シスプリワンピース
第16章 4日遅れの誕生パーティ
夕暮れになり、空も暗くなってきた・・・入浴を済ませたルフィ達と妹達は、晩餐会の準備が出来るまで、亞里亞の豪邸でくつろいでいる。ナミ「ゾロ!!・・・チョッパー!!・・・もう3時間経過しているのも関わらず、どこ道草食っているのよ・・・あの方向音痴達は!!!」大声で喚きながら完全にイライラしまくっている。晩餐の調理している白雪と春歌と鞠絵の3人がナミの恐い態度を見て愕然としている。サンジ「ほんとに・・・同じ仲間として恥ずかしいですね・・・」厨房でサンジもナミにつられて、同じ気持ちになった。ナミ「私の大好物のみかんは、いつ来るのよ!!・・・もうっ!!!」ナミはゾロとチョッパーにおつかいをお願いしたらしい。好物の欲しさゆえに、喚き散らしている。じいや(女)「何か、事故でも起きたのでしょうか・・・」一緒に調理している亞里亞のお付きメイドが、心配そうな顔をしていた。サンジ「あの2人が、事故なんてあり得ませんよ・・・逆に相手の方が遭わないか心配ですよ」ピンポ〜ン!!ドアホンが鳴った。ゾロ「おい!・・・誰かいねェか!!」その時、ゾロとチョッパーは、お店を尋ねていた。ナミ「ゾロ!!!・・・チョッパー!!! な〜にが、誰かいないかよ!!! あんた達、今まで何してきたのよ!!」チョッパー「わっ!・・・ナミがお店にいる!」ゾロ「ナミ! お前ここで、何しているんだ!?」どうやら、お店へ行く道のりが分からなくなり、知らない内にみんながいる場所〈亞里亞の豪邸〉に戻ってきて、そこを、お店と勘違いしていたらしい・・・ナミ「何をしているのか・・・じゃないわよ!!・・・すぐ近くにお店があるじゃないの!・・・案内地図を渡したでしょう!!・・・どれだけ時間を費やして、何処をまわれば、元の場所に戻って来られるのよ!!!」只今、ナミは怒っている。チョッパー「おれは・・・ゾロの言うとおりについて行ったんだ・・・ゾロが大丈夫だって言うから・・・(恐)」ゾロ「見つからねェまま、探しまくっていたら・・・いつの間にかここに戻って来たんだよ!!」ナミ「それでチョッパー・・・お願いしたみかんは買ってきたの!!」ゾロ「店にも行ってねェから、買えるわけねェだろ!!」ナミ「あちゃ〜・・・ねえ、千影さん・・・今度、ゾロに方向音痴を治す秘薬を開発してくれない・・・もちろん、強力なもので!」バカに付ける薬は無いと・・・呆れ果てたナミが怒りを隠すような微笑みで、千影にお願いした。サンジ「あ・・・おれからも宜しく頼むよ・・・」料理中にもかかわらずに厨房から出てきたサンジも愚弄した。千影「あ、ああ・・・・・」呆れた顔で答えた。ゾロ「おい!・・・おまえらな!!!(ツッコミ)」2人の言葉が矢となってゾロの頭に突き刺さった様子だった。チョッパー「そうか・・・ゾロは方向音痴なんだよな・・・」ようやくチョッパーが気付いたらしい。雛子「迷子になるお病気のこと?」サンジ「そうだよ・・・あの人はね・・・一度死ぬ思いで迷子を切り抜けないと治らない病気なんだよ・・・バカは死ななきゃ治らないって言うからね・・・」煙草を噴かし、白のエプロンを着用しながら、サンジがお子様を煽てるような感じで、雛子に説明した。ゾロ「てんめェ〜!!・・・斬るぞ!!!」茶化するサンジの言葉にゾロが逆ギレした。サンジ「フン・・・ケンカならいつでも相手にしてやるぜ!!」戦いが終わってからも、どうやら2人の争いだけは終わらなかった・・・ナミ「いい〜加減に・・・しないか!!!」バキッ!!!そして、ナミが乱入して2人の顔面を殴った。ナミ「千影・・・やっぱり・・・あのバカ2人の争いを治す秘薬からすぐに開発して!・・・超強力なものを・・・このさえ、副作用おこして、けいれんさせても構わないわ!」せかせかと言った。千影「・・・・・」呆れ果てて、ものが言えなくなったらしい。ウソップ「ナミは悪魔だ・・・」チョッパー「ナミは鬼畜だ・・・」ウソップとチョッパーは、ナミの恐ろしさに愕然した。