新編

魔法少女まどかマギカ

ひぐらしのく頃にの物語

10人の魔法少女達・・・

 

第9章

 


 

 まだまだ古手神社にて・・・

魅音「よし!・・・変身しちゃおうか!」

レナ「うん・・・その前に魔法に使う武器って、どんなものなのかな?かな?」

キュゥべえ「キミ達が今まで使用している武器でも大丈夫だよ!」

レナ「あっ、それはいいね・・・じゃあ、レナは鉈でいいかな?」

魅音「おじさんのは、拳銃2丁あるけど・・・」

キュゥべえ「う〜ん・・・園崎魅音のは、現役魔法少女も使用しているから追加する武器が出てくるはずだ・・・拳銃は魔法少女にとって基本的な遠距離武器になっているからね・・・」

魅音「数が多ければ、それだけ戦力も上がるしね」

キュゥべえ「武器は本人の使い次第で、強くなったり、弱くなったりもするのだからね・・・」

魅音「大丈夫だよ・・・こう見えてもおじさん達は、この村の部活メンバーと共に戦ってきたからね!」

キュゥべえ「それは頼もしいよ!・・・是非とも試したいものだ!」

魅音とレナは、早速変身モードに入った・・・レナは白色の半袖スーツに襟と背中には紫色のリボンで結び、頭に白色のグリンベレー帽子と茶色の厚底ブーツ、そして武器は鉈と従来の戦闘衣に対し、魅音は黄緑色のメイド風な感じで、首にレースを垂らしたチュチュスカート、ポニーテールには青色のリボンで結っている・・・拳銃を基本武器に背中には大型のブーメラン・・・遠距離専用の魔法少女だ!

また、変身した後のソウルジェムの形状は、魅音は卵型で胸元に、レナはおむすび型で左腕にそれぞれ装着している。

魅音「おお、可愛いじゃん!」

レナ「レナはいつものの戦闘衣装だね〜・・・」

キュゥべえ「これがキミ達の魔法少女に変身した姿だ・・・ソウルジェムだけはどんなことがあっても絶対に無くさないように・・・」

魅音「何か、力がみなぎってくる気分だよ!」

 

この時、魔女がやってくる・・・

 

 レナ「あっ!・・・ソウルジェムが光っているよ!」

 魅音「ホントだ!・・・おじさんのも光っている!」

キュゥべえ「これは魔女が近づいているから反応しているんだ!・・・恐らく、北西の方角に使い手が向かっているはず・・・早速、キミ達の実践が試される時だ!!」

魅音「北西だね・・・よ〜し、わかった!・・・レナちゃん、行こうか!」

レナ「うん・・・じゃあ、沙都子ちゃん、梨花ちゃん、羽入ちゃん・・・また後でね」

2人は沙都子達を残して、キュゥべえの案内する魔女退治へ向う。

沙都子「ああ・・・行っちゃいましたわね・・・どうしましょうか、梨花ちゃん!」

梨花「今はあの2人に任せるしかないのですよ」

羽入「大丈夫なのですかね・・・」

  3人は呆然としながら、古手神社の鳥居から出て行く彼女達を見送った・・・

 

  ちょうど夜になり雛見沢の釣鐘の音が鳴る・・・

魅音「北西の方角って、ちょうどこの辺だね!」

キュゥべえ「キミ達の神社を標的にしたんだろうね・・・ここも魔女が襲ってくる確率が高い・・・“神を憎む”とのいにしえがあるという説だ」

レナ「り・・・梨花ちゃんと羽入ちゃんが危ないところだったね!」

魅音「間一髪だったね・・・」

 魔女の世界に入り、キュゥべえが警戒していることに、2人の表情が引き締まる!

レナ「あっ!・・・いた!!・・・あれね!」

 レナが指さすと、峠の脇道(けもの道ともいう)に数匹の魔女の手下が現れた・・・

キュゥべえ「あれは、薔薇園の魔女の手下・・・気を付けて!・・・あいつは時々変身するんだ!」

魅音「あんたらにこの村は襲わせないよ〜!!」

 それを魅音が颯爽と立ち向かった・・・拳銃2丁を百発百中のごとく、次々と撃破していく・・・

レナ「へへん・・・ここはレナが相手よ!」

レナも自分の武器『鉈』を使って、向かってくる使い手を切り刻んでいく!

