「格好良くて、優しくて、とてもステキな世界でただ1人のお兄ちゃん・・・これはお兄ちゃんの事が大好きな12人の妹達の物語です」可憐より
シスプリワンピース
第1章 突然の悲劇
9月23日と言えば可憐の誕生日である。兄「可憐ちゃんの誕生日に何をプレゼントしようかな・・・」兄は自分の部屋のベッドの上で顔を上向きしながら考えた。コンコン・・・、ガチャ・・可憐「あの・・・お兄ちゃん・・・今日、可憐の誕生祝いにみんなと一緒に外でパーティを開こうと思っているの」兄「外で?」可憐「それでお兄ちゃんも一緒にどうかな・・・と思って・・・」兄「もちろん大歓迎だよ。だけど・・・プレゼント、まだ決めてないんだ」咲耶「ねえ、お兄様・・・可憐ちゃんの誕生祝いに出かける途中に一緒にショッピングしない? 可憐ちゃんへのプレゼントまだなの・・・」兄「そうだな、僕もプレゼント買いに行かないと・・・」咲耶の頼みに兄は思案下につぶやく。咲耶「もちろん、二人きりで・・・(はあと)」甘い口調でなれなれしく兄の片腕に抱きついた。花穂「あっ!・・・咲耶ちゃんだけずる〜い! 花穂もお兄ちゃまの腕にくっつきたいな〜・・・」雛子「わ〜い!! ヒナも、おにいたまにくっつくぅ〜〜!」亞里亞「亞里亞も・・・・・」鞠絵「兄上様と接触するだけでも、わたくしとても幸せですわ」春歌「ワタクシも御一緒させて頂きます」鈴凛「アニキを抱くことが出来るなんて久しぶりだ〜!」白雪「姫がラブラブスイートさせてあげちゃうですの」衛「ボクだって、あにぃに・・・」四葉「みんなに、抱かれている兄チャマの姿をチェキ!」千影「今の兄くんの姿・・・・・美しいな・・・・・」と毎度のようにズルズルと妹たちに、よってたかっていちゃ付かれている兄は圧迫されて少し苦しい様子だ。兄「みんなの気持ちはやまやまなんだけど、今は可憐ちゃんの誕生日のことを考えてあげないと・・・」妹11人「ハ〜イ!!」可憐「ありがとう、お兄ちゃん。今度はとても楽しい誕生祝いになりそうです(うふふ〜)」喜び笑顔を浮かべた可憐はすでに予約を入れたログハウス風のレストランへ出発する準備をした。そして、兄と他の妹も準備完了だ。しかし、プレゼント未定者は、まだ何人かはいる。兄「じゃあ、みんな、そろそろ出発するけど、忘れ物はないかな?」妹全員「ないで〜す!!」咲耶「あれ?花穂ちゃん、そのオルゴールなぜもっていくの?」衛「あ、それは去年、あにぃがボク達にクリスマスのプレゼントとしてくれたオルゴールだね」花穂「だ〜てぇ・・・花穂、このオルゴールの曲とても好きなの・・・だから出かけるときも、もっていくことにしたいんだ」鈴凛「それじゃあ、可憐ちゃんの誕生祝いにもみんなでクリスマスソングでも歌ったら・・・(受)」春歌「では、だれが御演奏を?」千影「私が演奏しよう・・・・・この水晶玉で・・・・・」衛「そんなこと、できるの!?」千影「ただし・・・・・だれか1人・・・・・生贄の祭壇に・・・・・捧げないといけない・・・・・」衛「えっ?・・・じゃあ、だれが・・・」千影「こういう場合は・・・・・やはり・・・・・兄くんが犠牲に・・・・・(受)」兄「おいおい!・・・冗談はやめてくれよ〜」兄はジョークを言われているにもかかわらず、冷や汗をかいている様子だった。咲耶「そろそろ、いくわよ!・・・みんな!」可憐「みんなで、素敵なパーティにしましょうね!」兄と12人の妹達を乗せたトラムと呼ばれる路面電車は【ベティーズ】へ向かった。そこは繁華街でも一番大きな商店街となっており、中央の広場には1時間おきに凝った仕掛けを見せるからくり時計台が建てられている。兄と妹達は、その近辺の【ショッピングモール】で買い物をすることにした。咲耶「ねえ〜、お兄様、可憐ちゃんのプレゼントと言ったらやっぱりこれよねぇ♪」兄「お、それいいね・・・可憐ちゃんきっと喜ぶよ」咲耶「やっぱり私とお兄様は意見が合うわ・・・これも結ばれている運命なのよね(はあと)」と、その後方に・・・鞠絵「咲耶ちゃん、すごく幸せそうですわ・・・うふふ」咲耶はかいがいしく兄と腕組みしているところを、後方で鞠絵がにっこり微笑みながらデジタルビデオカメラで幸せ笑顔の2人をしっかり撮影していた。