兄「そう言えば・・・僕も咲耶ちゃんとかによくあのようにやられていたな・・・」呆然とつぶやく兄はナミの荒々しい行動を見て妹達との共存生活の事に脳裏をよぎった。咲耶「お兄様、今何かおっしゃった?」突然、咲耶が訊く・・・兄「(ギクッ)い・・・いえ、まあ・・・何よりも、みんな元気そうで良かったですね・・・」兄は只今、冷や汗を掻いている御様子だった。じいや(女)「さようでございます」雛子「ねえ、ねえ、聞いて・・・千影ちゃんってすごいんだよ!・・・わるいやつの船を6せきも沈めたし・・・おまけに、ジャドーの能力で閉じこめられていたとき、ブラックホールのむずかしそうなものも・・・頭で計算して脱出できたんだよ!」雛子が自慢げに兄の袖を引っ張って言った。兄「そうか・・・千影ちゃんは僕よりも頭がいいからね!」成績トップクラスの兄も言う。千影「兄くんにそう言われるなんて・・・・・何だか光栄だね・・・・・」照れくさそうに千影が顔を赤らめて言った。花穂「それに、すごくかっこよかったんだ〜・・・ダークプロジェクトの強そうな敵幹部もやっつけたの!」兄「ほう〜!・・・千影ちゃん、すごいな!」千影「これも・・・・・兄くんのために・・・・・戦ったんだ・・・・・」兄「え?・・・僕のために?」春歌「もちろんです・・・兄君さまはワタクシ達にとって、かけがえのない心のオアシスのようなものですから・・・」兄「何だか・・・照れるな」兄はだんだん顔が、赤くなってきた。じいや(女)「さあ、皆さん・・・晩餐の支度が出来ました・・・リビングルームにお集まり下さい」ルフィ「よっしゃあ〜!・・・待ってました!!」食べ物の事でよだれを垂らすルフィは、腹を空かして餌に飛び付く野獣のように真っ直ぐと食卓へ向かった。ナミ「やめなさいよ!・・・みっともないわよ!!」ルフィの下品な態度を見て、ナミが恥ずかしくなり、青筋をたてながらゲンコツした。兄「みんなが、夕食を食べていないだろうと思って、僕がお願いしたんだ・・・可憐ちゃんの誕生パーティも兼ねてね」可憐「お兄ちゃん・・・」嬉しさ余りに、涙が滲む。咲耶「さすが、お兄様・・・私達がお腹空いていることに、気遣ってくれているのね(はあと)」なれなれしく、咲耶の甘い言葉で兄にしがみつく。兄「遅くなってごめんね、可憐ちゃん・・・4日遅れだけど・・・お誕生日おめでとう!」可憐「お兄ちゃん!!(泣)」双眸する2人の姿は、ゆっくりと体を思いきり抱き合わせた。突然の事態でお互いはぐれてしまい、今まで会えないままに辛く哀しく切ない思いで冒険を続けて来た可憐の気持ちは、兄に励まされることによって自然と泣き崩れてきた。可憐「ありがとう!・・・お兄ちゃん・・・(泣)」咲耶「可憐ちゃんだけ、ずるいわよ!・・・お兄様にあんなに抱き付いて・・・」可憐「ごめんね、咲耶ちゃん・・・可憐、すごくうれしくて・・・(泣)」咲耶「でも、誕生パーティだから・・・今日は許してあげる」可憐「うん・・・」泣きながら、頷いた。兄「泣かないで、喜んで!・・・可憐ちゃん激励にみんなが待っているよ」兄と可憐がお互い腕を組みながら、ゆっくりと晩餐会の円卓へ案内させた。可憐が広々としたリビングルームに入ると、みんなはすでに席に着いて待っており、そのダイニングテーブルには、可憐激励のための豪華な手料理が所狭しと並べられていた。中央には、誕生祝いの長方形のゴールデンケーキがあり、色とりどりのフルーツが飾られてある。その周りには、人数分のジェラードも置かれてある。可憐「うわあ、凄い!・・・可憐のためにこんなに・・・」白雪「フフ、この生クリームたっぷりのホワイトケーキは姫特製のものですの」雛子「はやく、パーティはじめようよ・・・ヒナもう食べたくてたまらないよ〜・・・」亞里亞「甘〜いケーキ・・・・・おいしそう・・・・・」待ちくたびれた亞里亞は、口から何かが垂れていた。衛「亞里亞ちゃん・・・よだれ垂れているよ」亞里亞「早くケーキ・・・・・食べたい・・・・・」誰が見ても、美味しそうな絶妙のスイーツ・・・大好物の亞里亞は、もう食べたくてたまらないのだろう。