新編

魔法少女まどかマギカ

ひぐらしのく頃にの物語

10人の魔法少女達・・・

 

第10章

 


 

 翌々日・・・自宅から登校する前・・・

朝早く、大石警部からの電話が来ていた・・・

圭一「何!?・・・知恵先生が2日も帰って来ていない!?」

「「ああ・・・今、両親から連絡がありましてね・・・学校や公民館にも音沙汰が無くてね・・・それで、前原君に心当たりが無いかと思って聞いているのですが・・・」」

圭一「いいえ・・・今は別の学校に通っていますから・・・」

「「そうか・・・わかった・・・まだ2日だからの〜、失踪まではいかないだろうし・・・じゃあ君はこのまま、学校へ行ってくださいな」」

圭一「どうもすみません・・・」

 彼女の行方を捜索しようと尋ねたが・・・唯一の彼からも手がかりがないことで難航する。大石警部は専用車に無線電話を戻して他を当たって行った・・・

圭一「知恵先生・・・一体どうしたんだろう・・・」

 雛見沢村に行方不明者が出ていることを聞いて少し不安な気持ちになってきた。

 

 見滝原中学校のSHR・・・

早乙女先生「皆さん!・・・卵焼きとは固焼きですか?・・・それとも半熟ですか?・・・はい中沢君!」

  「どちらでも・・・いいんじゃないっすか?」

早乙女先生「そう・・・どちらでも宜しい・・・え〜と・・・恋愛というのは、フラグを立ててからの始まりと直で始まる2つの好意とがありますが・・・そもそも自分の本能が半熟卵のような人は、それだけ縁結びが薄いと聞きました・・・たかが卵の焼き加減なんかで女の魅力が決まると思ったら大間違いです!・・・皆さんもご存知ですか?」

ここの担任は、学活を始める際に必ず恋愛の結果論とやらを進めてくる。毎日と平和な教師だ・・・

圭一「レナの奴は休みなのか・・・」

 少しだけ目をそらすと、机が一箇所だけ空いているのが目立った。いつもなら両手に首を下ろしながら教卓を見つめている彼女の姿は、今日だけは椅子が閉じたままになっていた。

圭一「転入して10日か・・・雛見沢分校は、どれだけ工事が進んでいるのだろうか?・・・」

校舎半壊に次いで担任の行方不明・・・何か関係があるのだろうか・・・毎度のように事件の起こりうる雛見沢村で、彼は顎に手を差しながら思考する。

圭一「その前に転校できるかな、俺(汗)・・・しかし一昨日は、ほむらが追試と引き換えに魔女退治をお願いされたが・・・ここは引き受けるべきか!・・・それとも・・・」

早乙女先生「こら!・・・前原君、静かに聞きなさい!!」

圭一「あ(ギクッ)・・・はい!」

いきなり腰を抜かして、ぶつぶつ独り言を言い続けている最中に早乙女先生からの激怒が来た!・・・その怒号を受けると、椅子の不気味な音を立てながら俊敏に姿勢を正す・・・彼のふためく姿を見て、クラスのみんなが微笑している・・・

この時、圭一はほむらと視線を合わせた。

 

その休み時間・・・屋上のテラスでほむらと会う・・・そして2人だけの空間で、彼女が冷静な口調で尋ねてくる。

 ほむら「どう?・・・魔女退治の決心はついた?」

圭一「あ、ああ・・・」

ほむら「良かった・・・では放課後、見滝原の繁華街で待っているわ・・・」

自分の見た悪夢がこれから進行していくのか・・・返事ははっきりしなかったが、それでも彼女はしっかりと受け入れた。そして、クールな笑みを浮かべて、静かに戻っていった。

圭一「結局、引き受けてしまったか・・・さて、どうするか・・・」

 

 その放課後・・・

まどか「あっ、圭一君・・・今日は、あたしん家でお勉強を・・・」

 圭一「わ、悪い・・・今日も大事な約束があって、待ち合わせしている人がいるんだよ」

まどか「ホントにそうなの?」

圭一「本当だって・・・夕方までに戻って来るから・・・それまで校門で待ってくれないか?」

まどか「圭一君・・・うん、わかった・・・きっとよ」

圭一「すまない・・・」

 と言った後、廊下を走って行った・・・途中で別クラス担任の怒鳴り声もかかったが、それもお構いなしに去っていく・・・

まどか「どうしかのかな・・・」

 腕を組みながら心配そうに見つめた。

 

 一方、学校帰りに1人のアイドル候補生がスタジオレッスンへ向かう最中・・・

奈津子「はぁ〜・・・今日も頑張らなくては!」

 その時・・・

 奈津子「きゃあ!!」

通り魔事件が起きたかのように、いきなり腹を殴られた!

