新編

魔法少女まどかマギカ

ひぐらしのく頃にの物語

10人の魔法少女達・・・

 

第11章

 


 

圭一が抜けだした後、杏子が梨花達に自分の真実を教える。

 杏子「あんたら・・・魔法の力ってどういうことなのか、知っているかい?」

 魅音「え〜と・・・確かキュゥべえから聞いたよ〜な・・・人間の潜在しているエネルギーを引替に願い事を叶う不思議な力・・・よね」

 杏子「魔法なんてさ・・・本当は危険なものなんだ・・・」

 魅音「レナが狂暴したことも?」

 杏子「ああ、人間からソウルジェムへ憑依した魂は洗脳されやすいんだ・・・」

 梨花「僕の魂も羽入と感覚リンクされているなのです・・・親が神社の主でその先祖代々の神が羽入なのですよ」

 ほむら「雛見沢にある古手神社のことね」

 杏子「フッ・・・あんたらに、いい場所教えてやる・・・ついて来いよ!」

梨花の癒し系表情に気に入る杏子は、自分の居場所を案内する。

 沙都子「教会ですかね・・・」

 魅音「誰もいないの?」

 杏子「これは『最後の審判』だ・・・あたしさ、親父に夢を叶えさせようと魔法少女になったんだ・・・ずっと前からだよ」

 魅音「へえ〜・・・親孝行だね〜」

 杏子「その願いが逆に家族を失ってさ・・・危険の知らないまま魔法少女になったことを何度も悔やんだことがあった・・・」

 ほむら「そのために魔法の力を自分のためにしか使用していなかった・・・そういうことね」

この時、杏子は自分が獲得した沢山のグリーフシードを披露する・・・それを梨花と沙都子が珍しそうに注視する。

 杏子「魔法なんて商売あがったりでさ・・・結局は自分の欲望で願いを叶うためのことしかわからないんだ!・・・そういう奴らを見ていると、何だか許せなくてさ!」

 ほむら「その理由で憎悪になるのは、過小に認めるわ・・・でも、皆が同じ想いで願望する訳じゃないから・・・私は過去の惨劇を覆す目的で魔法少女になった・・・今回は前原圭一を仲間にしてね・・・」

 沙都子「とにもかくも、疑心暗鬼はよくありませんわよ」

 杏子「なんだよ、てめえ〜・・・生意気な口言いやがって」

 魅音「でも、圭ちゃんが魔法少女って、どんな格好になるのかね〜・・・くすくす」

  魅音は圭一が魔法少女になった姿を想像した・・・まどかのフリル衣装を着用した姿を覚える。

 ほむら「あなた、自分の空想が破綻されてない?」

 杏子「早くあいつを連れてこねーと戦えねんだろ・・・戻ってくるんだろうね!」

 梨花「圭一は仲間意識が高いから、きっと大丈夫なのですよ」

 

 雛見沢村の入江診療所・・・

 詩音「だいぶ具合がよくなったんじゃない・・・熱も下がってきているしね」

 小さな病室でレナの看病をしたいた・・・羽入はオヤシロパワーで彼女の容態を回復させている。

レナ「そう・・・」

 詩音「おねぇが圭ちゃんを呼びに行っているから・・・」

レナ「圭一君が来るのね」

 彼が来ることにレナが反応する・・・

 羽入「う〜〜〜〜ん!」

詩音「羽入ちゃま、あんまり使いすぎたら、体バテるよ・・・」

羽入「あうあうあう・・・疲れたなのです・・・」

念力を唱えすぎて、めまいをした羽入が横たわった。

 

