶と鞠絵の盾になりながら必死でテツを睨み付ける。テツ「邪魔だ!!」バシッ!!ミカエル「キャイ〜〜ン!」テツの指から発射した空気丸がミカエルを直撃した。そのまま吹き飛んで草むらに倒れた。テツ「逃げても無駄だ!」腹を空かす肉食の猛獣が草食動物を狙うかのように、必死になって逃げている咲耶と鞠絵を、冷たい表情でテツが追いかける。ゾロ「野郎!!」テツに襲われている2人を、ゾロが助けに駆け付ける。鞠絵「助けて〜!」息を切らしながら必死で逃げ走る鞠絵は体が弱いため持久力にも限界があった。そのため、差を縮めていく能力者テツの追跡をふりきることは到底できなかった。鞠絵「きゃあ!!」咲耶「鞠絵ちゃん!!」ついに鞠絵は転んでしまい、テツの餌食の的となった。テツ「死ねい!!」鞠絵「いやあああ!!(涙)」カキ〜〜ン!!!ゾロ「おれと勝負しろ!!・・・弱ェ奴ばかり狙ってるんじゃねェ!・・・格好わるいぞ、てめェ!!」危機一髪にも、ゾロが鞠絵を抱えながら、テツのエクスカリバーを片手に持っている名刀〈雪走〉と口にくわえている大業物〈和道一文字〉で受け止めて助けた。咲耶「助かってよかった・・・」ホッとした咲耶が駆け付けて、鞠絵を安全な場へ連れて行った。テツ「貴様!!・・・自分のしているのがどれだけ愚かな事なのか、わかっているのか!!?」標的を邪魔されたことに腹が立ち、テツは怒った。ゾロ「てめェこそ、人の事が言えるのか!!・・・おかしな罠、作りやがって!」テツ「海賊を捕らえる罠仕掛けだ!・・・賞金を稼ぐためのな!!」ゾロ「一つだけ聞くが・・・あの罠、てめェだけが仕掛けたものじゃねェだろ!?」テツ「なぜ知っている!?」ゾロ「番号の問題だ!・・・どう考えてもあの難問・・・頭の悪そうなてめェが作れるわけもねェしな」鞠絵が解いた暗唱問題のことに、ゾロが詰問する。テツ「フン・・・おれの幹部の仲間に作らせてやった!・・・ちょうど頭のキレる女幹部がいたんでな・・・能無し海賊を引っ掛けるためのいい策略方法というわけだ!」テツは冷たい表情で答えた。問題を作ったのは、どうやらトシコのようである。ゾロ「やはり幹部が数名いるみてェだな!」テツ「関係ねェ・・・すぐに終わらせてやる!!」エクスカリバーを構えたテツはゾロを睨み付けた。ゾロ「どうやら、てめェも剣士のはしくれらしいな!!」テツ「なまくら刀3本のおまえに言われる筋合いはないがな・・・この1トンを超すエクスカリバーで、こっぱみじんだ!!」ゾロ&鞠絵&咲耶VSテツテツ「ムキムキの力を、とくと見るがいい!!・・・はああああ!!」テツは上半身を力ませた。着用していたチョッキが破れる程のその勢いはムキムキと音を立て、体をパワーアップさせていく。気合いにより発生したそのオーラは、大型のエクスカリバーを包んだ。テツ「“烈空斬”!!!」そのオーラが刃風もろとも衝撃波となってゾロに襲いかかった。ゾロ「斬撃か!」ゾロが難なくかわすと、そのすさまじい衝撃波は森林を切り裂き、島を越えての遙か無人島の山をこっぱみじんにした。想像のつかない恐るべき威力に、それを見た咲耶と鞠絵は震え上がった。テツ「死ね!」テツが執拗に接近攻撃に入った。ゾロ「チッ!」ゾロが体を張って3本の刀で受ける。テツ「あまい!!」テツは、もう片方の拳でゾロを狙った。ボゴ〜〜〜ン!!!バックステップでかわすゾロだが、その剛腕がうなりを上げながら空を切り、その勢いで衝動波のように地面が崩されていった。咲耶「あの人、ただ者じゃないわ!・・・最強の悪魔よ!」テツの凄まじい攻撃を見た咲耶は驚愕した。テツ「これがおれの能力〈ちから〉だ!!」ゾロ「いかれマッチョが!・・・」テツ「フン・・・この鍛え上げた腕力と筋肉で固められた鋼鉄のような肉体は、貴様の刀では斬れん!!」ゾロ「ならば試してやるぜ!・・・“鬼・斬り”!!!」地面を蹴り、三刀流で突進して斬り付ける。テツ「無駄だ!」しかし、鋼の肉体のようなテツには通用しなかった。ゾロ「“虎・狩り”!!!」