 レイリー「フン、マミの親友のようね・・・この子も魔女化にして、陥れてみるのもいいかもね!」

神出鬼没か!・・・冷笑しながら気絶した彼女を担いで行く・・・ここで2度目の事件が起こる。

 

マミ「あら、お守りの紐が切れた・・・何か不吉な予感がするわね・・・」

この時、彼女のバッグに吊り下げてあるお守りが落ちた・・・亡くなった両親の形見のお守りである。

マミ「今日のメニューはダンスだけど・・・またみんなと楽しく練習しようかな」

落ちたお守りを手にとって、スタジオレッスンへ向かった・・・

  しかし、その場所で予想もしない結末が・・・

マミ「どうも、遅れてすみません!・・・学校の生徒会で忙しかったのですから・・・」

  「フフフ・・・遅いね!」

マミ「あら・・・みなさん、どうしたの!?」

マミが事務所に入ると、そこには仲間達の笑顔が冷め切っていた表情で挨拶する・・・

奈津子「おはよう・・・マミ〜! 今日からレッスンのメニューが変わるのよ!」

変貌した奈津子の奇襲により、マミがロープで縛られた!!

マミ「なっちゃん・・・どういうこと?・・・どうして、こんなひどいことをするの!」

 指導者「この子達、事務所に来た時から、様子が変なの・・・」

奈津子「別にあたし達は普通よ・・・縛られての忍耐力を養うための特訓なのよ・・・フフフ!」

マミ「あなた奈津子じゃない!・・・先生も縛り付けてまで特訓なんかじゃないわ!・・・何者なの!?」

 奈津子「実はね・・・あなた達を生贄にするためにたった今、魔女化したの!!」

マミ「そんな〜・・・」

指導者「マミ!!」

2人は、なすすべもないまま驚嘆した。

 奈津子「勿論、知っているわよ!・・・巴マミ!・・・あなたがすでに魔法少女であることをね!」

先生「マミが魔法少女?・・・」

マミ「くっ!!」

奈津子「あたしもたった今、四天王として受け継がれちゃたのよね!」

マミ「ダメよ!・・・あなたは、操られているの!・・・お願いだから、目を醒まして!!」

奈津子「はっきり言って・・・あなたが正直羨ましかった・・・」

マミ「え?・・・」

奈津子「あなたのスタイリッシュな姿と美肌、そしてダンスの華麗な捌き・・・どれもあたしの方が見劣りしている・・・いずれ、抜かれてアイドルの座を取られることが悔しかった・・・」

マミ「そんなことないわ!!・・・あなたも一生懸命に頑張っているじゃない・・・リーダーとして仲間を引っ張っているじゃない!・・・女優は容姿なんかじゃない!・・・前向きな努力と仲間との協調性が最も大事だと思うの!!」

奈津子「もう戯れ言はここまで・・・さあ、この2人を魔女の生贄へ!」

奈津子の合図でレッスンの仲間達がすかさず結界を広めてマミと指導者の女性を裁断しようとする!

マミ「ロープで身動きが出来ない!・・・もうダメ〜・・・」

変身が出来ないまま絶叫するその時!

ドカ〜〜ン!!!

 2人の危機に気付いた富竹が睡眠薬入りの手榴弾で魔女化した奈津子とレッスンの仲間達を気絶させた。

富竹「大丈夫か!・・・今助けてあげるからな」

マミ&指導者「すみません・・・」

 そして、縛られている2人のロープを手早くほどいた。

富竹「ともかく、今はここから離れよう!!」

マミ「ええ・・・(なっちゃんがどうして魔女なんかに・・・)」

 富竹は解放したマミとレッスン指導者の女性を車に乗せて仲間の場所へ連れていく・・・

 