衛「咲耶ちゃん、いいなあ、あにぃと一緒で」四葉「うらやましいデス! 四葉も兄チャマと一緒になりたいデス〜」鞠絵「大丈夫ですよ、衛ちゃんや四葉ちゃんの分もちゃんと撮影しておきますから・・・」鈴凛「あの、鞠絵ちゃん・・・それって、CCさ○らの知世のまね?」そして、兄と咲耶はお互い手をつなぎながら次の店舗へ向かった。兄はみんなには内緒でプレゼントを買うつもりだが、咲耶が一向に離れてくれない。しばらく歩いたところに衣類コーナーの店舗があった。カジュアル衣やブランド衣までキッチリ並べられていて、客もより多く集まっていた。どうやらバーゲンセールらしい。おしゃれに目がない咲耶にとってはこのコーナーは注目の的、愛しき兄よりむしろこっちのほうに目を引いていた。咲耶「わあ、お洋服がいっぱい並んでいるわ!・・・ねえ、お兄様! 私、欲しいものがあるの・・・だ・か・ら、ちょっと待っていて〜♪」咲耶は笑みを浮かべながら、明るいステップで衣類コーナーへ向かった。衛「あっ!・・・待って、ボクも!」四葉「欲しい服をチェキ〜!・・・しちゃいマス!」鞠絵「私、着てみたいお洋服がありますの♪」鈴凛「じゃあ、私はメカ鈴凛用の衣類を・・・」咲耶に続いて衛、四葉、鞠絵、鈴凛の4人も衣類コーナーへ向かった。兄「チャンス!・・・今の内に可憐ちゃんのプレゼントを探そう・・・」いつも妹たちに振り回されている兄にとって1人になるのはまれなこと、彼は早々とプレゼントを選び始めた。そして、買い物を終えた13人の兄妹たちは【ベティーズ広場】に集まった。兄「みんな、必要なものは買ったね」妹全員「ハ〜イ!」咲耶「それよりお兄様、可憐ちゃんのプレゼント何買ったの?」兄「(ギクッ!)いや・・・それは別に・・・」咲耶「あら、私達に内緒でプレゼントを買ったのかしら?」図星だった。兄の隠していた行動パターンが読まれてしまったのか・・・すべてはお見通しのような感じで問い詰める。咲耶「まっ、いいわ・・・プレゼントは後からのお楽しみだって言うから」でも、それも気にせずさらりと言い流す。雛子「はやく、レストランへ行こうよ! ヒナおなかペコペコだよ〜・・・」亞里亞「亞里亞も・・・・・ペコペコ・・・・・」兄「それじゃ、レストランへ行こう。可憐ちゃんを激励するために」可憐「お兄ちゃん・・・プレゼント、楽しみにしています(照)」13人の兄妹たちはウキウキしながらレストランへ向かった矢先、その楽しみも束の間だった。突如、快晴な青空がこの島のみを暗闇で覆った。「「「我の名は『ジャドー』! この島は・・・我々が占領する!! ヒヒヒ!!!」」」可憐「ど、どうしたの?(恐)」亞里亞「亞里亞・・・・こわい!」兄「みんな、大丈夫か! うわ〜!!」可憐「お兄ちゃん!!・・・きゃあ!!!」妹全員「たすけて〜〜!!!」悪夢か・・・恐怖か・・・現実に苦しむ無窮の暗黒間に浮揚したかのごとき島は妹達だけを残して一瞬で去った。そして・・・12人の妹達と1匹の犬は・・・住んでいた島の近くの小さな無人島に捨てられていた・・・
* * * * *
青々とした昼上がり、今朝まで冷えていた海域は今では太陽がまぶしく暖かい。たくさんのカゴメ達が風に乗って低い空を舞っている。グランドライン〈偉大なる航路〉進行中の麦わら海賊団7人を乗せた小さな海賊船〈ゴーイング・メリー号〉は三隻の海軍軍艦によって執拗に追撃されている。ルフィ「なんでこの海は海軍が多いんだよ!ウソップ!」ウソップ「そんなことおれが知るかよ〜!(泣)」ナミ「も〜、なんてしつこいのよ!この正義の船は!!」海軍少佐「今度は捕らえてやるぞ!麦わら海賊団!!」海軍A「やっぱり麦わら一味はやばいですよ、少佐!」海軍B「そうですぜ!・・・無謀すぎます!