新編

魔法少女まどかマギカ

ひぐらしのく頃にの物語

10人の魔法少女達・・・

 

第5章

 


 

翌朝・・・外はすがすがしい・・・

目覚ましが鳴り・・・まどかの自宅に宿泊している圭一が起床した。

圭一「ん?・・・俺、勉強中に寝ていたのか・・・」

  この時の彼は、特に何も夢を見ていなかったようだ・・・

圭一「そろそろ、みんな起こさないとな・・・」

そして、彼が声をかけると他の女子達が次々と起床する・・・

梨花「あっ、学校行く時間ですね」

なぎさ「ふあ〜〜(涙)・・・おはようございます」

 沙都子「はあ〜、どうしましょう・・・またお父様に怒られますわ〜!(汗)」

 圭一「わがまま言って一晩泊まろうとするからだ!」

門限破ったことで焦りまくる沙都子に圭一が戒める。

タツヤ「うわ〜〜〜〜ん!!」

なぎさ「は〜い、よしよし・・・」

朝の起きづらさに幼いタツヤがいきなり泣き出す・・・それをなぎさがベビー用のおもちゃをならして上手く子守歌をする。

 梨花「あとはまだ起きていないみたいですね・・・」

しかし・・・残りの2人は、まだ熟睡中である・・・

梨花「ほら、朝なのですよ・・・起きるのですよ!」

  声かけると、ぬいぐるみを抱えているまどかがようやく目を覚ました・・・

まどか「ふにゃ〜・・・みんな〜、魔法少女に○×□※☆♪」

梨花「・・・」

沙都子「何をおっしゃっているのですかね・・・」

圭一「いや・・・寝ぼけている、寝ぼけている・・・」

まどか「スヤスヤ・・・」

 そして二度寝する・・・

圭一「おい、大丈夫か?・・・学校行く時間だけど・・・」

 それを圭一が再び起こすと・・・

まどか「うわ〜〜ん!!」

圭一「ごめんなさい!・・・つ〜か、中学生にもなって朝泣きするのかよ!?」

 弟のタツヤと同様に朝がつらいのか・・・寝起きの悪さに彼女が突如泣き出した・・・

タツヤ「うわ〜〜〜〜ん!!」

なぎさ「どうしよう・・・また泣いちゃいました・・・」

 それにつられてタツヤももらい泣きをして、なぎさが慌てる。

 2人が泣いているのを聞いて、詢子が部屋に来た。

詢子「あら、ごめんね・・・・でも気にしないで、うちの子達はいつもこうだから・・・」

圭一「どうも、すいません・・・」

詢子「起こしてあげて、どうもありがとう・・・朝ご飯できているから、皆さん食べに来てね」

梨花「はい、今行きます・・・ほら、羽入も起きて下さい!」

羽入「ん〜・・・眠いのです・・・」

テンション下がるような声で、大あくびをする羽入がようやく起きて、みんなが身支度の準備をする・・・

 

学校のお昼休み時間・・・

さやか「は〜あ・・・昨日恭介のお見舞いに行ったんだけど、何か荒れていてね・・・」

 まどか「あの時、何か用事があったのは、この事だったんだね・・・でも、それは困ったね・・・」

 さやか「せめて、あたしの力で何とか助けてあげたいけど・・・ああ〜、こんな時、何か願いが叶えられたら、彼の手を回復させてあげられたのにね」

まどか「さやかちゃんの願いって、彼の手を治すことなんだね・・・」

その時、2人の会話中にほむらが割り込んできた。

 ほむら「美樹さやか・・・今は願いを叶うというより、彼の気持ちを解からせてあげることが大事だと思うわ」

 さやか「・・・で、その後どうすればいいの?」

 ほむら「今の病院がダメなら、別の病院に移動させるのも手よ・・・そうね、クラスのお友達にでも聞いて、何処か良い治療法があれば、そこに紹介してもらったら?」

 さやか「あんた、そう簡単にいうけど・・・今恭介の立場がどんな状況か分かっているの!?」

ほむら「ええ・・・想像は付くわ・・・」

さやか「知ったこと、言わないでよ!!・・・実際会ったこともね〜くせによ!」

まどか「ごめん、さやかちゃん・・・あたしもほむらちゃんの言う通りかも、もっと腕の良い名医がいたら、良い治療法が見つかって、ひょっとしたら治るかもしれないよ」

さやか「まどか!・・・恭介の手は何処の病院でも治らないと医者から告げられているの・・・今の医療技術では無理だって!・・・彼にどれだけの医療費がかかったかわかる?」