呆れた衛は、ティッシュで亞里亞の口をそっと拭いてあげた。ルフィ「早く肉食おう〜〜〜!!」チョッパー「早く肉食おう〜〜〜!!」肉の欲しさにフォークとスプーンをカランカランと鳴らすルフィやチョッパーもすでによだれを垂らしていた。ナミ「うるさい!! 静かにしなさいよ!」品のない2人をナミは殴って注意した。兄「では、電気を消して・・・みんなで歌おう!」円卓広場を暗くさせて、ろうそくに火を灯した。「「「ハッピーバースデ〜 テゥ〜、ユウ〜♪・・・ハッピーバースデ〜 テゥ〜、ユウ〜♪」」」「「「ハッピーバースデ〜 ユア、可憐ちゃん♪・・・ハッピーバースデ〜 テゥ〜、ユウ〜♪」」」全員がバースデーソングを歌った。円卓の中心に座っている可憐が、思いきりローソクの炎を吹き消した。兄「おめでとう、可憐ちゃん・・・」可憐「お兄ちゃん!」全員の拍手が終え、優しい兄からの祝いの言葉を贈った後に、暗くなっている電気を再び明るくさせた。可憐は大喜びして、兄の腕に抱き付いた。しいや(女)「料理の方も、サンジさんや白雪さま達が、お作りになったのですよ・・・準備の方も皆様がしてくれたんです」白雪「改めまして今日のメニューは・・・白雪特製の『ノルウェー・サーモングリルケッパーバターソース』と『大麦牛ロースのソテーグリーンペッパー風味のクルミソース』ですの!」ロビン「あら、すごく美味しそう!」鞠絵「鮟鱇のソテーも、お味がいいですよ」可憐「これってもしかして・・・鞠絵ちゃんが作ったの?」鞠絵「はい・・・コラーゲンたっぷりで美容にもよろしいんです」可憐「ほんとに風味がいいね。」ルフィ「じゃあ・・・メシ食ってもいいんだな」鞠絵「どうぞ・・・召し上がってください・・・」微笑みながら了解した。ルフィ「それじゃあ・・・頂くぞ〜!」戦いで腹を空かしていたルフィ達が、料理にがっつき始めた。兄「そうそう・・・プレゼントの件だけど・・・」可憐「お兄ちゃんからのプレゼントですか・・・」兄「はい、おめでとう、可憐ちゃん!・・・中を開けてみて・・・」可憐はうずうずしながら、箱を開けて見た。可憐「オルゴールね?」花穂「あっ、これって・・・花穂の大好きなクリスマスソングのオルゴール!」兄「形と構造は似ているけど、流れる音楽が違うんだ。」可憐が、蓋を開けて聴くと・・・可憐「わあ、美しいメロディー・・・お兄ちゃんからこんなステキなものが頂けるなんて・・・まるで夢のようだわ」クリスマスソングのそれと同じように、12人のフィギュアが輪になって並べられてある円盤が、一定速で回転している。兄「気に入ったかい?」可憐「うん!・・・ありがとう、お兄ちゃん・・・可憐、このオルゴール・・・とってもとっても大事にします」花穂「いいな〜・・・可憐ちゃん・・・ねえ・・・お兄ちゃま、花穂もあのオルゴール使っていい?」懇願するような目で花穂がお願いした。大好きなオルゴールが可憐の手に入ったので、すごく欲しがっている。兄「ああ、もちろんさ・・・あの時、約束したから・・・」花穂「わあ、ありがとう・・・お兄ちゃま!・・・えへへ、可憐ちゃん・・・花穂にも貸してね」可憐「ええ、いつでもいいわよ・・・」花穂の喜ぶ姿に、妹みんなは、微笑んだ。咲耶「次は私からなんだけど・・・(汗)」おどおどする咲耶が可憐に言った。無くしたプレゼントの事で戸惑っているのだろうか・・・可憐「そうか・・・プレゼント、無くなっちゃったんだよね・・・」咲耶「さっきまでのものは、ジャドーの能力によって失ってしまったけど・・・また新たに用意してきたの・・・」可憐「もしかして、みんなもわざわざ可憐のために・・・」咲耶「ええ、そうよ・・・開けてみて・・・」以外な事に可憐の知らない内に咲耶他みんなも実はプレゼントを準備してきのだ。彼女から頂いたそれを、可憐はゆっくりと箱を開けていく。可憐「わあ、お洋服?・・・可愛い!」咲耶「うふふ・・・可憐ちゃんぴったりの赤いフリルよ・・・サイズは鞠絵ちゃんのものと合わせたの」可憐「ありがとう、咲耶ちゃん」花穂「次は花穂の番ね、はい・・・」可憐「お花?」