一方・・・診療所の医務室では、入江先生が鷹野三四にレナの容態を診察させるようにお願いした。

 入江「鷹野さん・・・レナさんに検温と血圧を・・・」

 鷹野「ええ・・・かしこまりました・・・」

 何か企んでいるのだろうか・・・仕事では大抵は無口だが、この時の彼女の不自然な様子に、先生も気になり始めた。

 鷹野「失礼します・・・」

  そして、レナの病室に鷹野が来室した・・・

詩音「あなたは!?」

羽入をガードしつつ、警戒する詩音が彼女の前に尋ねる。

 鷹野「ちょっとだけ、竜宮さんの診察を行うだけよ」

詩音「そうですか!・・・では見守っていますから速やかにお願いします!・・・(羽入ちゃま・・・逃げて・・・)」

羽入「(あっ!・・・はいなのです!)」

詩音が小さな声で指示を出すと、彼女はすかさず病室から逃げた・・・

羽入「助けてなのです・・・僕はあの女が嫌なのです・・・(涙)」

鷹野から離れるために巫女服の姿で必死になって走る彼女・・・しかし・・・

 羽入「ああ・・・」

 「フフフ・・・作戦大成功(ニヤ)・・・」

途中でうつろな表情になった羽入は、何者かによって支配された・・・鷹野の罠なのか・・・その事件は誰もが気付けない・・・

 

 その一方で・・・雛見沢停留所に下車した圭一は、レナのお見舞いに入江診療所に来たのだった・・・

圭一「ふう〜・・・診療所にたどり着いたか!・・・見滝原公園からは、そう遠くないかな・・・むしろ俺の家からのほうが遠いかも・・・」

 彼が病室に入ると、やはりベッドで横たわっているレナと制服姿の詩音がいた・・・

詩音「あっ、圭一君・・・ちょうど良かったよ・・・」

 圭一「ああ・・・魅音と出会ったよ・・・それでレナの容態は?」

 詩音「順調だって、明日までには退院するようよ」

圭一「そうか・・・良かったな」

 レナ「圭一君・・・」

  この時、女の子のような可愛い声でつぶやく彼女の表情には哀しみの瞳が見えた・・・お見舞いに来たことに顔色が良くなってくる。

 圭一「ところで、羽入はどうした?」

詩音「鷹野さんが診察に来た時、上手く逃がしてあげたよ・・・」

圭一「ならば、大丈夫だな」

詩音「じゃあ、うちはここで失礼するね・・・悟史君との約束があるから・・・」

 圭一「またな」

詩音が帰って2人きりになった病室・・・圭一の見滝原中学の制服姿とレナの寝間着姿は、今までとは違う感じの2人を覚える。

 圭一「ん?・・・レナ、それは」

この時、圭一は寝台のロッカーに置いてあるいくつかの黒い水晶玉を見つめた・・・一昨日の夜にレナが魔女を仕留めた分の数量が置かれてある。

 レナ「あ・・・これはね・・・グリーフシードと言うの」

 圭一「何だよ、それ?」

 レナ「よくわかんないけど・・・このソウルジェムと何か関係があるのかも・・・」

 圭一「そんな物、どうして持っているんだよ!?」

 レナ「それは、その・・・レナね、魔法少女になったの」

 圭一「何だって?」

 レナ「ゴメンね、黙ってて・・・でも、どうしても言えなかったの・・・ほむらちゃんが内緒にしておいてって、魔女の事件のことも・・・」

 圭一「・・・」

 レナ「魔法少女になって、最後に願い事が叶えられると聞いたから・・・だから・・・(涙)」

 圭一「俺もほむらから聞いたよ・・・最強の魔女がこの村や町に襲ってくるらしいってね」

レナが哀しみ涙で打ち明けると、圭一もその状況に応える。それでも彼女はどことなく憂鬱な感じだった・・・

 レナ「圭一君・・・レナって変な奴かな・・・」

 圭一「何が?」

レナ「レナね・・・圭一君がまどかちゃんと一緒になっているって言ったから・・・変に誤解しているから・・・」

圭一「別に気にしてなんかいないよ・・・レナは明るく献身的であればいい・・・それがお前らしいからな」

 レナ「そうね・・・良かった・・・」

彼女にようやく笑みが見えた・・・幼い少女のようなあどけない表情は何だかいじらしく感じた・・・

しかし圭一は最も肝心なことを忘れていた・・・

圭一「あっ、しまった!!・・・俺、まどかを待たせているんだった!!」

 レナ「どういうことなの?」

 圭一「今日、一緒に勉強するって約束だったんだ!」

突発に思い出した圭一が病室から出ようとする時、寝台から起きたレナが彼の腕をおもむろに捕まえる・・・

 レナ「待って、圭一君・・・」

 圭一「レナ・・・」

レナ「もう少しだけ、そばにいて・・・レナ、圭一君がいないと明るく振る舞いできないよ・・・」

圭一「わ・・・わかった、もう少しだけ待とう」

レナ「出来れば・・・今日ずっと・・・圭一君と一緒がいいの・・・」

圭一「ふ〜・・・(どうする俺)」

  やはり嫉妬しているのか・・・レナの哀しみと甘い声の響きに圭一は逡巡した。

 

まどか「圭一君、遅いな・・・」

 その時、まどかは校門でじっと待っていた・・・

まどか「何かあったのかな・・・」

 彼女が見上げると空はすでに夕暮れになっていた・・・そして、ついにあの人が彼女の前に現れた!

