シスプリワンピース 第6章 兄に会えない日々の哀しみ翌朝、鈴凛が朝早くから動作しないオルゴールを調べてみた。原因が定かでない故障箇所を幾度なく探しても、やはり見あたらないものなのか・・・鈴凛「う〜ん、動くはずだけどねえ・・・」機械にめっぽう強い彼女が、頭を悩ましている。そして、寝ぼけまなこの花穂が、あくびをしながら鈴凛の近くに来た。花穂「おはよう・・・鈴凛ちゃん・・・どう、動きそう?」鈴凛「全然、動かない!・・・何か、この小さな磁石に問題がありそうな感じもするけどね」花穂「え、機械のそばに取り付けられてある黒くて四角いもの?」鈴凛「そうなんだけど・・・これが何のために取り付けられてあるのか、よく解らないんだよね」花穂「花穂ね、このオルゴールの曲を聴くと、お兄ちゃまが近くにいる感じがするんだ・・・」鈴凛「え?」花穂の言葉に、鈴凛は小首をかしげる。花穂「ほら、このオルゴール・・・花穂たちみんなにかこまれているお兄ちゃまが見えるでしょう・・・」そのオルゴールには、妹12人と兄の小さなフィギュアが回転円盤に固定されている。鈴凛「ああ、なるほどね」花穂「だからね・・・本当にお兄ちゃまがいる気がするの」鈴凛「そんなら応援したらいいよ・・・ひょっとしたら動くかもよ」鈴凛は笑顔で言った。彼女は冗談ではなく、花穂をいつものの元気さを取り戻すために言っているのだった。花穂「う、うん・・・フレ〜! フレ〜! お兄ちゃま!!・・・頑張れ! 頑張れ! お兄ちゃま!!」花穂はみんなが寝ている船室の中で、再びボンボンを振りかざした・・・その近くで、カウンターの端に座っている千影がタロットカードを並べて、それを1枚めくっている。壁の周辺には黒いカーテンが貼り付けられて、テーブルカウンターには六星の魔法陣を描いているクロスの上に水晶玉が置かれている。周りの人に奇異なムードを漂わせる感じの静謐な姿は、誰もがミステリアスと思うはずだろう。千影「手元にあるものは・・・・・必ず役に立つべし・・・・・成る程ね・・・・・」めくったタロットカードを読んで、理解した様子だ。千影「花穂ちゃん・・・・・そのオルゴールは・・・・・そのままにしといたほうがいい・・・・・別に故障ではないから・・・・・」花穂「すると、動くってこと?」花穂は訊問した。千影「ああ・・・・・多分・・・・・もう少ししたら・・・・・」花穂「ほんと?」千影「どうやら・・・・・その奇異千万なマグネットに・・・・・関わってくるようだね・・・・・」千影はオルゴールの中に取り付けられてある小さな磁石を手のひらで指した。花穂「千影ちゃんもそう思うんだ」鈴凛「占いでそう書かれてあったの?」千影「ただ・・・・・そんな気がするんだ・・・・・」簡単に言い切って、千影は次のタロット占いを行った。そしてカウンターで再びタロットカードを並べた。サンジ「朝ご飯入ったよ〜♪」サンジがでれでれ声で合図をした。妹4人「は〜い!!」妹達はすぐに起床して、わいわいと身仕度を済まそうと浴室に駆け付ける。それはまるで、先生に言われて洗面するために列を作って並ぶ園内の子供達のようだった。花穂「千影ちゃん・・・朝ご飯食べないの?」千影「後で・・・・・今は大事なところなんだ・・・・・」サンジ「どうぞ、千影ちゃん」千影「あ・・・・・ありがとう・・・・・」サンジは、千影が占いに集中していることに気遣っているのか、朝ご飯をわざわざお膳に並べて持ってきた。サンジ「クールでミステリアスなレディーも・・・美しいな〜♡」千影「ああ・・・・・」相変わらずメロリンサンジの言葉に、千影は顔を赤らめた。