キュゥべえ「これは、すごい!!・・・頼りになりそうだ!」

キュゥべえは魅音達の戦力を観て、関心だった。

しかし残りの魔女の手下は、警戒心が強いためか、途中で身を隠す・・・

 魅音「ん?・・・消えた!?」

その時、釣鐘の音が再び鳴ると、後方から魔女の手下の不意打ちが来る!

 魅音「うわっ!!・・・」

レナ「大丈夫よ、み〜ちゃん!・・・任せて!」

魅音「レナちゃん・・・助かった!」

すぐにレナが魔女の手下を切り裂いていき、奇襲される魅音を助けた。

そして、この縄張りのアジトに薔薇園の魔女が現れる・・・5階建てビルくらいの高さだ!

魅音「ならば・・・このブーメランでお手並み拝見とするかな〜!」

レナ「ここは、2人コンビで行こうよ!」

最後に、魅音の大型ブーメランとレナの鉈の必殺技で薔薇園の魔女をも一瞬にして仕留めた!

消滅した魔女はグリーフシード化され、キュゥべえの生命の源となった。

キュゥべえ「これで、全員滅したね!」

レナ「えっ?・・・もう終わりなの?」

魅音「何か、あっけなかったね〜・・・魔法少女の職業って、ほとんど遊びみたいなものだね」

キュゥべえ「それだけキミ達が十分に強くなっている証拠だよ!・・・しかも訓練もしないでここまで圧倒するなんて、余程の実力だ!・・・キミ達の今後の活躍ぶりを期待しているよ!」

キュゥべえは円満な態度で2人を励ました後、姿を消していった・・・

 

その後ろで・・・魔女の気配を感じ取ったほむらが後からこっそりやって来た・・・

ほむら「いきなりソウルジェムの反応が途絶えたと思ったら・・・まさか、あの2人が!?・・・キュゥべえの奴め!」

  彼女達を魔法少女として契約させたことと、グリーフシードを自分の手玉に取ったことに下唇を噛む。

 

 一方、見滝原の展望台で・・・

杏子「相変わらずの町だな・・・魔女の気配がプンプンするよ!」

 キュゥべえ「まさか、キミが来るとはね・・・」

 杏子「何なのよ・・・ちょっと話がちがうんじゃない?」

キュゥべえ「悪いけど、このテリトリーにはもう新しい魔法少女がいるんだ・・・ついさっき契約したばかりだけどね」

杏子「何だそれ!・・・ちょ〜ムカツク!・・・」

自分の陣地を占領されることではなはだしくなった彼女はキュゥべえに睨み返した・・・

 杏子「でもさあ、こんな絶好の縄張り、みすみすルーキーのヒヨッコにくれてやるってのもシャクだよね〜?」

キュゥべえ「でも、彼女達の強さはハンパじゃないよ!・・・雛見沢村では、かなりの戦歴があったらしいからね」

杏子「あの田舎町の出身かい?・・・まあ、どれだけの実力か知らんがな・・・」

キュゥべえ「どうするんだい?・・・佐倉杏子」

杏子「決まってんじゃん・・・要するに、ぶっ潰しちゃえばいいんでしょ?・・・その子達!」

 陣地を邪魔する奴は、誰であろうと叩きつぶすことに容赦のない彼女は冷笑をする。

 

 たった今、あの陣地にレナのソウルジェムが反応した!

レナ「まだ光っているね〜・・・はっきりと・・・」

魅音「ちょっと、うちのは反応していないけど・・・どうしてなのよ?」

レナ「たぶん見滝原の方に、魔女がい〜っぱいといるのよ・・・きっと」

 この時、レナの瞳は冷め切っていた・・・何かに取り憑かれているような感じだった。

魅音「レナちゃん・・・少し様子が変だけど・・・(汗)」

レナ「大丈夫よ・・・レナは平気だから・・・たくさんの魔女を退治して、最後に願い事を叶うんだよ〜・・・」

 冷たい表情でつぶやいた後、颯爽と見滝原市へ向かって行った!