花穂「えへへ・・・花穂が一生懸命育てた『ブーケ』の花束だよ」可憐「わざわざ、可憐のために、ありがとう。」鈴凛「さて・・・次は私からだよお!」可憐「これは・・・オルガン?」鈴凛「フフン・・・鈴凛手製の自動電子オルガン・・・名付けて『スーパーエレクトローン君2号』だよ!」可憐「あ、ありがとう・・・」鈴凛の変わったプレゼントを頂いた可憐は少し呆れたような表情でお礼をした。千影「次は・・・・・私からだ・・・・・」可憐「千影ちゃんも準備してきたの?」千影「これさ・・・・・」可憐「これって・・・占星術の本かしら?」千影「ああ・・・・・古代から中世まで、ヨーロッパなどで行われた星占い・・・・星の運行・位置・光度を見て・・・・・人事の吉凶をうらない予言する術が載っている本さ・・・・・今後の勉強のためにも是非・・・・・可憐ちゃんにも興味をもってほしい・・・・・」可憐「ありがとう、後でゆっくり読んで見ます」春歌「次はワタクシからですわ!・・・どうぞ、可憐ちゃん」春歌から、頂いたプレゼントを開けてみると・・・可憐「あら・・・電気スタンド?」春歌「いいえ、行灯ですわ・・・電気ではなくて、石油で灯す行灯です・・・可憐ちゃんの部屋に飾ってくださいね」可憐「春歌ちゃんらしくて、品がいいね・・・ありがとう・・・」春歌「もし・・・燃料が切れましたら・・・ワタクシに申し出て下さい」可憐「あ、はい・・・」鞠絵「次はわたくしからです・・・」可憐「わあ・・・童話小説から推理小説まで3冊の本も?」鞠絵「ええ・・・可憐ちゃんに丁度よい本がありましたので・・・きっと勉強になると思います」可憐「可憐、この本欲しかったんです・・・ほんとにありがとう!」鞠絵「それはよかったです・・・是非ご覧になってくださいね」衛「続いてボクからのプレゼント!・・・早速、開けてみて」可憐「スノーボード?・・・衛ちゃん・・・これって、去年のプレゼントも同じものだったんじゃないの?」衛「あ・・・そうだったけ?・・・あはは、悪い・・・また同じものを買っちゃった・・・でも、ボクからの気持ちとして、受け取ってよ」可憐「ええ・・・」白雪「次は姫からですの」可憐「あら、白雪ちゃんから・・・何かしら?」可憐は、白雪のプレゼントをゆっくりと開けてみた。可憐「お菓子造りのマニュアルブック!」白雪「はいですの!・・・海外からの一級品が数多く載せられている絶妙なスイーツが作れる本ですの!・・・可憐ちゃんにも、是非、挑戦して欲しいですの」可憐「ありがとう、白雪ちゃん」雛子「じゃあ、次はヒナからのプレゼント・・・可憐ちゃん、どうぞ」可憐「うふふ・・・猫さんのぬいぐるみね・・・ありがとう、雛子ちゃん」可憐は、雛子の頭をゆっくりなでた。雛子「くしししし・・・ヒナ、ほめられちゃった」四葉「四葉からのプレゼントはこれデスよ!」四葉から頂いた細長いプレゼントを開いてみた。可憐「きゃっ!」パパパ〜〜ン!!突然クラッカーを鳴らすそれは、何とびっくり箱だった。お花と一緒に添えられているその中身からは、『チェキ!可憐ちゃん12歳の誕生日おめでとう』と派手に書かれてある。四葉「フフフ・・・可憐ちゃんのムードを盛り上げるために・・・密かに作ってきたのデスよ!」四葉は含み笑いをした。可憐「ええ・・・どうも・・・」亞里亞「亞里亞も・・・・・プレゼントです・・・・・」ゆっくりと可憐に渡した。可憐「ふっくらしたリボンね・・・可愛い!」亞里亞「兄やと・・・・・ブティックで・・・・・買って来たの・・・・・」兄「亞里亞ちゃんがどうしても買いたかった理由は、この事だったのか・・・」亞里亞「うん・・・・・兄や・・・・・」兄の言葉にうれしくなった亞里亞が頷いた。可憐「本当にありがとう、亞里亞ちゃん」亞里亞「どういたしまして・・・・・」ルフィ「そして・・・これがおれ達からのプレゼントだ!」可憐「え?・・・ルフィさん達も、プレゼントを用意してくれたの?」ナミ「誕生祝いだから・・・プレゼントを準備するのは当たり前よ」可憐「わあ、これって・・・」ルフィ「おれ達の海賊旗だ!」