まどか「それは・・・」

 この時、さやかの気持ちが次第にいらだってきた。

仁美「あの・・・わたくしのお父様が海外の整形外科医のお務めをしていまして、最先端医療技術が導入している病院があるとお聞きしましたの・・・そこで治療させてもらえれば、上条君の手が回復できると思いますが・・・」

おずおずと仁美がやって来て、上条恭介の治療方法に良いアドバイスを教えてあげた。

まどか「ホント?・・・仁美ちゃん」

仁美「ええ・・・もしよろしければ、そこの病院に紹介して差し上げるよう、お父様に相談しましょうか?」

さやか「仁美が紹介する病院?・・・もしかして・・・」

さやかは動揺する・・・上条恭介の入院のために一緒に海外へ行ってしまうと、そこで彼女に恋を取られてしまうからである。

ほむら「(良い案だけど・・・まずい展開だわ!・・・他に何か方法はないか・・・)」

レナ「あっ、これってもしかしたら、羽入のオヤシロパワーで、何とかなるかも・・・」

そこで、隣の席に座っているレナがもっと手軽な回復方法を提案する。

さやか「え?・・・オヤシロパワー?」

レナ「雛見沢古手神社の先祖の神様と言われていてね、彼女には神の力が宿っているの」

まどか「そういえば昨日、あたしの部屋に泊まっていたよ・・・何か内気な感じだけど・・・普通の人には見えない子よね」

レナ「うん・・・元々梨花ちゃん以外には見えなかったの・・・でも今はレナも圭一君達も見えるようになったからね・・・彼女にお願いしたら完全まではいかないけど、改善は確実にできるはずよ・・・」

ほむら「あら、それは良い療法だわ!・・・竜宮レナ・・・海外の費用もバカにならないから、今はそれが一番だと思うよ」

レナ「まずは、そうさせてみようよ・・・ね、圭一君」

圭一「ああ・・・そうだな」

 机に顎をつけるという行儀の悪い座り方でつぶやく圭一・・・今日も居残り勉強させられそうで何かかったるい気分だった・・・

仁美「では、お父様に病院を紹介するのは、よろしいんですね?」

さやか「いや〜、悪いね、仁美・・・迷信は信じがたいけど、まずはレナの紹介する神の力で試させてみるよ・・・」

仁美「そうですか・・・」

病院の紹介を受け入れられなかったことに悲しそうな瞳で見送る仁美・・・上条恭介に告白するチャンスを彼女は逃してしまったことになる。

 

その放課後、レナが携帯電話で梨花にお願いして、上条恭介の入院する総合病院へと羽入を案内させる。

レナ「・・・ということで、上条恭介君の左手を回復させてあげたいの」

まどか「あたしからも、彼を助けてあげて・・・」

レナとまどかが羽入に懇願した。

羽入「もちろんなのです・・・昨日は泊めさせてもらったお礼なのです!」

まどか「わあ〜、ありがとう!」

さやか「ホントに悪いね・・・あっ、申し遅れました・・・あたしは美樹さやか!」

羽入「羽入と申します・・・よろしくなのです!」

梨花「僕は梨花なのです・・・」

沙都子「沙都子ですわ・・・わたくしも申し遅れました」

魅音「あれ、圭ちゃんは?」

レナ「圭一くんは、今日も居残り勉強させられているらしいけど、ひょっとしたら途中でさぼっているかもしれないね・・・」

魅音「まっ、いつもののことだね・・・」

圭一を除く雛見沢分校の元部活メンバー達がお互いに生徒手帳を見せ合って、自己紹介する・・・

魅音「ところで、その・・・上条恭介とはどういう関係なの?」

さやか「べ、別に特別な関係はなくて・・・昔からの腐れ縁つ〜か、何かそんな感じ・・・まあ、ただの幼馴染みよ・・・」

魅音「ホントに?」

さやか「本当ですよ!」

意表を突くような感じで魅音が質問すると、さやかは表情を赤らめながら照れくさそうに言う。

 