魅音「レナちゃん!?・・・あ〜もう!」

 ほっておけなくなった魅音も彼女の後を追っていく・・・

 

 ここで、1回目の『ひぐらしのなく頃に』が起る・・・

 

見滝原の街路樹・・・この静けさの夜が、突如不気味な喚き声で鳴り響いていた!

レナ「やっぱりいたよ〜!!・・・たくさんの魔女が!」

彼女の周辺には、落書きの魔女とその使い手が至る所に出現していた・・・

レナ「ぜ〜んぶ、葬っちゃうんだから〜!!」

 豹変して、向かってくる魔女達をこっぱみじんに切り裂く!

 レナ「まだまだだよ・・・こんなもの〜!!」

これは強い・・・気性の激しい彼女は完全に暴走しまくっていた!

 

 その一方・・・街路灯が光る路地裏で・・・

杏子「ん?・・・何か妙な気配が感じるな・・・胸くそ悪い!」

彼女が1人、何かを食べている最中に魔法少女としてのテレパシーが反応した・・・

レナ「えへへ・・・悪いけど・・・ここの縄張りは、レナがぜ〜んぶ頂いちゃうよ〜!」

この時、2人が対立する・・・

杏子「こんな時間にルーキーのお出ましかい?」

レナ「そしてグリーフシードはレナが全て奪う!・・・圭一君に捧げるために!!」

そう宣言した後、恫喝する杏子にいきなり襲いかかった!

杏子「くっ!?・・・上等だ!・・・相手になってやるよ!!」

レナの攻撃を交わして、変身した杏子も自分の武器で対抗する!・・・

 

杏子「何だよ、こいつ!・・・」

 槍と鉈の交叉する魔法少女同士の戦い・・・喧嘩の帰趨では負けていないが、レナの暴走行為には、やはり苦戦を強いられていた!

レナ「圭一君はレナのもの!・・・まどかちゃんには渡さない!!・・・」

杏子「もしかして同じ年かよ!?・・・何であたしが、こんな小学生じみた声の奴にてこずらなければならないんだ!」

レナ「レナをバカにしてはいけないよ!!」

ここで実力の差が出たか・・・あの杏子が体勢を崩した!

レナ「アッハハハ!!・・・とっどめ〜!!」

杏子「くそ〜!!」

 その時!?

魅音「もう、ここまでにしなよ・・・」

魅音が杏子の前にやって来て、彼女が斬ろうとする鉈を自分の大型ブーメランで食い止めた!

杏子「あんたは一体?」

レナ「どうして!・・・なぜそいつをかばうの!!」

魅音「落ち着いて、レナ・・・いい、今のあんたは支配されているの!」

レナ「レナが支配されているなんて・・・そんな・・・」

魅音「あの時・・・圭ちゃんと一騎打ちした時の頃を思い出してごらん?」

この時、レナは屋根の上で圭一と死闘した時のことに脳裏をよぎった・・・

圭一「もう一回いうぜ!!・・・俺に負けたら、俺専属のメイドになって、ご奉仕三昧の毎日だ!!・・・人前では『これが私のご主人様です』と招待するんだぜ!!」

レナ「可愛い服じゃないと嫌だよ〜」

圭一「そこは任せろ!!・・・監督の完全監視のもと、色々と取りそろえてやるぜ!!」

レナ「アッハハハ、すごいすごい!!・・・負ける気なんてさらさら無いけどね〜!」

しばらく2人が対戦する・・・

圭一「次はレナが勝った番だ!」

レナ「え?・・・」

圭一「レナが勝ったら、俺はレナの話を信じる・・・世界は宇宙人に支配されていることを・・・おまえが喉を刈って死んだとしても、最後はちゃんと見といてやるから安心しろ」