・・・危険人物が多いし・・・」海軍少佐「何弱音を張っている!・・・ここで大物捕らえたら本部から褒賞されるじゃないか!!」海軍A「お気持ちはわかりますが、相手があんな化け物一味じゃ・・・返って我々が確実に滅びます!」海軍B「そうそう・・・何たって『麦わらのルフィ』や『ニコ・ロビン』と言う強力な悪魔の実の能力者・・・そして【東の海(イーストブルー)】の悪名高い賞金稼ぎ『海賊狩りのゾロ』!」その3人の名を聞いて、さすがの少佐も少し震えが上がった。1億ベリーのルフィ・・・8千万ベリーのゾロ・・・7千9百万ベリーのロビンと高価な賞金首となっているので、恐怖に脅えるのもおかしくはないはず・・・懸賞金が1億ベリー以上にもなると、海軍の将官クラスが出動するほどの強さだ。海軍少佐「と・・とにかく砲撃かいしだ!!・・・沈めちまえば這い上がって来られまい!」少佐は、自分の恐怖心を隠したいがゆえに話を逸らした。砲声が轟く!ゴーイング・メリー号の両舷に着弾の水柱が、嵐のように上がり散発的に飛んでくる砲弾が容赦なく狙ってくる!サンジ「このまま追いかけられてもきりがない!」チョッパー「なぁ!・・・何とかならないのかよ!」ゾロ「チッ!・・・こうなりゃあいつら全員ぶった斬ってやるぜ!!」ゾロは後甲板の船縁の上に乗り、腰に付けている鞘から2本の刀を抜いて、海軍達を睨みつけながら戦闘態勢に入った。ウソップ&チョッパー「わ〜、やめてくれ〜〜! おれ達はどうなるんだよ〜・・・」ナミ「そうよ!! あんた!・・・バカなこと言っていんじゃないわよ!!」ゾロ「おれは、あいつらの攻撃には勘弁できねェんだ!」ロビン「とにかく、相手の砲撃が止むまで逃げ切るしかなさそうね!」だが、海軍の砲撃は全く止まらない。そして、1発の砲弾がゴーイング・メリー号めがけて飛んで来た。ナミ「危ない!!」ルフィ「おれに任せろ!“ゴムゴムの風船”!!」びよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!大きく息を吸い込んだルフィの体が風船のように膨らみ、砲弾をおなかで受け止めて、ゴムの反動で跳ね返した。ナミ「とにかく敵の至近弾から逸らすように、左舷に5時の方向!・・・急いで!!」サンジ「了解〜、ナミさ〜ん♡」サンジは愛想よく明るい表情で、ナミの命令どおりに船を左回した。オレンジ色のショートヘアーにスタイル抜群の素肌をじかに着たキャミソールとブルーのミニスカートはサンジがよろめくほどのセクシー美女だ。ナミは小さいころから、航海士と測量士を切磋琢磨に学んでいた。そして今は、難しいと思われる第1級航海士の免許を取得している。そのため航海術には長けていて、船の行き先、天候を読み取りながら案内して行くのはお手のものである。しかし、軍艦もしつこく追いかける・・・ルフィ「おい!・・・海軍からちっとも逃げきれねェぞ!!・・・このままぶっ飛ばしちまったほうがいいんじゃねェか!!」ナミ「も〜、この船もう少しスピードが出ないのかしら!」チョッパー「何とか逃げる方法はないのか!(汗)」ウソップ「そんな事おれに聞かれてもよ〜〜(泣)・・・あっ!そうだ、こんな時に用意してきた物が・・・」ウソップは愛用のカバンから貝のような物を取り出した。頭にパンダナを巻き、その上に狙撃用ゴーグルを身につけ、オーバーオールを着用している。比較的濃い顔の長い鼻が彼にとってのトレードマークだ。ウソップ「こ・・・このリジェクトダイヤルを船の後甲板に取り付ければ、速度が増していくはずだ!(ガクガク)」サンジ「空島から持って来た物か、確かに速度は上がるな・・・だが、危なくないか!?」ルフィ「お〜もしろそうだな〜!・・・よしウソップ、その貝使え!」ウソップ「よ、よ〜しセットするぞ!!・・・みんな〜、しっかり捕まえていろ〜(泣)!!・・・“リジェクトォ〜〜”!!!」バ〜〜〜〜ン!!!ウソップは泣きごとを言いながら貝の形をしたリジェクトダイヤルを使用した。全員「わ〜〜〜〜〜〜〜!!!」