新編

魔法少女まどかマギカ

ひぐらしのく頃にの物語

10人の魔法少女達・・・

 

第6章

 


 

休日の朝・・・

サラリーマンの通るひとにぎやかな繁華街では・・・マミがきれいな衣装とお出かけ用のバッグを持って、街をうろうろ歩き回っている・・・

マミ「う〜ん・・・この辺りでいいのかな?・・・それとも・・・」

  誰かを待っている様子なのか・・・かといって特別デートの待ち合わせでもないようだ。

マミ「でも・・・暁美さんが私より年下だなんて・・・正直信じられなかったわ・・・落ち着いているというか・・・大人びているというか・・・一応、あの子のいう通りに実行しているのだけど・・・」

そこで、ある男がマミに話しかける・・・

「おお・・・なかなかいい女じゃない」

マミ「えっ、私ですか?」

   「人気アイドルとしての素質ありそうだ・・・」

 マミ「そうですか?・・・ところであなたは?」

半そでシャツに頭はモスグリーンの帽子、そしてカメラを鬻げている男がマミの前に現れた。何か気さくな感じだが、体格は良く押しは強そうだ・・・マミは彼に尋問する。

「おっと、申し遅れました・・・私、フリーカメラマンの富竹ジロウと申します・・・話は暁美ほむらさんから聞きましてね・・・」

マミ「え?・・・暁美さんからですか?」

頭を下げて自己紹介をする富竹が自分の名刺を彼女に手渡す。

 富竹「フフフ・・・“富竹フラッシュ!”・・・僕は萌えしか追求しなくてね・・・」

そして、いきなりマミに向けて写真を撮る。

マミ「やだ〜、恥ずかしいですわ・・・」

  赤面するマミが顔を両手で覆う。

富竹「ところで君・・・今どこかの事務所と契約している?」

マミ「いいえ・・・」

富竹「そうか・・・実はうちの上司がプロダクション事務所を設立していてね・・・それでオーディションを受けてみないかと思ってさ・・・」

マミ「私が?」

富竹「君なら頑張れば大スターにもなれそうだよ!・・・どうかね、興味はないかね?」

マミ「ええ・・・少し・・・」

富竹「よし、決まりだ!・・・早速芸能プロダクションへの契約書とサインをお願いできるかね?」

マミ「はい・・・」

富竹が気前よくスカウトすると、スマイルな笑顔でマミが答える・・・

 

ほむら「どうやら、順調にいきそうね・・・私が手出しする必要もないみたい・・・」

 その後方で、ひそかにほむらが彼女の実行ぶりを偵察していた・・・

ほむら「さやかもうまく告白したようだし・・・あとはまどかだけだね・・・」

 

 富竹のスカウトに誘われて、マミは、プロダクション事務所へオーディションを受けた・・・

「アイドルの卵の皆さん・・・オーディション頑張ってくださいね!」

 事務所の入り口には、コスプレ姿の少女達がスターのパンフレットを配布していた。

マミ「あら、魅音さん・・・こんな所でお仕事なの?」

「あの・・・詩音ですけど・・・」

そこで彼女は、詩音と出会う・・・

マミ「えっ!・・・人違い?・・・ごめんなさい(汗)・・・つい、私のクラスのお友達とそっくりだったものですから・・・」

詩音「いいえ、魅音とは双子の姉妹で・・・うちは彼女の妹なんです・・・」

マミ「あら、そうなんですか・・・」

 詩音「話はおねぇから聞きましたよ・・・見滝原中学校でのクラスメートだってこと・・・ひょっとしたらあなたが巴マミさん?」

マミ「ええ・・・」

詩音「アイドルを目指しているんだね!」

マミ「後輩からのアドバイスで、少し興味を抱いたの」

詩音「今のあなたなら、かなり行けそうよ・・・頑張って!」

マミ「ええ・・・ありがとう!」

詩音が笑顔で励ますと、マミは微笑みながら答える。

富竹「そこで、“シャッターチャン〜ス”!!・・・コスプレ姿の詩音が久しぶりにまぶしいぜ!!」

と?・・・いきなり富竹が自前のカメラで2人のツーショットを撮っていた。

詩音「こらこら・・・仕事中にいけませんよ!」

 富竹「ハハハ・・・いいじゃないか・・・これから、テレビに出るんだし!」

 詩音「もう!(ムスッ)」

照れくさそうに笑う富竹を見て、詩音がいましめる。

 