見滝原総合病院で・・・さやかが上条恭介の病室にレナ達を案内する

さやか「恭介・・・入るよ」

上条「ああ、いいよ・・・」

 先にさやかがノックして入ると、元気のない声で返事をする・・・

さやか「実はさ・・・恭介に是非とも会わせたい人を連れて来たの」

上条「僕に・・・」

 さやかが微笑みながら話すと、ベッドから起きる上条恭介が元気のない姿で反応する。

レナ「初めまして、竜宮レナです!」

レナは緊張した姿で挨拶をすると、梨花達4人が元気な姿で入ってくる。

梨花「梨花なのです・・・」

沙都子「沙都子です」

魅音「魅音だよ・・・よろしく!」

上条「見たことのない子達だね・・・」

さやか「実は、みんな臨時転入生なんだ・・・突然破壊された母校が復校するまで、今だけ見滝原小中学校に通っているの・・・」

上条「そうなんだ・・・」

魅音「あ〜ら、さやかちゃん・・・幼馴染みって彼のことなんだ・・・やはり初恋の人?(ニコ)」

上条「僕が初恋??」

さやか「もう、魅音さん・・・こんな大事な時におかしなことを言わないでくださいよ!」

“ニヤッ”としながら魅音がひじで突っつくと、さやかと上条恭介は赤面して恥じらう。

まどか「ねえ、上条君の手そろそろ治してあげたら?・・・さやかちゃん」

さやか「ええ・・・じゃあ恭介・・・手を貸して」

上条「ああ・・・これからどうするの?」

さやか「今から、神の力で恭介の手を回復させるのよ」

上条「ちょっと、本気なのかい??」

さやか「大丈夫よ、彼女達に任せて・・・」

梨花「では、始めますよ・・・」

羽入「了解・・・なのです!」

黙想する上条恭介が不随している手をさやかがさしのべて、それを梨花がお祈りする。そして、本人に見えない羽入が勾玉で『オヤシロパワー』の術を唱える・・・

上条「気持ちいい・・・」

すると、彼女の周りから白いオーラを発した・・・ゆっくりと息をする彼の左腕は、頗る軽くなった感じだ・・・

そして・・・

羽入「は〜い、終了なのです!」

梨花「終わりましたよ・・・」

さやか「恭介、もう目を開けていいよ・・・」

上条「もう終わったのか・・・」

まどか「上条君・・・手の調子はどう?」

上条「何か軽くなったようだ・・・」

 しばらくして、包帯の左手が少しずつ動き始めた・・・

上条「わあ、すごい!・・・本当に良くなっている感じだよ!」

 今まで全く動かなかった親指だったが、腫れやしびれが引いたことに感動する。

レナ「よかったね・・・」

さやか「恭介・・・早速、医者に診断してもらったら?」

上条「うん、わかったよ・・・」

 上条恭介がナースコールをして、主治医に診察をお願いするように頼んだ。

 