圭一「ん?・・・あれはトミーの車じゃないか!・・・誰かが乗っているようだけど・・・あんなに飛ばして、何かあったのかな?」

 その時、圭一は街の道路で暴走している富竹の車とすれ違った。運転中の彼は圭一が走っている姿には気付かなかった。

マミ「(あら・・・前原君だわ)」

 車の後部座席で座っているマミが彼に気付いていた。

 この後、2台のパトロールカーがぶっちゃけサイレンを鳴らして別ルートの道を走行していた・・・

圭一「一体何が起こったんだろう・・・もしかして!?」

ほむらが言っていた魔女の仕業だろうか・・・怪奇現象な事件で警察官が解決できるようなものではないと思うが・・・

圭一「そんな訳ないか・・・」

 かといって、まんざら起こったとも言えないが・・・

 

 そして、道に迷いながらもようやく繁華街へたどり着いた・・・

圭一「この街、以外にゴージャスだな〜!・・・さすがに都会だ・・・」

歩きくたびれてしまい、顔がしょげていた・・・

ほむら「あら、学校から結構近いはずだけど・・・」

圭一「せめて道のりぐらいは教えてくれよ〜」

ほむら「ごめんなさい・・・お気づきになれなくて・・・その前に合わせたい人がいるの・・・一緒に来てくれる・・・」

圭一「お、おう・・・」

 圭一は彼女と一緒について行った・・・あの奇異先晩な事件は、こんなにぎやかな街に起こるのだろうか・・・

 

 繁華街にあるアミューズメントで・・・

杏子「ほ!・・・ほ!・・・やあ!・・・へん、チョロいね!!」

放課後のためか、店内は客でにぎやかだった・・・その中で杏子が1人ダンスゲームにはまっていた。

ほむら「佐倉杏子・・・ちょっといいかしら?」

杏子「何だよ・・・またお前か?」

 何度も尋ねられることに言い飽きる杏子がチョコポッキーを銜えながらゲームに集中している。

ほむら「『ワルプルギスの夜』・・・もうすぐやって来るのは、御存知よね・・・」

杏子「ああ、知っているよ・・・舞台装置の魔女でしょ!・・・それで手を貸してとも言いたいの?」

ほむら「ええ・・・」

杏子「なれなれしい答えだな!!・・・言っておくけど、あのヒヨッコ共と組むのはお断りだぜ!」

ほむら「いいえ・・・今日は、また別の仲間を連れて来たの・・・」

杏子「はぁ?」

圭一「こいつが佐倉杏子だっけ?」

ゲーム続行中の彼女は、圭一と視線を合わす。

ほむら「紹介するわ・・・彼は前原圭一、最近転校してきたばかりで、今は私のクラスメート」

杏子「ふ〜ん・・・」

しかし、嘆息だけで一瞥もせずにゲームをする彼女・・・異性には関心がないのだろうか。

ほむら「今後の作戦の件で、お話がしたいの・・・ここにいては気まずいから、少しだけ付き合ってくれないかしら?」

杏子「ゲームはもうすぐクリアする!・・・このお菓子が食べ終わるまで、待ってくれ!」

ほむら「ええ・・・」

 ステージ進行と銜えているチョコポッキーをタイミングよく食べ尽くそうとする杏子・・・そこで、反対に振り向いて・・・

杏子「これでも、食うかい?」

 にっこりしながら、ポケットの中からパッケージ包みのチョコポッキーをいきなり差し出した。

ほむら「ええ、頂くわ・・・」

圭一「おお・・・サンキュ〜!」

 2人は、遠慮無く食べた・・・

 

 いったん繁華街から出て、機嫌を取ろうとジュースを2人におごったほむらが、人気のない静かな見滝原公園で打ち合わせる。

杏子「で・・・話ってのは、今いるメンバーで魔女退治を始めることなのかい?」

ほむら「そうよ・・・今回は彼にも協力させてもらうの・・・」

圭一「しかし魔女ってのは、夜に出現するものなのか?」

ほむら「そうね、主に夜が多いわね・・・『暗闇で活動するこうもりみたいなもの』と例えたほうが理解しやすいはず・・・」

杏子「どういう風の吹き回しだか知らんが、何かあたし達を見くびっているとしか思っていないんじゃないの・・・別にあんな魔物なんてあたし達だけでも、どうにか出来るだろう!」

ほむら「だけど『ワルプルギスの夜』だけは違うわ・・・残忍でとても危険な魔女・・・下手すると命落とすことはあなたも知っているはずよ」

圭一「(最大最悪の魔女って『ワルプルギスの夜』なのか?・・・)」

 表情が強張る圭一は雛見沢分校が半壊されたことで思考する・・・事件を起こしたのは、魔女の仕業なのか、そして知恵先生の行方不明も・・・!?