リジェクトダイヤルによるジェット噴射の反動で急発進したゴーイング・メリー号が、激しく水飛沫を揚げながら水面上を高速で弾き飛ばされている・・・おかげで、海軍の姿も見えなくなった。ナミ「もういいわ、ウソップ!・・・そろそろダイヤル止めなさいよ〜!!」ウソップ「それが〜・・止まんないのだよな〜、このダイヤル・・・(泣)」全員「ア・ホ・か〜〜!!!(ツッコミ)!!!」サンジ「おい! 前方に小島が見えてきたぞ!!」ロビン「危険だわ!・・・早く止めないと船は小島の岩石にて大破よ!」ウソップ「しかもよ〜、このダイヤル・・・時間が経つごとに速度が増して行くんだ〜・・・(泣)」全員「ふ・ざ・け・る・な〜(ツッコミ)!!!」ナミ「このままだとゴーイング・メリー号は、島に衝突するわ!!」加速を上げながら小島の岩石に向かっていくゴーイング・メリー号・・・と、その時!ルフィ「おれが船を止める、みんなしっかり捕まえていろ!・・・“ゴムゴムのブレーキ”!!!」両腕を主甲板の船縁に捕まえて船から外へ体ごと大きく前転し、足はゴムのように長く伸ばして接近する島の岩石を支点にしながら向かってくる船を力いっぱい押しあって、強引に阻止した。ゴ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!バシャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!船は砂浜で止まったが、ルフィの技による急ブレーキによってその反作用で、外に放り出された人もいる・・・ルフィ「いや〜、あぶなかったな・・・よしっ!・・・お前ら、船は止めたぞ!」ゾロ「ったく!・・・どういう止め方しているんだ、おめェはよ!」ウソップ「いてて・・・お前なぁ、もうちょっと安全に停止できないのかよ!」ゾロとウソップは島に放り出されていた。ルフィ「何言っているんだ、お前ら! 船を止めただけでもありがたく思え」サンジ「それより、ナミさんやロビンちゃんは大丈夫?」ナミ「私は平気・・・」ロビン「私も何ともないわ・・・」サンジ「それなら、安心だ〜♡」目をハートにしたサンジは愛想よく言った。金髪に顔は素敵まゆげと不精ヒゲ、ネクタイに黒スーツを着こなした姿は一流コックともいえる。ウソップ「お〜い、おれたちはどうでもいいのかよ・・・(涙)」サンジ「知るか、めそめそするな!」いわゆるフェミニストと言うのか、女性には優しいサンジにとって男相手には冷たかった・・・・・・島に急停止したゴーイング・メリー号、そしてルフィ達はその静寂な島で辺りを絶え間なく眺めていた。サンジ「ふ〜、それにしてもグランドラインにこんな長閑できれいな島があったとはな・・・」サンジは銜えたばこに火を着けながら安堵な気持ちでつぶやいた。ルフィ「ウヒョ〜、冒険のにおいがわくわくしてくるな!」ルフィは冒険の事ですでに好奇心旺盛だ。ウソップ「どうやら、無人島らしいな・・・よ〜しみんな!・・・おれの後についてこい!」ゾロ「それは、どうかな・・・たとえばあの林の茂みの中に人の声がかすかに聞こえるぜ」ウソップ「なに〜〜〜!・・・なっ、なんかおれ・・・持病の『急に島に入ってはいけない病に』・・・(ガクガク)」サンジ「諦めろ、ウソップ!・・・おれたちはここで食材をさがす、お前もいさぎよくついてこい!」ウソップ「だってよ〜、また化け物が現われたらどうするんだよ〜〜!」チョッパー「な?・・・何いい〜! こ・・・この島にも化け物が潜んでいるのか!?・・・なぁ・・・ウソップ!(恐)」チョッパーも怖がるような表情で言った。ゾロ「その時はまた戦えばいいじゃねェか!」豪胆なゾロは強気で言いながらサンジと一緒に島を探索し始める。ウソップ「いやだよ〜!・・・おれはまだ死にたかねェよ!(泣)」ナミ「じゃあ、あんた1人で船番しとく?」ウソップ「それもいやだよ〜・・・なぁ・・・早くこの島から出ようよ〜!(泣)」ガサガサ・・・・・ロビン「静かに!