ルフィから頂いたそれは、彼らの夢や信念を象徴するドクロマークの黒い旗だった。麦わら帽子が描かれてあるそのマークの周りには、ルフィ達の生サインが1つ1つ記入されてある。ウソップ「絵はおれが描いたんだ・・・芸術性に富むおれ様のクロッキーな絵でも、品質はリアルチックなもんだろ!」可憐「はい・・・(涙)」ルフィ「おれ達の仲間としての気持ちだ・・・大事にしろよ!」可憐「わざわざ可憐の誕生日のために、こんなに祝ってくれて・・・みんな、本当にありがとうございます・・・今すごく、うれしいです!」プレゼントの山でいっぱいになっていた可憐はうれしすぎて、瞳から涙が溢れてきた。サンジ「可憐ちゃんが喜んでくれているのなら、ボクはそれで満足だよ〜♡」ルフィ「それじゃあ・・・さっそくみんなで・・・宴だ!!」「「「おお〜〜!!!」」」ルフィ達と妹達の歓声がわく晩餐会が続いた。ルフィとチョッパーは、次々とある物を食いまくり、ゾロは何十杯の酒を飲みまくっている。可憐の誕生パーティの祝福は、気品のない大食い争いの宴になった。ゾロ「おい!・・・酒のおかわり・・・もうねェのか!!」ナミ「あんた飲み過ぎ!・・・少しは控えなさいよ!!」ゾロ「うるせェな・・・ケチケチするな!!」隣でゾロとナミが口喧嘩しているのは気にせず、咲耶は笑顔でそっと兄に話しかける。咲耶「ねえ・・・お兄様・・・もう、この街で一緒に暮らせる日々が続くのよね」兄「そうだね」咲耶「私ね・・・今胸がドキドキしているの・・・だから今日は、私と2人きりでの今宵の一時を実感させてあ・げ・る(はあと)」兄「あ・・・ああ、よろしく・・・」そして、鞠絵は・・・鞠絵「うふふ・・・お食事中の兄上様と咲耶ちゃんのツーショット・・・よくお似合いになっていらっしゃるわ♪」晩餐の最中にも関わらず、ふたりきりだけのスイートホームを、再びデジタルビデオカメラでそっと撮影している。鈴凛「2人を撮影して・・・そんなにうれしい?」鞠絵「ええ・・・この劇的な場面が撮影できるなんて・・・わたくし・・・とても幸せですわ〜〜!(キラキラ)」天然100%状態の鞠絵・・・瞳を美しく輝かすその表情はまさに天使の微笑みのようである。咲耶「ま・・・鞠絵ちゃん・・・」鞠絵の表情を見て、咲耶は少し呆れていた。兄「あはは・・・」兄も少し苦笑いしていた。ルフィ「言い忘れたけど・・・そう言えばおまえ・・・名前なんて言うんだ?」兄「僕ですか?」ルフィ「おう、教えてくれ!」兄の名前紹介に、晩餐会のにぎやかな声を止めたルフィ達は視線を彼に集中させた。兄「僕の名前は・・・海神航」ルフィ「そっか! おまえ航って言うんか」航「はい・・・」ルフィ「ところで航・・・頼みがあるんだけどさ」航「何でしょうか?」ルフィ「まっ・・・明日でいいか!」航と呼ばれている兄が尋ねると、ルフィは屈託のない笑顔で言い流した。可憐「ルフィさんからの頼みって・・・可憐達のこと?」航「さあ、どうかね・・・」ルフィ「よし、航!・・・みんな!!・・・今日は、楽しく食うぞ!!」肉をほおばりながら、兄と妹達を盛り上げた。ドンチャン騒ぐ程のみんなの愉快な大宴会は、夜遅くまで続いた。* * * * *翌朝になり、亞里亞の豪邸で一泊したルフィ達は、出航の準備に取りかかる。部屋に置いてある荷物を、近くの沿岸に停泊してある船『ゴーイング・メリー号』まで運んでいる。兄や妹達、メイドも、彼らの手伝いをした。サンジ「ありがとう・・・もう大丈夫だよ」じいや(女)「いいえ・・・これ位、当然の事です・・・わたし達の命の恩人ですから・・・もっと何かお役に立ちたいですね」ナミ「ああっ!・・・すっかり忘れていた!!」ウソップ「いきなりどうしたんだよ、ナミ?」ナミ「私達・・・大事な事、忘れていない!?」ルフィ「大事な事って・・・」ナミ「財宝よ!!・・・財宝」ゾロ「何かと、思ったらその事かよ!!」ナミ「何かとおもったらじゃないわよ・・・100億ベリーよ!!・・・からくり時計台とプラネタリウムに眠っている財宝!!