  そして審査結果・・・

 マミ「きゃあ〜、やったあ〜!!・・・私オーディションに抜擢されたわ!!」

詩音「へえ〜、良かったじゃない!」

 富竹「おお!・・・流石俺が選んだだけの魅力はあるな!」

  余りにもうれしさに、マミが大喜びすると、自慢する富竹や詩音も喜んだ。

 富竹「もう、ここからは君次第だ・・・これからの人生スタートだと思って頑張ってくれ!」

マミ「はい・・・ありがとうございます!」

そして富竹がマミを励ます。

 

 翌日・・・登校中の見滝原公園で・・・

レイリー「見えた・・・神の力を持っているあの小娘・・・すぐにGETしないとね!・・・あたしの魔法で・・・」

梨花達と登校している羽入を見た彼女が感づかないように捕えようとするその時・・・

さやか「ひゃ〜、まずいまずい・・・あたしが寝坊なんて、とんだ失態!・・・あ〜もう、遅刻する!・・・」

羽入「あうあう・・・さやかさん・・・おはようなのです!」

梨花「どうも、おはようございます」

沙都子「おはようですわ」

さやか「あっ、羽入ちゃん、みんな・・・おはよ!」

さやかの前で3人は礼儀よく挨拶した。

 

レイリー「ちッ!・・・こんな肝心な時に邪魔者・・・ま、あたしがあんな弱そうな女に負ける訳ないが・・・ここはいったん身を引こうかしら・・・」

補足失敗・・・さやかがいきなり来たことに対し、苛立つレイリーがこの場から去った・・・

 

沙都子「ところで、何を慌てているのですの?・・・まだ、登校時間まで十分に間に合いますけど・・・」

さやか「今日は特別に早朝授業があるのよ!(汗)・・・中学校になると色々と勉強大変で、それにあたし学級委員会も務めているの」

沙都子「なるほどですわね・・・優秀な生徒に遅刻は許されないというメンツもあることなのですね?」

さやか「そうなのよ・・・あんた、いいこと言うじゃない」

沙都子「ふふふ・・・これでも圭一さんの優秀なところをおだてていましたから・・・」

さやか「へえ〜・・・まあ暇な時、たまにうちのクラスにも遊びにおいでよ!」

沙都子「了解しました・・・必ず伺いますわ・・・(これを機にまた圭一さんをからかって見ようかしら・・・日頃打たれた分のお返しですわ・・・おほほほ・・・)」

さやかが急いで去った後、沙都子は何かたくらみ始める・・・

 

見滝原中学校、4時限目の英語の授業・・・

I will have been away from home for・・・」

1人の小柄な男子生徒が教科書の英文を棒読みで答えた。

早乙女先生「はいよろしい!・・・え〜と・・・○○君が読んだように、未来完了形の継続という意味は・・・」

 英語教師の担任の先生が授業を進めているその時、生徒達は・・・

 仁美「(カリカリ・・・)」

最前の席で真面目に受けている。

ほむら「(ペラ・・・)」

 その隣の席で授業とは関係なく別の本を読んでいる・・・

さやか「ルンルン♪・・・」

仁美のすぐ後ろの席で、隠し持っているCDプレーヤーで曲を聴いている・・・

まどか「たまには、いいよね♪」

 唯一の秀才とも言われているにもかかわらず、クレヨンを使って魔法少女のお絵かきをしている・・・

レナ「ふにゃ〜・・・かぁいいよ〜〜(はあと)」

 教室の一番後ろの席で・・・何を想像しているのか・・・寝言を言いながら居眠りしている・・・

そして、圭一はというと・・・

圭一「(モグモグ・・・よし!・・・やがて完成するぞ!・・・1/144スケールのストラ○クフリーダムガ○ダム!・・・モグモグ)」

 感づかないように、教科書でカムフラージュして、机の下に隠れ、あんパン食いながらガンプラの組立をしている・・・それを隣の席で見ている女子が唖然としていた・・・

圭一「(こんな授業、受けてられるかってんだ・・・雛見沢の修繕が終わったら、早々とこの学校からずらかろう・・・それにしてもあの校舎がなぜ破壊されたかだな・・・)」

 数日の間で、この授業中だけの時間を利用して力作したガンプラが完成したその時・・・

早乙女先生「こら!!(ゴン)」

圭一「痛ッ!・・・ゲホッ!・・・げっ!・・・先生!」

 早乙女先生「いったいこれは、どういうことですか!!?・・・授業中に飲食もして!!」

 いきなり先生が来て、拳で頭を突く圭一に問い質した!