 レイリー「あ〜ら・・・誰かと待ち合わせしているの?・・・」

まどか「ええ・・・なかなか来なくって・・・」

レイリー「随分綺麗だね・・・」

 才色兼備の彼女をレイリーが羨ましそうに見つめる・・・

レイリー「頭良い方?」

まどか「あたし・・・う〜ん・・・普通かな」

レイリー「もの控えめな感じなのかね・・・聞くところ、アンタって成績学年トップクラスの実力じゃないの」

まどか「えっと・・・それは、その・・・」

レイリー「校内でも屈指の優等生・・・羨ましい身分だ・・・まあ、それはさておき・・・この時間まで来ていないことは・・・恐らく、別の女の子と一緒に途中で帰ったかもしれないよ〜」

まどか「でも、約束しているから・・・きっと来るはずだよ!」

レイリー「フン、諦め悪いわね・・・アンタの勉強について行けないから、それが嫌で来ないんじゃないの?」

まどか「そんな・・・お勉強を教えてあげているのに・・・その理由で圭一君があたしのことを嫌いになっているとでも言いたいの?」

レイリー「へえ〜、彼に勉強を教えているんだ?・・・なら尚更来るわけないじゃない、あの落ちこぼれが・・・今、何時だと思っているの?」

  この時、レイリーは冷たい視線で答える・・・

まどか「もしかして・・・本当に・・・来ないの・・・」

 レイリー「そう・・・来ないの・・・あいつに敬遠されているの・・・だから待ってもキリがない・・・フフフ!」

  完全に嫌われていると思い込んだまどか・・・残酷な告げ口を言って唆す・・・確実に彼女の罠だ!

 

 一方、レナからようやく開放した圭一は診療所から脱出した。

圭一「レナの付き合いに、だいぶ時間がかかった・・・待ってくれたらいいんだが・・・」

 まどかを待たせていることで危機感を抱いた圭一が大急ぎで待ち合わせ場所へ向かう・・・

 

 そして息を切らした彼が、ようやく見滝原中学校にたどり着いたが・・・

圭一「まどか!・・・まどか!!」

 必死になって声をかけるが、本人は何処にもいなかった・・・

 その時・・・

キュゥべえ「少し遅かったようだね・・・残念だけど、たった今、まどかはさらわれたよ」

学校の門柱で、キュゥべえが平然とした態度で彼の前に現れた・・・

圭一「はぁ!・・・お前、誰だよ!」

キュゥべえ「ボクの名はキュゥべえ・・・地球外生命体の魔法の使者だよ」

圭一「魔法の使者だと!・・・おい、まどかを何処に連れ去ったんだよ!!」

 こいつの仕業だと思い込み、怒りをあらわにした。

 しかし、キュゥべえは彼の横暴な態度をものとせずに本音で答える。

キュゥべえ「まどかは魔女に連れ去られたんだ・・・キミが来ることを信じて、ずっと待っていたんだろうね・・・人に装った魔女と突然出会ったんだ・・・口車に乗せられてね・・・」