・・・だれか来るわ!」ウソップ「ヒィィ!!(恐)」「「「ワンワン!!」」」ウソップ「出たあああああああっ!!! 『ば・け・も・の』〜〜〜〜!!!」チョッパー「うわあああああああっ!!! たすけてくれ〜〜〜〜〜〜〜!!!」ウソップが大びっくりして悲鳴を上げた。そしてその悲鳴にあおられたチョッパーも驚愕して、2人で輪を描くような形で走り回り大パニックだ。「ワンワン!!」ゾロ「バカ、びびるな! 出てきたのはただの『犬』だろうが!」そこから現われたのは、1匹のゴールデンレトリバー・・・ミカエルだった。ミカエル「ワン!ワン!・・・ワン!」チョッパー「なになに・・・『倒れ込んでいる人がいるから助けてあげてください』って言っているよ」チョッパーはミカエルと会話をしていた。バツ印が書かれているピンク色の帽子をかぶり、全身がふわふわ毛皮に包まれていて、直立歩行をしている珍獣のような人間トナカイだ・・・見た目はトナカイだが、人型にも変形できる。もともと動物だったので、同類のミカエルとは会話が可能なのだ。ナミ「え、人が倒れているの!」ルフィ「この島にか?」ロビン「とにかく行ってみましょう!」ウソップ「おいおい、強敵だったらどうするんだよ・・・」チョッパー「倒れている人がいるのに放っておけないよ」チョッパーは船医で、ルフィ達の仲間になる前はドクトリーヌと呼ばれていた老婆から6年間医術を学んでいた。しかも年中寒い雪の高山で・・・ルフィ達は林の奥の方に駆けつけて見た。林から出て見ると、そこはグランドラインでは見たことのない美しい光景だった。海底が透き通って見える綺麗な海・・・明るい太陽で照らされて光輝いている玲瓏な砂浜・・・そして、花も恥じらう12人の妹達・・・美しく倒れ込んでいる妹もいれば、泣いている妹もいた。年齢もルフィ達より若く、まだ小中学生ぐらいのあどけない少女達だ。女好きのサンジはすでに目がハートのメロメロ状態だった。可憐「可憐達はどうなったの・・・くすん、お兄ちゃん・・・お兄ちゃん・・・」可憐はむせび泣きをした。咲耶「なんで、どうしてなの?・・・私達、何も悪いことしていないのに・・・」咲耶も瞳から涙が浮かんだ。鞠絵「こわいよ〜、苦しいよ〜・・・うぇ〜ん、うぇ〜ん・・・」比較的弱い鞠絵は倒れた時の痛みと、恐怖心が一緒になり号泣した。雛子「わ〜ん!!・・・わ〜ん!!・・・」亞里亞「兄や〜〜・・・・・わ〜ん!!」花穂「ふぇ〜ん・・・」鞠絵と同じくらい雛子や花穂、亞里亞も号泣した。千影「・・・・・・・」みんなが泣いているのに対し千影だけは泣いていなかった・・・気落ちした様子で妹たちから少し離れたところに腕を組みながら、呆然としている。他の妹たちは倒れたままでまだ目が覚めていない・・・ナミ「えッ、女の子?」咲耶「あなた達はだれですか?」サンジ「お〜、なんてお美しい〜♡」ナミ「あんた、邪魔よ!!」ナミはムスッとしながらサンジの耳を強く引っ張り、放り投げた。ナミ「私達は、ただね・・・(ここで海賊だなんて言ったらこの子達驚くから、黙っておかなくっちゃ)」ルフィ「海賊だ!」咲耶「か、かいぞく!?・・・いや〜〜〜〜〜!!! たすけて〜〜!!」咲耶はルフィがダイレクトに言ったことを聞いて悲鳴を上げた。ゴン!!!ナミ「アホ〜!!! 相手がびっくりしたじゃないのよ!!」ナミは拳で、ルフィの頭を激しく殴った。そしてルフィは頭から大きなこぶができた。ルフィ「いてェな、ナミ!!・・・本当のこと言って何が悪いんだ!」ナミ「バカね!・・・普通の人が、海賊なんて聞いたら当然怖がるでしょ!!・・・私達はこの子達の様子を見に来たのよ!」春歌「海賊ですって!・・・悪党は許しません、退治させて頂きます!!」海賊と聞いて春歌は突然長刀をかまえながらウソップに刃を向けた。ウソップ「ままま・・・待て! は・・・話せば分かちあえる・・・(汗)・・・た・・・頼むから、いきなり飛び起きながら長刀かまえないでくれ〜・・・(ガクガク)」ナミ「ちがうのよ、実はあなた達を助けに来たの・・・」春歌「え、そうだったのですか!?