 圭一「それは(汗)・・・つい腹が減っていたもんだから・・・そうそう、このプラモデルだって頭使うから良い勉強になりますよ・・・ほら、説明書にも英語で記されているものがありますし、むしろこちらのほうが難易度も高いしね・・・」

シビアに答える圭一だが・・・

早乙女先生「頭を使うなら、もっとそれなりに役立つためのことをしてくださいね!・・・このおもちゃは没収します!!」

圭一「いたたッ!・・・」

担任の先生に、そのような理屈は皆無だった・・・圭一は再びゲンコツをくらった・・・

さやか「あの転校生・・・また何かやらかしたらしいね・・・」

まどか「へえ〜・・・プラモデルを作るのって、そんな勉強になるんだ・・・」

さやか「そんな訳ねえって!」

ほむら「・・・」

天然なまどかに、さやかはつっこんだ・・・

レナ「ん?・・・何かあったのかな?かな?・・・」

 生徒達が騒いでいるのを聞き、彼女はようやく目を覚ました・・・

 

 昼休み時間・・・教室のバルコニーでまどか、さやか、レナの3人の女子が会話している・・・

さやか「まどか〜・・・さっき授業中に何か描いていたでしょ?」

まどか「あっ・・・それは・・・その・・・」

さやか「やはり、憧れているんだ・・・魔法少女に」

まどか「ええ・・・ほら、魔法って最後に願いごとも叶えられるんだよ・・・だから、憧れちゃうんだ」

レナ「魔法使いのことだよね・・・」

まどか「もしも・・・もしもだよ・・・魔法でどんな願いでも叶えられるとしたら、どうする?」

さやか「あたしは、ぴんと来ないな・・・ただでさえ幸せバカなんだから〜(笑)・・・それに、今は恭介のお見舞いに忙しいし〜!(にこ)」

まどか「そうか、さやかちゃんは上条君の手の回復が順調にいったからね」

さやか「でもでも、もう少し欲を持てば・・・色々とでるものじゃない・・・金銀財宝とか不老不死だとか満漢全席だとか〜!!」

まどか「それは・・・少し贅沢なのでは・・・」

レナ「レナも願いごとが叶ったら、欲しいものをぜ〜んぶ“お持ち帰りぃ〜”したいな〜・・・」

さやか「何か自分の世界に入っていない・・・」

レナ「べ、別に入っていないよ(ムスッ)・・・ねえ、圭一君の叶えたい願いって何?」

そこで、レナが遠くに座っている彼に声をかけてみた・・・

圭一「とにかく今はガンプラだ・・・先生から取り返してくれ〜!」

レナ「け・・・圭一君・・・」

さやか「もう、授業中に遊ぶからよ・・・自業自得でしょ!」

自分の組み立てたプラモデルを取り上げられたことでふて腐っている彼を見て、2人は呆然とした。

まどか「でも、ユーモアあって楽しそうじゃない・・・あたし、ああいう人って好きよ」

さやか「へえ〜、やはりまどかも恋!?」

まどか「さ、さやかちゃん・・・ちょっと話を飛躍させてない〜!?」

レナ「まどかちゃんって・・・もしかして・・・圭一君のことが・・・」

 3人がこそこそと会話している時、そこでほむらが割り込む・・・

さやか「あ・・・この前はどうもありがとう・・・」

ほむら「どう、お互いうまくやっている・・・」

さやか「ええ・・・何とかね」

  さやかがお礼を言うと、ほむらはクールに微笑んだ・・・そして話を変えてまどかに言う・・・

ほむら「鹿目まどか!」

まどか「はい・・・」

ほむら「あなたはそのままでいいわ・・・」

まどか「えっ、どう言うこと?」

ほむら「何もならなくていい、普通の鹿目まどかのままでいいの!・・・これからもずっと・・・」

さやか「ちょっと・・・人がなりたがっている夢を何でそのように否定するわけ?」

ほむら「彼女はそのほうがいい・・・美樹さやか・・・あなたもだけど・・・」

さやか「あたしは・・・今はいい・・・」

ほむら「そう・・・告白は?」

まどか「さやかちゃん・・・もしかして告白したの?」