今度は、両刀が虎の爪のようにテツを狙った。やはり、これも通用しなかった。テツ「斬れねェと言ったのがわからないのか!」ゾロ「成る程ね!・・・鋼鉄ボディーか・・・だが、それも今は斬れるようになったんでな!」睨みつけながらつぶやくゾロはかつての戦いで、鉄斬りが可能な程に戦力向上しているのだ。その技も彼はいくつか持っている。テツ「その傲慢な態度を、今身を持って思い知らせてやるぜ!!」再びエクスカリバーでゾロに攻撃する。ゾロ「それは、どうだか!!」ゾロも三刀流で攻撃する。ガィン! カキン! ゴンッ! カキンッ!テツは、自分の能力で力を叩き伏せるような感じでエクスカリバーを振り回し、ゾロは周辺の木々を使って飛び移りながら、迅速な動きで刀を振るい暴れ回った。咲耶「どうなっているの・・・」鞠絵「わたくしにもさっぱり・・・」火花を散らしながら交錯する2人の剣の迅さは、咲耶と鞠絵の目には、その動きが読めなかった。その時、テツが必殺技を繰り出す。テツ「攻撃は最大の防御! “襲突百連斬”!!」重量のあるエクスカリバーの連打する剣尖が、ゾロを狙う。ゾロ「三刀流・・・“刀浪流し”!」相手の無数の刺突に対して、ゾロは体を木の葉のように揺らめきながら、カウンター攻撃を仕掛ける。テツ「ぐわっ!!」テツは初めて出血を伴った。ゾロ「鋼鉄だろうが何だろうが、おれの刀に斬れねェものはねェ!・・・そのために鉄を斬る技を会得したんだ!!」流石にゾロは強い、幹部の中でも最高級のテツに傷を負わす程だからだ・・・日頃から鍛錬に修業していた彼の実力はやはり伊達じゃなかった。テツに鋭い刃を向けながら挑発する三刀流の姿は一段とかっこよく見えた。鞠絵「ゾロさん・・・(ドキドキ)」鞠絵は顔を少し赤らめていた。咲耶「鞠絵ちゃん・・・今あなた・・・お兄様の事、忘れているでしょう」鞠絵「え・・・いやです〜(はあと)・・・そんなことありません」咲耶の呆れ顔に言われた鞠絵はうまい具合に笑ってごまかした。テツ「この程度の傷で、勝った気になるな!・・・反撃はまだまだこれからだ! “百連手刀”!!」ムキムキと更に筋肉を強化させながら、今度は手刀の連打でゾロに攻撃を仕掛けた。ゾロ「“二本狩”!!」ゾロも二刀流で応戦した。対峙する両者の獅子奮迅な動きと応酬する手刀と剣との激烈な攻防は、ほとんど隙1つも譲らなかった。その勢いで周りの森林がバッタバッタと斬り倒され、硬質な岩石が粉砕、更には地面のあちこちにも亀裂がはしった。その時、一本の木が咲耶と鞠絵の所に倒れかかる!咲耶&鞠絵「きゃあ!!」ゾロ「危ねェ!!」対戦そっちのけに、ゾロは倒れる木を一刀両断して危険な状況におかれている2人をかばった。しかし・・・テツ「チャンス!・・・勝負あった!!」ゾロの一瞬の隙を見計らって、間合いに入ったテツがエクスカリバーで真っ二つに斬り付けようよとする。ゾロ「な・・・何ッ!!」不意を衝かれたゾロ・・・かわしきれない!?咲耶「ゾロさ〜ん!!」咲耶は絶叫した。鞠絵「ミカエル〜!!・・・お願〜い!!!」ミカエル「ワン!!」その時、ゾロの危機を救おうと鞠絵が必死になってミカエルにお願いした。彼女が声かけると、ミカエルがすぐに横から飛び跳ねて来て、テツの顔面めがけて爪かき攻撃をした。テツ「うわっ、ぐっ!・・・どきやがれ!・・・このクソ犬が!!」ミカエル「キャイ〜〜ン!!」テツはもがきながら、迎撃しているミカエルを刃のような鋭い手刀ではねた。背中を斬り付けられたミカエルは、少し出血しながら飛ばされてしまった。鞠絵「ミカエル!!」鞠絵が悲しい目でミカエルをやさしく支えていた。テツ「くそっ〜!」今度はテツの方に隙ができた。ミカエルの勇敢な攻撃で油断させていたのだ。爪を引っかけられたテツは自分の顔を手で擦っていた。ゾロ「でかしたぞ!・・・鞠絵、ミカエル!!・・・おまえらの勇姿、無駄にはさせねェ!!」敵の隙を好機にゾロは着実に必殺奥義の構えをした。一刀は口にくわえ、残りの二刀は120度の仰角で柄頭を合わせた。