千影「・・・・・これは!?」花穂「どうしたの?」不可解な様子で、千影は冷や汗を流した。千影「これから先・・・・・予想外の展開が巻き起こる・・・・・」花穂「え・・・だれが!?」千影「それは私にとってだよ・・・・・兄くんのために・・・・・より辛辣な展開になるだろう・・・・・という意味で書かれている・・・・・」めくったタロットカードを見て、恐怖感が刺激された様子だった。嫌な予感が起きそうだ・・・サンジ「大丈夫だよ・・・どんなに恐ろしいことが起きようと、千影ちゃんはちゃんとおれが守るからね♡」千影「え、ありがとう・・・・・」花穂「花穂は?」サンジ「もちろん〜・・・花穂ちゃんも守りますよ」花穂「わあ、ありがとう!」サンジに励まされて、千影が少し顔を赤らめるとホッとした様子で、花穂も顔をほころばせた。花穂が朝食を取ろうと厨房に向かっていく最中、千影は自分が引いたカードの占いどおりに、オルゴールを少しばかり調べて見ることにした。水晶玉を実験台にして、学者が研究するように・・・分析し始める。朝食を済ませて昼になり、空は真夏日の快晴のようにゴーイング・メリー号は太陽の日差しを浴びている。その主甲板の船縁では、可憐が1人、途方に暮れていた。咲耶と春歌は可憐の様子が思わしくないため、その理由をルフィ達に相談して見た。咲耶「最近の可憐ちゃん、元気ないみたいなの・・・いつもみんなと食事を取る度にしょぼくれて・・・」ルフィ「そうか・・・」ルフィは腕を組みながら悩んだ。ナミ「兄がさらわれたことに、辛辣な悲しみとなっているのかしら」春歌「それもその、一昨日可憐ちゃんの誕生日だって尋ねて見たのですが・・・その後、俄然気落ちしてすぐ御外に飛び出してしまったのです」ルフィ「何!! あいつ・・・一昨日誕生日だったのか!?」ルフィは唐突に言った。咲耶「ええ・・・12歳のバースデーパーティ会を祝う途中、あの時の忌まわしい事件が起こりまして、でも本人はそれで落ち込んでいるわけではないみたいなの」ロビン「考えられるとしたら・・・やはり兄に会えない日々が重なるにつれて、彼女の悽愴が増していったことかしら・・・熱愛に関する心理的動揺の1つね」ロビンは、可憐の心境を推理した。ルフィ「あいつ、兄ちゃんに会いたがっているからな・・・」ロビン「まずは、一刻も早く・・・島を見つけ出すことが先決ね」咲耶「そうですよね・・・」咲耶はため息を付いた。島を見つけ出すのが困難な事と可憐の哀しみの事、そして何よりもさらわれた兄の事で不安がいっぱいだった。ルフィ「それにしてもナミ!・・・島はまだ見つからないのか!?」ナミ「未だに決まっているでしょう!!・・・そう簡単に見つかるものじゃないのよ!!」ルフィ「早くしてくれ!・・・ジャドーをぶっ飛ばしてェ〜!!」ナミ「うるさい!!!・・・気が散る!!」大声で言うルフィに、気を焦らせるナミが喚いた。ナミ「残り2日か・・・何かいい方法はないのかしら・・・」限られた日数でどうにかと頭を悩ました。天才航海士の彼女でも、やはり解決できないものなのか・・・ナミが経路を予測できないままに運航している最中、咲耶は不安を抱きながら船室の部屋に入った・・・そして部屋の中では、花穂が机に置かれてあるオルゴールにジャスミンの花を添えた。花穂「動いてほしいな・・・」お祈りしながらじっと見つめていた。咲耶「綺麗なお花だね!・・・花穂ちゃんが育てたものなの?」花穂「うん・・・」亞里亞「かわいい・・・・・」四葉「やはり、島が見えないと動かない仕組みになっているのデスよ」サンジ「おやつ、持ってきたよ♪」「「「わ〜い!!!」」」