そして、診断の結果・・・

「おお、だいぶ良くなっている!・・・奇跡ともいいたいね!・・・」

上条「ほんとですか!!?」

主治医がレントゲンで撮ったフィルムを見て説明すると、上条の顔が広がった・・・そしてみんなが微笑む。

「回復までには時間がかかるが、あとは頑張ってリハビリを続けていけば・・・完治の目処がつきそうだ!」

上条「とても嬉しいです・・・ありがとうございます!」

梨花「これで、めでたし・・・めでたしなのです」

沙都子「何たってオヤシロの神様が授かった力ですから」

さやか「へえ〜、すごいじゃない!」

魅音「神業というのは、こういうことなのよ・・・」

魅音が一差し指を上げてさらりと言う・・・

 そして病室へ戻り・・・安心した上条恭介は松葉杖を棚に直してベッドに入る・・・

上条「明日にはお母さん、お父さんもお見舞いに来るんだよ・・・今の調子ならきっと喜んでくれるよ・・・今日はありがとう・・・君達のおかげだよ」

梨花「うふふ・・・誉められちゃいました」

上条「あと、羽入さんにも感謝します」

羽入「良いことしたから、うれしいなのです!」

実際には見えないものの、彼からのねぎらいをもらって、羽入が恭しく受け止める。

レナ「あともう1人、前原圭一という転校生の男子もいるけど・・・今度お見舞い来たときに紹介するね」

まどか「今はあたし達クラスのお友達なの・・・きっと仲良くなれるはず・・・」

さやか「まどかに似た転校生・・・」

上条「へえ・・・」

まどか「ちょっと・・・さやかちゃん!」

 さやかがまどかにからかいを言って、みんなが微笑んだ。

レナ「それじゃあ、レナ達帰るね・・・どうかお大事に」

上条「ああ、御土産ありがとう」

みんなからの果物を受け取って、微笑みながら帰りの挨拶をした。

病室からいったん出て、ロビーでさやかが羽入に涙流して感謝する・・・

さやか「本当にありがとう(涙)・・・あなただけは恩人よ・・・このことは一生忘れないから・・・」

梨花「さやかさん・・・」

羽入「ううん、これでいいのですよ・・・」

さやか「そうよね・・・」

羽入「さあ・・・恭介のところへ行ってあげてください」

さやか「うん!」

寛大な羽入が無邪気に微笑んで、お礼しているさやかの頭をなでた・・・

 

そして、泣き止んださやかが再び上条恭介の病室に戻った・・・

さやか「恭介・・・バナナ食べて」

上条「あ、ありがとう・・・」

さやか「ほらね、奇跡は起きるって言ったじゃない」

上条「そうだな・・・自分でも信じられないくらいだ」

さやか「早く治るといいね」

上条「まだ、完璧じゃないけど・・・リハビリを続けていけば、きっと良くなる」

この時の上条恭介の意志は前向だった。

そこで、さやかが彼に対して自分の本心を打ち明ける・・・

さやか「恭介・・・リハビリ、あたしも協力するから・・・」

上条「本当に・・・」

さやか「だって、早く恭介のバイオリンを聞きたいから・・・だからね、一緒に頑張ろう!」

上条「さやか・・・うん、わかった」

さやか「恭介・・・ずっと思っていたんだけど・・・好きだよ」

上条「僕も前から、君のことを気にしていたんだ・・・入院する時からずっと・・・愛しているよ」

さやか「うふふ・・・うれしい」

告白をしたさやかが表情を赤らめて、ベッドに座り、そして上条恭介にくっついた・・・

 

その2人の恋中は、羽入に届いた・・・

羽入「うふふ・・・縁結びとは、こう言う意味合いなのですよ・・・」

梨花「ん?・・・羽入?・・・何か喜ばしいことでも?」

羽入「実は・・・こそこそ・・・(さやかは恭介に告白したようですよ)」

梨花「これは、よかったなのですね・・・にぱ(にこ)」

沙都子「2人とも・・・何話しているのですか・・・」

梨花「何でもありませんのですよ・・・にぱ」

 

しかし、その状況を謎の女が見ていた・・・

レイリー「神の力?・・・あの小娘にそんな力があったなんて・・・」

ひそかに病室の入口まで潜入したレイリーが羽入のオヤシロパワーを知り、補足しようと計画する・・・

レイリー「ん・・・例の魔法少女か・・・おせっかいな!」

そして、彼女に気づかないように突如姿を消す・・・

 

ほむら「ふ・・・これでよし・・・」

その病室の通路に来たほむらが2人の話をこっそり聞いて安心する・・・

 

戻る  続く

 


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