・・・ワタクシとしたことがご迷惑をおかけして大変申し訳ありません・・・」サンジ「別にいいんだよ〜・・・気にしていませんから♪」ナミ「あんたね〜!!」サンジの行動にナミの機嫌が次第に悪くなって来る。チョッパー「そうだ・・・倒れている人を診てあげないと・・・」チョッパーは早速妹達の容態を確かめた。雛子「亞里亞ちゃん見て・・・タヌキちゃんがしゃべっているよ・・・」チョッパー「タヌキじゃねェ〜!! おれはトナカイだ〜〜!」亞里亞「かわいい・・・・・」チョッパー「か、かわいい・・・なんて言うな!(照)」雛子「でもでも・・・トナカイさんが診察できるなんてすごく賢いんだね」チョッパー「そんな〜! 褒められてもうれしくなんか・・・・ねェよ!コノヤロ〜!!(照)」雛子「ねぇ、ねぇ、亞里亞ちゃん・・・このトナカイさんふわふわで気持ちいい♪」亞里亞「ふわふわ・・・・・」2人はチョッパーに抱き付いた。チョッパー「うォ〜!・・・や・め・ろ!!・・・お前ら!(照)」ロビン「それより、私たちに理由を聞かしてくれない?・・・なぜお嬢ちゃん達がここで倒れているのかを・・・」
・・・可憐「くすん・・・お兄ちゃんがいなくなったの・・・くすん!」ナミ「あなた達のお兄ちゃん?」咲耶「ええ・・・天空に異変がおきて、ブラックホールみたいなものが突如現われたんです・・・それで町の住民達が吸い込まれて、私達はその時点で気を失っていて・・・そして、気がついたらこの島に倒れていました」ロビン「ブラックホール・・・!?」ナミ「どうしたの、ロビン?・・・急に深刻な顔して」ロビン「いいえ、別に・・・それでお嬢ちゃん達だけがこの島に倒れていたの?・・・他の住民達は?」咲耶「いいえ、私達だけです」ナミ「で、あなた達の住んでいる島はどの方角なの?」春歌「はい、この無人島の近くにあります・・・」ルフィ「そうなのか?・・・どれどれ・・・」ルフィは海の地平線をきょろきょろと辺りを見回しながら彼女達の住んでいる島を探していた。ルフィ「おい、島なんてどこにも見当たらないぞ!」可憐「え〜、そんなはずないわ・・・だってここから北東の方にすぐ見えるもの」千影「いや・・・・・私達の島なんて・・・・・本当にない・・・・・」千影は海を眺めながら途方に暮れていた。咲耶「ちょっとまってよ!!?・・・島が消失なんてそんな非現実的なことを・・・」花穂「え〜、じゃあ花穂たちは帰れないの・・・」亞里亞「くすん・・・・・兄やに・・・・・会えない・・・・・くすん」亞里亞は今にも泣き出しそうだ・・・可憐「そんな〜・・・ウソよ!」可憐は自分達が住んでいる島が失ったこと気づきに落胆した。ウソップ「おいおい、島がなくなるなんて普通有り得るか?」ナミ「もし、そうだとしたら大変な事よ!!」ロビン「本当にこの現地点から北東の方角に間違いない?」春歌「間違いありません!・・・ワタクシ達この場所に一度訪れたことがありますから」ロビン「(まさか・・・)」春歌の正確な答えにロビンは嫌な予感がした。過去に彼女と何か因縁をぶっかけた奴がいるのだろうか・・・サンジ「はきはきした大和撫子なレディーも素敵だな〜・・・でもだいじょ〜ぶ♡・・・島はボク達が取り戻すからね〜♡」ナミ「いい加減にしなさいよ!・・・あんた、な〜にこの子たちの恋の虜になっているのよ!!」ナミはついに怒りが爆発した。サンジ「ナミさん、ボクのためにやきもち焼いているのね〜・・・幸せだな〜♡」ナミ「くやしい〜!!!」