みんなが喜んで集まり、特に亞里亞は大喜びだった。ウソップ&チョッパー「よっ! 待ってました!!」宴会で祝福の声援を送るような感じで、2人は声を上げた。サンジ「バ〜カ・・・これは悪魔でも妹達のものだ!!・・・おめェらのは、ちゃんと紅茶があるだろ!!」ウソップ「紅茶だけかよ〜!!」サンジ「不服か!!」ウソップ「あったりめェだろ!!」ウソップは少々逆ギレぎみになった。そして、サンジは彼らを通りすぎてベッドに向かった。ウソップ「おい、食い物まだ残っているじゃねェかよ!」サンジ「これは、鞠絵ちゃんの分だ!」チョッパー「彼女にだけ、そんなに沢山食べさせるのか?」サンジ「鞠絵ちゃんは、あまりメシ食ってねェんだ!・・・それに、このおやつだけは特別に良質な栄養素材を配分したものだ!」彼らの言葉を言い捨て、気遣いよくベッドの横におやつを置いた。サンジ「さあ、どうぞ」鞠絵「おいしそう・・・」本を読んでいた鞠絵が、それを見つめて顔がほころびた。サンジ「おお、鞠絵ちゃ〜ん♡・・・考古学の本を読んでいるの♪」鞠絵「はい、すごくためになるんです」雛子「わあ、わからない文字ばっかり・・・」難しそうに雛子が横から、その本の内容をちらっと覗いた。サンジ「それ、ロビンちゃんが読んでいたものだけど、分かるのかい」鞠絵「はい、読めますよ・・・」サンジ「なんて!・・・頭がいいんだ、鞠絵ちゃん♡」鞠絵「わたくしが読んだことのないものが沢山ありまして、それに本を読んでいると自分の想像した世界に飛び出すような感じで、とても爽快な気持ちになれるんです。」そこには、ナミやロビンが読んでいた本が何冊もあり、主に航海士の本や、考古学の本などが棚にきっちり並べられてある。サンジ「子供だのに、こんな難しい本が読めるなんて、最高なレディーだな〜〜♡・・・ボクも鞠絵ちゃんのような優秀な頭脳になりたいな〜〜♪」トンでも無い程のメロリン的な状態になっているサンジ・・・ここまで来たらもはや異常な程のフェミニストだ。鞠絵「いいえ、サンジさんだって、きっと秀麗なところもありますわ・・・しっかりと看護の領域も考えて料理してくれているんですもの」サンジ「ああ・・・何かうれしいな〜〜・・・鞠絵ちゃん♡」目がハートになりながら感激した・・・おまけに煙草の煙もハート状を描きながら噴き出している。ウソップ「何なんだ!・・・あいつ!(怒)」チョッパー「さあ・・・」サンジの態度にウソップはムカつき、みんなは唖然とした。咲耶「うふふ・・・」鞠絵ちゃんが元気になったこともあるためか、咲耶は2人の会話を見てにっこり微笑んだ。その時、汗まみれになったゾロが階段から下りてきた。多分、日差しの下で思う存分筋トレをして来たのだろう。それを行って来た滲み汗がみんなにわかる程、彼のシャツや顔に染み付いていた。ゾロ「何で、ここだけ涼しいんだ・・・ま、いいか・・・グガァァ〜!」そして、みんなの前で図々しく胡座をかいてすぐに寝た。妹達はまた唖然とした。サンジ「何でおめェがここに来ているんだ!!」外が蒸し暑いから、恐らく船室に来たのだろう・・・ゾロの横着な態度をみて、サンジは激怒した。ゾロ「どこに居ようが、おれの勝手だろ!!」サンジの言葉が気にくわないためか、強く言い返した。サンジ「レディー達の前で、いびき掻くな!!・・・デリカシーのかけらもない・・・」ゾロ「デレデレとして、女のケツばかり追い回しているよりはマシだと思うが・・・」サンジ「あん!!・・・てめェは、クソ偉そうに人様の部屋でいい気に寝てんじゃねェぞ・・・低能が!!」