レナ「わたしも・・・圭一君と同じご褒美がいいな〜・・・」

圭一「俺がメイドかよ〜!!!」

レナ「別にメイドじゃなくってもいいよ・・・」

圭一「・・・」

レナ「朝はわたしにおはようって・・・夜はわたしにおやすみって・・・いっぱいわたしにやさしくして、いっぱいわたしに楽しくしてほしい・・・これじゃあ・・・わたしが勝っても圭一君が勝っても、結局同じになるんだよね・・・」

レナ「つまり、どっちが勝っても同じだってこと?・・・」

魅音「そう・・・同じ結果、何も解決しない・・・あんたは、自分の叶えたい欲望につられて支配されているの・・・キュゥべえが言ったはずだよ、相転移だって・・・ここで希望に切り換えるんだ!」

レナ「うう〜ッ!・・・いやあああああ!!!」

魅音「レナ!!・・・大丈夫!?」

杏子「・・・!?」

レナ「ああああ!!」

 感情が急変したせいか・・・気が動転してしまった彼女は、カナリア声を出しながら大声で喚いた。

ほむら「少し遅かったかな・・・かなりの情緒不安定だ!」

魅音「ほむらちゃん?・・・やはりあんたも魔法少女だったの」

ほむら「成り行きでね・・・それより、今は竜宮レナを少し休ませたほうがいいわ!」

魅音「ええ・・・勿論よ」

キュゥべえ「ふ〜む・・・どうやら彼女にとって、このソウルジェムの効き目は強すぎた・・・余程の精神力が低いのか、狂化されやすかったんだね・・・」

密かに・・・その戦況を一部始終と見ていたキュゥべえが、レナのソウルジェムを別のものと取り替えた・・・

ほむら「キュゥべえ!!・・・一体この2人に何の理由で魔法少女にした!」

キュゥべえ「勿論、彼女達の能力が十分に高いから契約を結んだんだ・・・しかも過去に戦歴もあったからその強さは絶大だ!・・・それに今は強い人のほうが有益だからね・・・それだけグリーフシード化するのも高級になることだし・・・ボク達のエネルギー源になるしね」

ほむらが問い質すと、それとはお構いなしに自分の本音を平気で主張した。

ほむら「やっぱり、お前を見放しにしたのが間違いだったようね・・・」

その答えを聞いたほむらが、キュゥべえに対して容赦なく銃を数発撃ちこんだ!・・・無惨にもキュゥべえは体中に打たれた分だけの穴が空いてしまった!

魅音「あんた、怪我なかった?」

杏子「ケッ!・・・余計なお世話だ!!・・・要らんことしやがって!・・・あんな奴、あたし1人でも十分に勝てたぜ!!」

魅音「可愛くないね〜!」

杏子「別に助けられる義理もねぇけどよ・・・礼の代わりとして、これだけは忠告しておく!」

魅音「何よ?」

杏子「今のあんた達でも、あの『ワルプルギスの夜』だけは絶対に倒せない・・・」

魅音「ワルプルギスの夜?・・・何だそれ?」

杏子「まあ、契約したばかりのルーキー共には知らないほうが身のためってもんかな・・・せいぜい用心しておくんだね・・・」

 と・・・憎まれ口をたたきながら路地裏から去っていった。

ほむら「あなたにもうひとつのお願いがあるわ・・・」

魅音「え?・・・なあに?」

ほむら「人間不信から回復するまで、彼女をしばらくは見守って欲しい・・・当分時間がかかるから・・・」

魅音「大丈夫よ・・・任せて」

ほむら「それと、ソウルジェムは普段は閉まっておいたほうがいいわ・・・消耗すると戦えなくなるから・・・」

魅音「ええ・・・アドバイス、どうもありがとう」

魅音は気を失っているレナを背中でおんぶして、ほむらと一緒に帰った。

そして・・・

キュゥべえ「やれやれ・・・・暁美ほむら・・・彼女はなんて扱いにくい女なんだろう・・・そんなに怒ったとしても、何も解決しないだろうに・・・」

みんなが去っていくと、影となってこつ然と現れたキュゥべえが、打たれた自分をぱくぱく喰って元通りになった。

 

戻る  続く

 


TITLE