杏子「ま、男子が助っ人なら、貸しがいいよな!・・・あんなヒヨッコ共よりは、十分にマシってわけだ!」

ほむら「彼は雛見沢村でも、数多の悪道を退治した戦歴もあるらしいよ」

杏子「ほう〜・・・そりゃ、すげ〜じゃん!!・・・じゃあ、3人でいいってことだよな」

ほむら「魔法少女は、仲間がより多いほうが有利に戦えるけど・・・彼がいるなら、絶対に行けそうよ」

杏子「そんなら魔法少女に変身して3人で攻め込むことに決定だな!」

 圭一「ちょっと待て!!(ツッコミ)・・・お、俺も『魔法少女』になるってのかよ!?」

 杏子「別にいいじゃん・・・仲間になってやるっていってんだ!」

ほむら「あのね・・・必ずしも『魔法少女』になるわけではなくて、変身して魔法使いにならないと魔女が見えないの」

 圭一「なんだ、そうか(汗)・・・(俺が『魔法少女』になっちまったら雛見沢のみんながどんな顔するやら・・・)」

意表を突かれる圭一はとんだ勘違いを言った。さすがに、これだけは想像もつかなかったのか?・・・聞いた話では、”魔法使い”てのは『魔法少女』だけとは限らない・・・ロールプレイングゲームだって、男の魔法使いだっていることだし・・・ただ、魔女退治なら『女の魔法使い』のほうがイメージ強いよな・・・男が魔女退治ってのはやはり抵抗感じるな・・・

 

その時、魅音達が圭一を呼びにやってくる。

 魅音「あっ!・・・圭ちゃん!・・・やっと見つけたよ」

 梨花「圭一・・・」

 圭一「魅音、梨花・・・こんなに慌ててどうしたんだ?」

 魅音「レナちゃんが、入江診療所で休養中でね・・・それで圭ちゃんにもお見舞いに来て欲しいと頼まれたの」

 圭一「梨花人で来たのか?・・・羽入は!?」

 梨花「羽入はレナの看病中なのです・・・」

 圭一「おい、まずいぞ!・・・あそこには!?」

 魅音「大丈夫・・・詩音も一緒だから・・・」

 圭一「ならいいけど・・・」

 杏子「何だよ・・・人の作戦会議中に邪魔すんじゃねー!!・・・部外者は、はよ帰れよ!!」

 魅音「こっちも圭ちゃんに用事があって来たの!」

 圭一「まあ、喧嘩はやめなよ・・・レナが一昨日から入院しているなら、むしろそっちのほうが大事だし・・・」

 杏子「こっちだって、大変なことが起こる事態なんだぞ!・・・何のための作戦会議かわかるだろ!!」

 ほむら「その前に杏子・・・お菓子落としているわよ」

 杏子「あっ!・・・しまった!」

怒りをあらわにした反動で、自分の食べ残しているチョコレートが地面に落ちてしまった・・・

 杏子「くそ!!・・・食べられないじゃんかよ〜!!」

 梨花「大丈夫なのです・・・“ふ〜ふ〜”って、汚れを吹き飛ばせば、ちゃんと食べられるなのです〜・・・にぱ」

梨花はそれを丁寧に払いながら、美味そうに食べた。

 杏子「・・・おまえも食べ物の大事さが分かる奴だな〜、気に入ったぜ!」

 梨花「うん・・・チョコレート大好きだから・・・羽入の分も残していくなのですよ・・・」

  そして、食べ残しのチョコレート1切を自分のふところに入れた。

 杏子「じゃあ、これも持っていきなよ・・・」

感心する杏子がポケットから沢山の駄菓子も彼女に手渡した。

 梨花「わあ〜、ありがとうなのです・・・にぱ☆」

うれしさ余りに喜ぶ彼女の笑顔は何だかいじらしくなってきた。

 圭一「まあ、人徳って奴かな・・・普段の梨花はいい子だしな・・・もう人の奴とは違って・・・」

その時!・・・

 圭一「わあああ〜・・・何だ何だ!!」

突然目隠しされて驚嘆する・・・

 沙都子「おほほほ・・・びっくりしましたかしら、圭一さん・・・これで、今まで分の仕返しはチャラにしますわよ〜」

 圭一「な〜にが“チャラ”だ!!・・・こんのおお、沙都子!!・・・この前はよ〜くも!!!」

 沙都子「いたたたたッ!!(涙)」

こっちの女の子は逆に可愛げさがない・・・憤慨する圭一は、沙都子のほっぺたをとことんつねりまくった!