バキッ・・・!!! ボカッ・・・!!! スカン・・・!!!サンジ「怒っているナミさんも、好きだ〜〜♡」バキッ・・・!!! ボカッ・・・!!! スカン・・・!!!ナミはデレデレとしたサンジを片っ端からぶん殴った。それを見た妹達は唖然とした。ルフィ「おお、ナミ、ケンカか・・・おれも混ぜてくれよ!」ナミ「あんたのような化け物が参加すると私の命がいくつあっても足りないわよ!!!(怒)」どか〜〜〜〜〜〜〜ん!!!ナミはルフィを地の果てまで蹴り飛ばした。ゾロ「あほ・・・・・それよりチョッパー、倒れている奴らは大丈夫なのか!」チョッパー「倒れている人達はただ気を失っているだけだから心配ないが、この子の容態が少し悪い!」チョッパーは苦しみながら泣き出している鞠絵を指した。ミカエル「ワン!!」鞠絵「兄上様〜、怖いです〜・・・」雛子「鞠絵ちゃん、泣いているよ。とても苦しそう・・・」雛子は心配そうな顔をして鞠絵の容態を見つめながら言った。チョッパー「とにかく船室まで運ぼうよ!安静にして置かないと・・・」チョッパーの言うとおりに従ったゾロは鞠絵を抱えながら自分たちの船室まで運んだ。しばらくして・・・全員が目覚めた。妹達は、やはり何が何だかわからないまま困惑している様子だった。衛「そんな〜・・・あにぃが行方不明だなんて!!」白雪「にいさまがいないと姫はいやですの!!」四葉「ここはドコ〜!・・・あたしはだれ〜・・・」鈴凛「アニキィ〜、助けて〜・・・」鈴凛は涙ぐみながら言った。花穂「鈴凛ちゃん、大丈夫・・・」鈴凛「アニキィ〜・・・くすん!くすん!」花穂「ごめんね、花穂何も出来なくて・・・」春歌「大丈夫、花穂ちゃんは決して悪くございませんわ」千影「・・・・・」咲耶「住む場所も失い・・・お兄様にも会えない・・・私達どうなるのかしら・・・」咲耶は下を俯きながら絶望した。可憐「お兄ちゃんがいないと可憐は・・・可憐は・・・わ〜〜ん!!」可憐は兄を失った悲しみで頭がいっぱいになり再び泣き崩れた。ナミ「あっ・・・みんな・・・げ〜んき出しなさいよ!・・・ほら、あなた達のお兄ちゃんは私達が会わせてあげるから・・・」可憐の泣き顔に戸惑うナミは意気揚々と彼女の背中をポンポンと叩きながら慰めた。可憐「でも・・・(涙)」ナミ「大丈夫よ!・・・私達に不可能はないわ・・・ね、ルフィ!」ルフィ「お〜〜!!・・・もちろんだ!」ウソップ「ま、おれがいるからには大船に乗った気分で居ていいぞ!(ど〜〜ん)」ナミ「あんたの場合は、逆に助けてもらいたいためでしょ!」ウソップ「何言っているんだ!!・・・お、おれだって・・・たまには良いところを(ガクガク)・・・」サンジ「足がびびっているぞ・・・」ウソップ「うるせェ〜!!・・・武者震いだ!」ウソップはやせ我慢していた。可憐「あ、ありがとうございます・・・とても助かります・・・」こぼれた涙を少し拭いて言う可憐は少しばかりうれしい気持ちになった。頼もしい海賊たちが協力してくれることに、そして兄に会わせてもらえることに彼女は笑みを浮かべた。ナミ「そう言えばあなた達の名前聞いていなかったわ・・・自己紹介と行きましょうか」可憐「可憐です」花穂「花穂です」衛「衛だよ」咲耶「私は咲耶です・・・」白雪「白雪ですの」鈴凛「私は鈴凛」千影「千影です・・・・・フ」春歌「春歌と申します・・・以後お見知りおきを・・・」四葉「四葉デス」亞里亞「亞里亞なの・・・・・」可憐「そして、ロングヘアーで眼鏡をしている女の子が鞠絵ちゃんで・・・黄色い髪形の背の低い女の子が雛子ちゃんです」4人が船室へ向かって行った方向に可憐は目をやった。ルフィ「おれ、ルフィ!」ウソップ「おれはウソップ!」ロビン「私はロビン」サンジ「おれの名はサンジ!この一味のコックを担当している」ナミ「ナミよ・・・よろしくね!」ルフィ「そんでもって、緑髪で3本の刀を抱えているやつがゾロで・・・トナカイみてェのがチョッパーだ!」今現在、鞠絵、雛子、ゾロ、チョッパーが船の船室に待機している。鞠絵の具合が悪い為にチョッパー、雛子、ゾロが看病に当たっているので、みんなの前にはいないのだ。ルフィも自分達の船がある方向に目をやりながら2人を紹介した。ルフィ「で・・・あそこに羊のような船がおれたちの海賊船『ゴーイング・メリー号』だ!!」そして、海岸に停留している自分たちの船の所まで案内した・・・メインマストにたびなく麦わら帽子の海賊旗、愛嬌たっぷりのかわいい羊の船首像をつけた小さな海賊船は妹達の前でど〜んと現われた。