・・・私達にもお裾分けしてもらわないと!!」金の事に図々しくナミが言った。ウソップ「あの『慢性的金欠症』のナミが、大金の事で取り乱している・・・絶対に何か起きそうだ!!」チョッパー「とてつもなく・・・恐ろしい事なのか!?(恐)」ウソップ「ああ・・・おっそろしいぞ!・・・突然天気が曇り・・・空からカミナリが落ちてきて・・・」バキッ!! ボカッ!!ナミ「全く・・・失礼しちゃうわね!」茶化されたナミが冷たい表情で、ウソップをめった打ちにした。チョッパー「ほんとに・・・カミナリが落ちた・・・」ナミ「ねえ、あんた達・・・この時計台に高価な財宝が隠されてあるってこと・・・ジャドーが言っていたけど、どの財宝なのか、ちょっと見せてくれないかしら!」ナミが、妹達に尋ねてみた。可憐「からくり時計台に高価な財宝が隠されてあることは、可憐達も初耳ですけど・・・」じいや(女)「屋上に閉まってある伝説の飾りの事ですかね・・・」可憐「それって・・・」ナミ「善は急げよ! 行ってみるわよ!!」ウソップ「おいおい・・・出航はどうするんだよ!」脱力するウソップは、ナミに言った。ナミ「うるさい!! 出航はまだいい!!」どん欲にも財宝の事に目を輝かすナミは脇目もふらずに、強引にルフィ達と妹達を引っ張ってベティーズの中央広場へ連れて行った。ナミ「ジャドーが言っていた財宝って・・・この中にあるわけだね・・・」ウソップ「で・・・入るのか・・・」ナミ「当たり前じゃないのよ!!」呆れたウソップもお構いなしにナミは、早速からくり時計台の中へ入っていった。からくり時計台の最上階・・・ナミ「もしかして・・・これが高価な財宝!?」唖然したナミが見ると、それはからくり人形やおもちゃの風車、望遠鏡などが、箱詰めにいっぱいになる程、置かれてあった。千影「ジャドーが・・・・・求めていたものは・・・・・この神話の飾りの事らしい・・・・・ギリシア神話の骨董品が・・・・・ここと、プラネタリウムに置かれてある・・・・・何処にも存在しないレア品で、売れるものだけど・・・・・だれも使用されずに・・・・・長い間も、そのまま放置されていたんだ・・・・・」ナミ「本当に、これが破壊価格で売れるものなの?」ごく平凡なからくりおもちゃをみて、財宝の事が疑わしくなってきた。ロビン「いいえ、これは本当に貴重な物品よ」考古学の本を調べたロビンが明言した。ナミ「そうなの?・・・ロビン!」ロビン「ええ・・・紀元前15世紀に遡る・・・伝説の神々はギリシア神話として初めて知られていた物語だった・・・その神々や精霊はやがて地上世界にも存在した・・・それから、キリスト教時代に入ると『神と精霊と人間の調和を歌った』三位一体性のシンボルとされていた・・・そこで、大神ゼウス率いる12神から遠くに受け継がれているマリアは、平和を愛し、星座の芸術と知性を持つギリシア最後の女神・・・先祖代々『ギリシア神話三大処女神』を三位一体性のシンボルと例えて3つの星の天体に思想対応させた・・・そのマリアの思想によって、残された作品がこの神話の飾り・・・伝説のものだから世界でも唯一の貴重品・・・どれも1個当たりの価格が億単位にもなる高貴なものなの!」千影「ひょっとして・・・・・その3つの星は・・・・・」その時、千影は何かに気付いた。ロビン「そう・・・その3つの星がプトレマイオス48星座に含まれているさんかく座の話題だったの・・・その星空を思想させて、マリア女神が作り上げた飾りなのだから・・・」千影「そう言うことだったのか・・・・・」サンジ「それでジャドーは、この財宝を使って自分の利益を作ろうとしたわけか」煙草を吸いながらサンジが言った。ルフィ「これが貴重な品なのか?・・・普通の飾りにしか見えねェけどな・・・」ルフィは、そのおもちゃを1つ取り出して興味津々と見つめていた。ナミ「で・・・この財宝はもちろん・・・もらっていいものなんだよね!」ウソップ「そうそう・・・こんな高価な品があれば・・・この町は億万長者じゃねェかよ!」