さやか「えっ・・・え〜と・・・まあ・・・恭介を少し励まそうとしてね・・・」

まどか「うふふ・・・やっぱりしたんだね」

さやか「いや〜・・・恭介のバイオリンを聞きたいからね〜」

まどかが微笑みながら聞くと、照れくさそうにさやかが言い訳をする。それを、小耳を挟んだかのように、仁美がやって来る・・・

仁美「さやかさん・・・やはり、上条君に告白なさったのですね・・・」

さやか「仁美?・・・ま、まあね・・・でも、まだ本命で言った訳では・・・」

仁美「いいえ・・・もういいですわ!・・・上条君にはさやかさんが本当にお似合いのことは、すでに存知していましたから・・・2人は幼さない頃から付き合ってきた仲ですものね・・・仕方ありませんわ」

さやか「仁美・・・」

仁美「でも、わたくしは平気です・・・今まで通りに皆様とお友達として接していきます・・・ですからこれからも仲良くしていきましょう・・・」

さやか「・・・仁美」

目が澄んだような微笑みで仁美が励ますと、さやかが動揺した。

 

そして、魅音がいつもの通り・・・まどか達の教室に来た。

魅音「みんな〜、ビッグニュ〜スだよ〜!」

レナ「あっ・・・み〜ちゃん?・・・どしたの?」

今回特別に、張りきる魅音がみんなに報告する・・・

魅音「実は言うと・・・マミさんが、たった今アイドルに抜擢されたんだって!」

まどか「えっ!・・・ホントに・・・すご〜い!!」

レナ「へへ・・・やったじゃない!」

さやか「さすが、マミさん!」

マミ「ちょっと、魅音さん・・・あんまりみんなに言わないで・・・」

魅音「あ〜ら、おめでたいことだのに、別に恥ずかしがることないじゃん・・・思い切って自慢しなよ!」

さやか「そうですよ、マミさん!」

マミ「アイドルに選ばれたとしても、まだタマゴだし・・・これから厳しいレッスンも待っているから正統派にはまだ遠いですよ・・・」

ほむら「いいえ、あなたなら上手く行きそうよ・・・スタジオレッスンの仲間達と一緒に楽しく頑張ればいい・・・」

マミ「ええ・・・そうだけど・・・」

ほむら「そして、歌手にもなってCDを販売するのよ!・・・売り上げランキング1位になるまで・・・」

マミ「ちょっと、そこまでむ〜り!!」

 ほむら「大丈夫よ・・・この調子で日本全国へまわって、会場でライブを開催するの」

マミ「ライブまで開催?・・・曲名はまだ決めていないのに?」

ほむら「曲名は、そうね・・・『恋のティーロ・フィナ〜レ』とかは、どうかしら」

マミ「ちょっと・・・暁美さん・・・話を勝手に決めていない?」

ほむら「あなたの歌手デビュ〜になったとしての例よ・・・そこまで実現させるの」

魅音「へえ〜、うらやましいな〜・・・おじさんもなっちゃおうかな〜」

さやか「魅音さんもアイドル歌手になるんですか?」

レナ「それってばあさんが許さないかもよ・・・」

魅音「う〜ん、そっか・・・く〜、残念だな・・・ばっちゃん、怖いもんな」

ほむら「何がともあれ順調にいっているようね・・・安心したわ」

さやか「よ〜し・・・今日はマミさんのデビュー祝いとして、放課後みんなでハンバーガー屋さんへ行きますか!」

まどか「うん、そうしましょうよ・・・あっ、ほむらちゃんも一緒に行こ!」

ほむら「ええ、ありがとう・・・でも、あいにく病院で定期診断があるの・・・」

仁美「わたくしも日本舞踊のお稽古がありますので、今日はご都合が悪いです・・・」

まどか「あら、残念・・・ねえ圭一君も一緒に行く?」

圭一「俺・・・金ないッスけど・・・」

魅音「もう、男がお金持っていないなんて情けないね〜」

圭一「今は、両親がしばらくいないし、しょうがないよ」

まどか「あっ・・・大丈夫よ、あたしが出すから・・・」

圭一「す・・・すまないな・・・」

 

戻る  続く

 


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