 魅音「こらっ、いじわるはよしなよ!・・・また罠しかけられるよ!」

 圭一「だってよ・・・こいつのおかげで、俺は学校で散々な目にあったんだぞ・・・あっ、待て!!」

突然沙都子が逃げ出してしまい、それを圭一が追いかけるが、そのスキに・・・

 圭一「おおおっと!!・・・芝生が盛り上がっている・・・これも細工した明らかな罠だな!」

  フェイントをかける圭一は不自然な芝生を上手く避けたが・・・

 沙都子「残念(べ〜)・・・これはトラップではありませんわ・・・ほらほら」

はずれだった・・・挑発しながら、盛り上がっている芝生を足で踏み叩いた。

 圭一「くそ〜・・・うわっ!!・・・あちちちっ!!!」

パパパンッ!!!・・・と彼の地面から、いきなりの発砲が鳴りまくっていた!

 魅音「ほ〜ら、言わんこっちゃない・・・」

 沙都子「おほほほ・・・大成功ですわ!・・・カンシャク玉を仕掛けたのですわ!」

 圭一「またしても、こいつは・・・」

 杏子「おいおい・・・お前ら、さっきから何遊んでいるんだよ!」

 魅音「あっ、そこ危ないよ!」

 杏子「え?」

パパパンッ!!!

 杏子「きゃあ!!」

 沙都子「あ〜ら、ごめんなさい・・・『カンシャク弾トラップに要注意』ですわ」

 杏子「このガキッ!!」

爆竹のような被弾を受け、堪忍袋の緒が切れた・・・

コ〜ン!!!・・・ズボッ!!

 杏子「げぼっ!!☆」

木の下にいることに気づけなかったのか、上部の枝からアルミ製のたらいが彼女の頭を直撃した後に穴に落ちた・・・

 沙都子「まだまだ、甘いですわね・・・おほほほほ!」

完全勝利を喫したかのように、高笑いしながら彼女に告げた。

 杏子「ちょっと、圭一!!・・・こいつ一体何なんだよ!!」

  杏子も沙都子のトラップにはめられてしまい、頭のこぶと衣服の汚れた状態で圭一にツッコミ出した・・・

 圭一「俺に聞かれてもどうすることが出来ないんだよな・・・今までやられてきた身だしな・・・まあ、彼女流の挨拶だと思えば、その内仲良くなれるんじゃないの」

 杏子「冗談じゃないよ!!・・・あいつと仲良くなんてゴメンだ!!」

杏子がそう喚くと・・・

 杏子「うわあっ、何だよこれ!?」

 これはまたしても秘技“三重トラップ”か?・・・自称“罠仕掛け策略家”の沙都子は隠し持っている無線コントローラーを使用して、仕掛けた網が杏子を包囲して、木の枝に吊り下げた。   

 沙都子「どうですか?・・・わたくしと仲良くなりますか?・・・それとも・・・」

 杏子「わあっ・・・わ〜た・・・わ〜たよ!・・・仲良くするから、この網ほどいてくれよ〜!(涙)」

 魅音「何て強引な仲直りの仕方なの・・・あの杏子をここまで仕掛けるなんて、今日の沙都子ちゃんはすごいな・・・」

  網にもがき暴れる杏子を見て、魅音は唖然とした・・・

 ほむら「そういえば・・・あなたとは、まだ挨拶していなかったわね・・・私は暁美ほむら・・・今だけ前原圭一とは同じクラスよ」

 梨花「古手梨花なのです・・・よろしくお願いします・・・」

 魅音「それより圭ちゃん・・・早くレナちゃんのところに行ってあげてよ!」

 圭一「ああ・・・わかったよ・・・後はよろしくな」

 

戻る  続く

 


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