ナミとウソップの言葉に、妹達は躊躇った。じいや(女)「別に使用してはいけないという法は定められてはいない・・・骨董品として置かれてあるものだからそのままにしてあるだけです・・・ですが、この品は、財政法の規則としては私達住民のものとなっていますから・・・私達の権限が必要となります」ナミ「だったら頂こうよ!・・・私達はあんた達を助けた恩人よ・・・このくらいの品1個や2個もらったって、別にバチ当たらないわよ!」財宝の事になると、人一倍図太くなるナミが言い募った。じいや(女)「どうしましょうか・・・みなさん・・・」じいや(女)は、妹達に意見を尋ねてみた。可憐「このまま残して置きたいの・・・マリア様がとても困るから・・・」細い声で可憐がみんなに言った。咲耶「それも、そうよね・・・」千影「マリア様も・・・・・鞠絵ちゃんに憑依して・・・・・戦いに協力させてあげたから・・・・・」雛子「じゃあ・・・ヒナがきれいにきれいにならべてあげるね」雛子はその飾りを、1個1個整理した。ナミ「ちょ・・・ちょっとあんた達、何言っているのよ!!・・・こんな貴重なものを飾りして終わらせて、勿体ないと思わないの!!」可憐「お願いです・・・あなた方から助けて頂いた恩も忘れていません・・・でも、この品はマリア様が大事にしているものなんです・・・ですから、私達のわがままをお許しください」妹全員「お願いします!!!」ルフィ「別にいいよ・・・そんなもん・・・他の海に行けば、いっくらでもある!」ロビン「そんなに大事にして置きたいものなら・・・私達がとても頂けないわね」妹達のはきはきとしたお願いをロビンと屈託のないルフィは許した。可憐「本当にありがとうございます、みなさん・・・マリア様もきっと喜んでいるわ」チョッパー「いいってことだよ・・・なあ、ルフィ!」ルフィ「おお〜!」サンジ「それじゃあ・・・ずらかるとしますか・・・ロビンちゃん♪」ロビン「ええ・・・」サンジは、気遣いよく、ロビンの肩に手を差し伸べた。ナミ「ちょっと!!・・・お宝〜!!」ウソップ「諦めろよ、ナミ・・・権利はあいつらのものだから、しょうがねェよ」ナミ「はあ〜・・・どうしていつも、こうなのよ・・・」財宝を見逃し、みんなが去っていく姿に、ナミはがっかりした。そして、沿岸で・・・ゴーイング・メリー号に、全ての荷物を載せ終わったルフィ達が、妹達と最後の別れのあいさつをする。じいや(女)「この度はありがとうございました・・・心ばかりの品ではございますが・・・長旅には、きっと役にたつと思います」ルフィ「おお、食いもんか!?・・・いっぱいありそうだな!!」サンジ「当分は食糧危機に困らなくて済むな」ロビン「わざわざ、ありがとう・・・」航「そう言えば・・・昨日の頼みって何ですか?」航は、ルフィに尋ねてみた。ルフィ「仲間だよ・・・早速だけどおまえら、おれ達の仲間になってくれないか!?・・・音楽家としてだ・・・」今度はルフィが懇願するような目でお願いした。可憐「・・・」ルフィ「な!」可憐「ええ・・・是非、行きたいです・・・でも私達・・・学校もありますし・・・海へ出ても、戦いでみなさんの足手まといになりますから・・・ですから・・・今回の所は、お断りさせてください(ペコッ)」冒険に参加したい気持ちに戸惑う可憐だが、この時は礼儀正しく頭を下げた。航「僕からもお願いします・・・」妹可憐と一緒になって、兄も頭を下げた。ルフィ「そっか・・・じゃあ、しょうがねェな!」可憐「どうも、すみません」ルフィ「その代わり・・・また、ここに来てもいいか?」じいや(女)「ええ・・・大歓迎です・・・いつでも遊びにいらして下さい」ウソップ「航・・・おまえ恵まれているよ・・・こんな妹達に愛されてよ〜!」航「そうですか・・・」ウソップは、航にポンと肩を叩いた。ロビン「そうよ・・・あなたに会いたいために、この子達も、一生懸命に戦って来たのよ」サンジ「いいか、航・・・可愛い妹達をいつまでも大事にしろよ!・・・もしレディーを泣かせるようなことがあったら、おれが許さねェからな!!」