ゾロ「だれが低能だ!・・・こらァ!!!」サンジ「大体、てめェは鍛えすぎて脳みそにまで筋肉になっちまっているから・・・低能だと言ってるんだ!!」ゾロ「脳天真っ二つにするぞ!! 貴様!!」サンジ「おお、やんのか! マリモヘッド!!」サンジは構えた!ゾロ「てめェごときが、このおれに勝てるとでも思っているのか!!」ゾロは抜刀した!サンジ「コックをなめてると、痛い目に遭うぞ!!」毒舌をまくサンジに逆ギレするゾロ、2人はみんなのいる狭い部屋で、お互いに蝸牛角上の争いを始めた・・・チョッパー「おわ〜!・・・始まったぞ〜!!!(が〜ん)」チョッパーは頭を抱えて嘆いた。鞠絵「大変、どうしましょう・・・」天然の鞠絵はおっとりと言った。亞里亞「亞里亞・・・・・あの2人のけんか・・・・・コワイ・・・・・」びくびくと亞里亞は、鞠絵の後ろに隠れる。ゴンッ!!! カキッ!!!ミカエル「キャイ〜ン!!」ゾロの刀が乱舞する、それをサンジが足技で応戦する! 2人の見境のない攻防で、不意に狙われたミカエルが、びっくりして逃げていった・・・咲耶「ちょっと・・・やめてよ〜!・・・2人とも・・・」これは大パニック! 部屋の中がドンチャン騒ぎするような激しい乱戦は、もはや彼女が言っても止まるような争いではなかった。鈴凛「ねえ、何とかならないものなの!?」雛子「そうだ!・・・ヒナいいこと考えちゃった」その時、雛子は手を叩きながら名案した。頭の中でまめ電球が光りだしたようなイメージを想い浮かべながら・・・咲耶「どうするの!?・・・雛子ちゃん・・・」雛子「ちょっとまってて・・・」と言いながら、早速外に駆け付けた。2人の喧嘩を止めるために、彼女が思いつい考えとは・・・主甲板の船首像付近・・・雛子「ナミさん!ナミさん!・・・大変だよ〜!」お子様が欲しい物をおねだりするようなしぐさで、ナミの衣服を両手で引っ張った。ナミ「なあに!?」その時、ナミはログポーズで、進路をとっている最中だった。雛子「えっとね・・・ゾロさんとサンジさんが、部屋でけんかしているよ」ナミ「またね!!!」ナミは2人の無意味な争いに呆れ果てたあげく、余計に苛立ってきた。そして、急いで船室に駆け付けた!ゾロ「今すぐここで・・・てめェとケリをつけようじゃねェか!!!」サンジ「上等だ!!!」ウソップ「や、やるやら表でやってくれよ〜・・・おまえらが、こんな所で本気だしたら、船室ごとこっぱみじんになっちまうよ〜〜(涙)」ウソップと妹達は嘆いている。そんな彼らの言うことなんかお構いなしのゾロとサンジ、どっちが強いか真剣勝負のまっただ中!・・・とその時・・・ナミ「や・め・ろ!!!(怒)」ゴ〜〜ン!!!突然、ナミの怒りの鉄拳が、争っている2人の頭をぶん殴り、床下にねじ伏せた。とてつもなく強烈で、2人のこぶの大きさは超特大だった。春歌「すごい音・・・」春歌は唖然とした。ナミ「全く!・・・いい大人が、この子達の前でケンカして恥ずかしくないの!!」サンジ「すみませ〜ん・・・ナミさん・・・」サンジは倒れながら言った。ナミ「それと・・・あんた達もいながら、どうして止めなかったのよ!!」いきなりナミは視線を変えて、ウソップとチョッパーに責めた。2人は、ビクッと驚き、冷や汗が出た。ウソップ「と・・・止められねェよ〜・・・あんなの・・・(恐)」確かに止められないだろう、あの恐ろしい喧嘩は・・・ナミ「また、メシ抜きにされたいの!!」ウソップ「いやだよ〜・・・そんなの・・・(泣)」ナミ「さもなければ、今すぐ極刑に処する!?」