ゾロ「おれの命は死に神でもとれねェ!・・・この一撃で潰してやる!!」その時、ゾロの脳裏には鷹の目の異名を持つ男『ミホーク』のことが映像となって流れ込んだ。ミホークもまた、王下七武海の1人であり世界最強の剣士だ。海上レストラン【バラティーエ】で、ゾロは一度彼に戦いを挑んだ。しかし、無惨にも破れ、海に放り投げられてしまったのだ。かろうじて一命は取りとめたゾロは、『二度と負けない』とルフィに誓いをたて『世界一の大剣豪』になることを決意した。大剣豪は今の彼にとっての最大の野望であり、剣士としての誇りを志としている信念でもある。テツ「なめやがって!・・・ここで葬ってやろう!!」よろめきながらテツも必殺奥義で、ゾロにトドメの一撃をかける。体内の筋肉を更に進化させ、それに伴ってでかくなった体は赤く染まった。ゾロ「三刀流奥義!!・・・」二刀を手前に出しながら、風車のように高速回転する刀は・・・うなりを上げて、陣風を生み出す風圧を生じた。テツ「秘技・・・何!!」ゾロ「“三・千・世・界”!!!」ド〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!天下無敵!・・・最強無比!閃光が走る究極奥義は、テツの発動する必殺技をも一瞬にして消し飛ばした。ゾロ「おれは、まだまだ強くなれる!」背中を向けながらゾロがゆっくりと刀を鞘に収めると、海を隔てての数キロ離れた無人島が爆発音を立てながら、破壊されている。恐るべき三刀流奥義だ!咲耶「な・・・何が起きたか、さっぱりわからなかったわ」ゾロが発動した必殺奥義の軌跡を見ると・・・周りの森林がこっぱみじんにされ、もちろんテツの姿も無かった。勝者・・・ゾロゾロ「邪魔者は仕留めた! 急ぐぞ!・・・時間もねェんだろ!」咲耶「ええ・・・」頭の手拭いを取るゾロが号令した!鞠絵「・・・ちょっと待って・・・少しめまいが・・・」しかし・・・苦しそうに息を切らす1人の少女が歩く姿勢を崩していた・・・周りは戦場跡のため、空気も薄く、ごみごみとしている。咲耶「大丈夫、鞠絵ちゃん!」ミカエル「ワン!」鞠絵「わたくし、もうダメです・・・」ゾロ「おいおい、いきなりどうしたんだ!」咲耶「鞠絵ちゃんて虚弱体質だから・・・長い距離を歩いたり、逃げ回ったりなど普段から慣れていない体を無理に動かすと、それだけに自分に負担がかかってくるの・・・」鞠絵はすでに疲労困憊になっていた。病を患って療養生活を送っている彼女は、医者から外出許可をもらわない限り療養所から離れてはいけない状態の弱い体なのだ。そのために空気がきれいな場所以外の外出時間や使う体力もより限られている。鞠絵「・・・先に、行って下さい・・・わたくしも後から向かいますから・・・」咲耶「だめよ!・・・鞠絵ちゃん1人置いて行くわけにはいかないわ!・・・お兄様に会いたい気持ちは、鞠絵ちゃんだって同じでしょう・・・」鞠絵「早く行かないと、皆様が・・・」ゾロ「しょうがねェな!・・・ほら、乗れよ!」鞠絵の容態が見ていられないのか・・・かったるそうに、ゾロが背中を下ろした。鞠絵「でも・・・」ゾロ「早くしろ!! 急いでいるんだろ!」鞠絵「あ・・・ありがとうございます・・・」鞠絵は、ゆっくりとゾロの背中に乗った。咲耶「ゾロさん・・・」鞠絵をおんぶしているゾロを見て咲耶はつぶやく。ゾロ「みんなのいる場所というやらへ行くぞ!・・・何処へ進めばいいのか教えろ!」ゾロが、咲耶に尋ねた。咲耶「え〜と・・・近道ならこの場所から西の方角へ行けば間違いないです・・・」ゾロ「西へ行きゃいいんだな・・・」西と訊いて走っていく・・・咲耶「ちょっと、そこは東です!(ツッコミ)」ミカエル「ワン!!(ツッコミ)」ゾロ「ちェッ・・・東か!」西という方角が分からないゾロは、どうやら反対方向に進んでしまったらしい・・・続く
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