航「はい、約束します・・・」サンジの最後のあいさつに、兄は心から約束する。雛子「はい、これ・・・ヒナからのプレゼントだよ」チョッパー「さっきの絵か?」戦いで雛子が見せてあげたあの時のお絵かきをチョッパーは受け取った。雛子「うん、ヒナ達を助けたお礼なの!・・・たいせつにしてね」チョッパー「ありがとうな・・・おまえ達!」雛子「トナカイさん、お元気でね・・・また・・・来てね・・・くすん・・・」亞里亞「亞里亞・・・・・ずっとずっと・・・・・待っているから・・・・・くすん・・・・・」チョッパー「おお、必ず来るから・・・待っててな!」別れるのが寂しいのか、2人は悲しみ泣きをして、チョッパーに抱き付いた。鞠絵「ゾロさんも頑張ってください・・・『大剣豪』の夢・・・わたくし、遠くで応援しています・・・」ミカエル「ワン!」ゾロ「ああ!・・・体、気を付けろよ!」咲耶「いろいろありがとう!・・・ゾロさん・・・」ゾロ「達者でな!・・・」渋い声で背中を向けながら、別れを告げた。ルフィ「それじゃあ、出航するか!!」「「「おお!!」」」全員がゴーイング・メリー号に乗り、ルフィの張り声に、他の仲間が帆を上げた。妹全員「元気でね!!!」ゆっくりと島から遠ざかるその船に、兄妹達は絶えず手を振って見送った。可憐「ねえ、お兄ちゃん・・・あの人達、また来ますよね」航「ああ、来たら、全員で歓迎会やろうね!」妹全員「は〜い!!」遠く離れて行った仲間の船にまで響くかのように、妹達が元気な声で返事をした。可憐「マリア様、本当にありがとうございます・・・これからもずっと、皆様が平和で幸せな生活が送れますように・・・」そして可憐ひとり・・・プラネタリウムが建てられてある方角に向かって、天にお祈りした。妹達の離島から随分遠ざかった海賊船、ゴーイング・メリー号は、ゆっくりと進行している。ルフィ「おい、サンジ見ろよ!・・・どれも新鮮で美味そうな物ばっかりだぞ!」じいや(女)から頂いた食糧をあさぐって、ルフィは大喜びした。サンジ「白雪ちゃんから、レシピももらったことだし・・・今夜も、最高な料理が作れそうだ!」チョッパー「うわ〜、豪華だな!」ウソップ「すげェお土産だぞ・・・こりゃ〜!」ロビン「やはり日本特産の食物って、品質にも気を使っていらっしゃるのね」その食糧に3人は、感嘆した。ナミ「もう〜!!・・・財宝〜!お金〜!・・・せっかくのチャンスを台無しにして!!・・・価値の知らない連中ばっかりで本当にむかつくわ!!」船の上でもナミはまだ、先程の事で喚いていた。ゾロ「おい!・・・いい加減忘れろ、ナミ!・・・見苦しいぞ!!」ナミの態度に、ゾロが怒った。ナミ「忘れられるものなの!!・・・100億ベリーよ!!・・・どうしてくれるのよ!!」財宝が頂けなかった悔しさにナミは、膨れあがった。ゾロ「ルフィだって、仲間の事・・・あきらめていたじゃねェか!・・・おまえもさっさとあきらめろ!!」ナミ「そうね・・・じゃあ、諦めるわ・・・ま、あんた達がそれだけ強くなってくれれば・・・幸いってことよね」ルフィ「はっ?」ゾロ「おい・・・どういう意味だよ!?」ナミ「つまり・・・あんた達が、早く強くなって懸賞金をそれ以上に跳ね上がってくれれば・・・海軍に売り飛ばした金額が、全て私のものになるってことよ!」ナミが冷たい顔でルフィとゾロに言った。ルフィ「お、おいッ!・・・何言っているんだよ!!・・・おまえ!」ゾロ「てめェ・・・悪魔か!!」ナミ「だったら早く・・・100億ベリー、拾ってきなさいよ!・・・ろくでなし!!」ゾロ「おめェに言われたくねェ!・・・そんな金額、簡単に拾ってこられるか!!」ルフィ「そうだ、そうだ!・・・おれは、海賊王になるから・・・そんなことをしているヒマはねェ!」ゾロ「おれは、世界一の剣豪だ・・・文句あるか!!」ナミ「勝手に、話を逸らすな!!(怒)」ボッコン!!!(ゲンコツ)そして、ゴーイング・メリー号は、更なる島へと前進した。エピローグへHPへご意見・ご感想はこちらへ ▽TITLE▽ |