ウソップ「たすけてくれ〜・・・チョッパー!!」チョッパー「お・・・おれに訊かれても、どうしようもないよ〜(恐)」鬼気せまる恐ろしさで、ナミに追い詰められて苦渋しているウソップとチョッパー、もはや風前の灯火か・・・花穂「あっ!!」と突然花穂が、船室内に響く程に大きな声を上げた。咲耶「どうしたの、花穂ちゃん?」花穂「オルゴールが動いた!」衛「あ、ほんとだ!」ナミ「あら、良かったじゃない」花穂「本当によかった〜、動いてくれて・・・」初めて流れた曲を聴いて、花穂は涙を滲まして喜んだ。鈴凛「でも、音響が小さいね」衛「雑音も多くて、聴き辛いね」花穂「ぜんまいの力が弱いのかな・・・」花穂は、オルゴールの底板部を覗いた。底板部にぜんまいが付いているからである。鈴凛「そんなはずないよ。だって、一昨日巻いてから何も手を付けてないもの。それに巻いたばっかりの静止しているオルゴールが、故障でない限り勝手にぜんまいがゆるむ訳もないし・・・」四葉「う〜む、やはり何か秘密がありマスね、このオルゴール・・・」四葉は、怪訝した。と、少し経って・・・ピタッ・・・花穂「ああっ、また止まった! 何で・・・」花穂は不可解に思った。ウソップ「急に壊れたんじゃねェのか?」サンジ「何も理由なしに、壊れるか! アホ!!」ウソップ「アホは余計だろ〜!!(ツッコミ)」四葉「四葉達の島へ向かう方角から、逸れたからじゃないデスかね・・・う〜む?」当てずっぽうに、四葉は推理していた。本当にそうであればありがたいのだが・・・そこで千影がゆっくり来た。千影「それは、止まっているわけではない・・・・・止めてあるのさ・・・・・自動的にね。」花穂「自動停止ってこと?」千影「そのオルゴールに取り付けられてあるマグネットを少しばかり研究してみたのさ・・・・・ある特定の島だけを指す方向に対して・・・・・動く仕組みになっていると言うことを・・・・・」ナミ「ひょっとすると・・・それって!!?」千影の説明に、ナミの頭がピンときた。チョッパー「何か、役に立つ物なのか?」ナミ「私もよく判明できないけど・・・とにかく、外に出てみようよ!」ナミはすぐに外へ駆け付けた。そして、オルゴールを四方八方に差しかざしてみた。北東付近に、ようやく動き始めた。ナミ「音が悪いか・・・」どうやら、音質が不規則的だった。ルフィ「どうした、ナミ!・・・これから何か起きるのか!?」ルフィが来て、その背後にみんなも来た。ナミ「ちょっとこのオルゴールを確かめたい事があってね・・・やはり変わらないか」部屋の中と外との音量の変わり具合を確認しているが、変化がなかったことにため息をついた。千影「根源地より音波が遠いからだよ・・・・・」ナミ「あんた、どうしてそのような結論を?」千影「電波の原理を応用したものさ・・・・・例えば、ラジオのアンテナもある特定の範囲内でないと、雑音が入り、鮮麗に流れない・・・・・また、周波数の大きさや環境よっても変化する・・・・・それと似たようなものさ・・・・・」ロビン「成る程・・・」千影「そして、その中に内蔵されてある磁石みたいなもの・・・・・つまりこれがコンパスの働きをしていることが判明できた・・・・・」鞠絵「そうしますと、わたくし達の島の磁力がそれに記憶されているわけですね」千影「その通りさ・・・・・その島の方角を示すことにより初めて動き出し・・・・・その島に近づくにつれて、音響がより鮮麗に流れる・・・・・」四葉「ほ〜ら! やっぱり四葉が推理していたことに間違いなかったデスよ!!」