咲耶「すご〜い!! キャラヴェルね!」可憐「すてきね」あまりにも船の迫力に咲耶と可憐は感嘆した。亞里亞「かわいい・・・・・ひつじさんの・・・・・おふね・・・・・」亞里亞も微笑しながら喜んだ。千影「ところで聞くが・・・・・あなた達は何の目的のために航海しているの・・・・・」咲耶「ちょっと、千影ちゃん!」ルフィ「おれたちはワンピースを見つけるために、仲間を集めて冒険しているんだ!」花穂「ワンピースって?」千影「ひとつなぎの大秘宝の事・・・・・」ルフィ「そ、それだ!!・・・おまえ、よく知っているな〜!」千影「私が以前読んでいた本にたしか書かれていたよ・・・・・伝説の海賊王が遺した貴重な秘宝・・・・・」可憐「でも本当に見つけきれたら、すごく神秘的よね・・・」ルフィ「あ、そうだ・・・良かったらおまえ達も一緒に冒険しないか?」春歌「ワタクシ達も海賊として冒険なされと言うおつもりですか?」善良な春歌は海賊になるのが納得いかないため、口を少し尖らせながらルフィに問いかけた。ルフィ「別に海賊になれって訳ではないが・・・海の冒険ってすん〜〜げェ楽しいからさ!!・・・だから、一緒に行こうぜ!!」千影「冒険か・・・・・悪くないね・・・・・」衛「ボクも賛成!!・・・自然の海が満喫できるから」鈴凛「ハハハ・・・衛ちゃんは大の冒険好きだからね」泣いた後の鈴凛が目の周りが少し涙ぐんだ顔で笑った。咲耶「ちょっとまってよ・・・私達は住む島を取り戻してお兄様に会うことが目的でしょう・・・みんなと一緒に冒険しに来たわけじゃないのよ」鈴凛「あっ、そうだったね・・・ハハハ」ロビン「でも島を取り戻すと言っても、それがどの海域に移されたのか、だれがどのようにして略奪したのかを探らなければならないわ・・・また、その島の目的地を示すログポーズ〈記録指針〉やエターナルポーズ〈永久指針〉がないとこの海で見つけ出すことは不可能よ」咲耶「ログポーズ?・・・島を探すにはそれがないとダメってことですか?」ナミ「ここは【グランドライン】よ、普通の海とは違って一切の常識なんて全く通用しないんだから・・・」妹全員「え〜〜〜〜!!! グランドライン!?」春歌「では、ワタクシ達の住む離島もその海域に属しているのですか」ナミ「まあ、この島の近くにあったってことになるからそうなるわね」花穂「ほんとに〜!・・・花穂、全然知らなかった〜・・・」ウソップ「そうだぜ!・・・【グランドライン】と言えば、あの得体の知らない『化け物』がたくさんいるんだぜ〜!」白雪「ええ〜!・・・この近くにそのような物がたくさんいるのですの!?」サンジ「可愛いレディー達には悪いがそういうことになるな」亞里亞「化け物・・・・・こわい・・・・・くすん・・・・・」ロビン「でもここは、グランドラインでも唯一安全な海域よ。気候も穏やかだし」ナミ「そうよ、だからさっき聞いた話は心配しなくてもいいの」咲耶「それよりどうしたらいいんですか!・・・ログポーズやエターナルポーズがなければ航海できないんでしょう・・・どこで入手すればいいの?」咲耶は少し気を焦りながらナミ達に問い合わせた・・・やはり兄の事が心配だからだろう。ロビン「落ち着いて・・・お嬢ちゃん、後で順を追って話すわ・・・それより眼鏡のお嬢ちゃんから様子を見てあげた方がいいんじゃない・・・」ロビンは体調を悪くしている鞠絵のことが気になり、ゴーイング・メリー号に視線を向けながら咲耶に話した。可憐「そうよね・・・鞠絵ちゃんの容態も心配してあげないといけないよね」ナミ「とにかく今日はゆっくりして行きましょう・・・」ルフィ「サンジ!! 腹減った・・・めしだ〜〜〜!!」食べることに大喜びのルフィは心をうきうきしながら叫んだ。サンジ「ったく・・・調子のいい船長だぜ!」続く
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