四葉は、はちゃめきながら、ぴょん、ぴょんと跳ねた・・・確かに、当たってはいた。サンジ「さすが、千影ちゃん〜♡・・・頭が天才!!」千影「フフ・・・・・」千影は微笑した。ロビン「すると!?」ナミ「そうか、わかったわ!!・・・このオルゴールがその島を導くための『エターナルポーズ』の役割をしているんだ!」ナミとロビンは、お互い頷きながら納得した。ルフィ「なにィ〜!!・・・これって、そういう仕組みになっているのか!?」ウソップ「さっき説明したばっかりだろ!!」ルフィ「そうか!・・・つまり『不思議オルゴール』って奴かな?」ルフィが頭で考えた結果はこうだった・・・ウソップ「だ・か・ら、何でおめェは毎回それが付くんだよ!!(ツッコミ)」ウソップはルフィにチョップをした。ゾロ「これで、目的地の島が探れるってわけだな!」チョッパー「よかったじゃないか!!」雛子「おにいたまに、会えるんだね!」チョッパー&雛子「わ〜い♪ わ〜い♪」チョッパーと雛子は余りにもの嬉しさで、2人はお互い両手をつないで、ぐるぐる回った。亞里亞「亞里亞も・・・・・」後から笑みを見せている亞里亞もチョッパー達と一緒になって手をつなぎ、3人で舞った。そして、妹達も笑顔を見せて喜んだ。千影「更に・・・・・このオルゴールには・・・・・別の役割も果たせることができるのさ・・・・・」鈴凛「どのような、役割なの?」千影「これから先の事だけど・・・・・未だ解明できない・・・・・・」咲耶「もしそれが今後のために私達が役立つものであれば、嬉しいこと、この上にないわ!」花穂「本当に嬉しいな〜、花穂のオルゴールが、こんなに役に立っているなんて・・・ね、お兄ちゃま!」音響は良くないが、円盤上に13人のフィギュアが一定速度で回転しながらクリスマスソングのメロディーが流れている曲を聴いて、花穂はとても心地よかった。早速ルフィは急ぎ足で、可憐のいる船首像へ駆け付けた。彼女を元気付けるために・・・ルフィ「喜べ、可憐!・・・島に帰れるぞ〜!!・・・おまえの兄ちゃんに会えるんだぞ〜!!」可憐「・・・え?」黙然していた可憐が、後方にいるルフィに顔を向けた。ルフィ「今、千影がそのオルゴールってやらを分析して見たんだ・・・それがおまえ達の島を案内してくれる役割を果たす仕組みになっていたんだよ!!」可憐「ほんとに!?」先程までの事情を真剣に説明しているルフィに対し、可憐は、か細い声でつぶやいた。ルフィ「ああ、だから会いに行こう!!」可憐「うん・・・」ルフィの合図で可憐は静かに頷いた。これで兄に会えたらと、彼女はほんの少しばかり希望を持った・・・しかし、今はジャドー率いる『ダークプロジェクト』に島を乗っ取られている!ルフィ「お〜い、ナミ!!・・・そのオルゴールで、急いでこいつらの島まで案内してくれ!」ナミ「ええ・・・分かっているわよ!」ルフィの指令に、ナミはすぐに了解した。春歌「ワタクシ達の島が探れるとしても、現地点からどの位の距離なのか、定かではないのでしょうか?」千影「オルゴールが動き出しているから・・・・・目的地は・・・・・そんなに遠くはない・・・・・」衛「でも、あと2日しかないけど・・・間に合うの?」ナミ「なあに、ここから私の優秀な航海術の腕の見せ所よ!!」自身過剰にも、ナミは自分の得技に胸を張った。ナミ「じゃあ!!・・・早速、北東へ真っ直ぐ全速前進よ!!!」水平線を見遣って、ナミは全員に航海の指示を出した。全員「「「おお!!!!」」」
続く
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