 圭一「おい、何言っているんだ、人に装った魔女が何処にいるんだよ!」

キュゥべえ「一応、変則な魔女だから・・・でも大抵の魔女は、どうやらキミを恐れているに違いないよ・・・魔女界ではキミが最強な存在だと思っているらしいから・・・」

圭一「訳わかんないぞ!」

 そこで、ヘッドライトを照らす1台の車がやって来る・・・彼が見えたためにクラクションを鳴らすとキュゥべえは突如姿を消した・・・

  「圭一君ね・・・あなたは早く帰ったほうがいいわよ」

 それは鷹野の車だった・・・運転席から降りた彼女が単刀直入に告げる。

圭一「鷹野!?・・・ちょうど良かった・・・今、誘拐事件が起きたんだ!」

鷹野「へえ・・・それは大変ね・・・」

圭一「感心している場合じゃないよ!」

 圭一が慌てまくると、無関心な鷹野が冷笑する・・・

 鷹野「さらわれた事件のことは了解するけど・・・でも、あなた・・・女難に遭っているわよ」

圭一「女難?・・・今起きた事件のことでか?」

鷹野「この事件だけでなく、これからも災難が襲ってくる・・・あなたと知り合っている女の子と付き合うことはやめたほうが無難よ・・・」

圭一「ま、待て!!・・・俺は、これから魔女退治に参加することで約束されてんだよ!」

鷹野「なら尚更断ったほうがいいわね・・・まさか、あなた・・・いい年超えて魔女退治するような少女遊びなんてしないわよね・・・あなたと同じ年頃の生徒が見たらどのように軽視されるやら・・・」

 そして、禍々しい勾玉を揺すぶりながら彼の危険を予期させる・・・

 圭一「うっ!・・・ここは、引くべきなのか?」

 単純にも赤面する圭一は彼女の催眠術に引っかかる・・・

鷹野「そう、身を引くべき・・・魔女の世界はね・・・とても危険な場所なの・・・死に至ることが多いわ!」

圭一「何だって!?・・・」

鷹野「とにかく、あなたは学校の勉学だけで励めばいいのよ!・・・周りの状況に観照しないことね」

圭一「・・・」

  この時、保護者2人が学校の校門にやって来た。何処かで見たことのある人達だ・・・

詢子「お取り込み中、すみません・・・この子・・・そちらにいますか?」

知久「余りにも遅いから心配で訪れたんですよ」

 タツヤ「おね〜ちゃんがいないよ〜・・・」

  帰宅時間が遅いためか顔写真を見せながら不安そうに尋ねる・・・

圭一「まどかのお母さん、お父さん!?」

 気まずくなった圭一は、冷や汗を出し始めた・・・

鷹野「あら・・・これはこれは両親さんで?」

知久「私達、鹿目まどかの親です・・・娘がまだ自宅に帰ってきていないものですから・・・」

詢子「実はここの学校の生徒で・・・連絡無しで、こんな遅くまで帰ってこないなんて、今まで無かったんですよ・・・今、東奔西走と探しているんですけど・・・何処にもいなくて・・・(涙)」

 この時、落ち着いた口調で知久が答えるのに対し、詢子は次第に泣き崩れる・・・

鷹野「今ですね・・・“さらわれた”ってお話しがあったんですよ・・・」

 詢子&知久「そんな・・・・」

 タツヤ「うう・・・おね〜ちゃ〜ん!!(泣)」

  鷹野の直言を聞いて、2人は愕然する・・・そしてタツヤも泣き出した。

鷹野「まあまあ、落ち着いて・・・まだ確証ではないですし・・・もしかしたら、すれ違って自分で帰っているかも知れませんよ・・・よくあることですから・・・」

 知久「ところで、あなたは?」

 鷹野「申し遅れました・・・私、鷹野三四と申します・・・入江診療所に勤めていまして・・・」

 知久「看護婦さんですか・・・」

鷹野が自分の名刺を知久に手渡して挨拶する。

その時・・・

 圭一「俺だよ!・・・俺のせいだよ!!・・・俺がまどかを待たしたから・・・」

 鷹野「ほらね、言ったでしょう・・・自分の立場を考えないから災厄を招く・・・早速、犠牲者が出てしまった・・・下手に付き合うことはやめなさいってね!」

 知久「圭一君、落ち着いて・・・別に君の責任じゃないよ・・・」

 詢子「そうよ、気にしないで・・・都合で遅れてしまうのは、誰だってあることなのよ・・・あなたが気負いすることないから・・・」

 タツヤ「おに〜ちゃん・・・クスン!」

両手を地面に下ろして自分を思いきり責める圭一を見て、寛大な両親が慰める・・・

 詢子「それより、あなた・・・早くまどかの捜索願を出しましょう!」

 知久「そうだね・・・すぐに警察に届出よう」

 鷹野「もし・・・自宅にも帰って来なかったら、こちらの警察署に相談してみてください・・・ここの刑事はかなりのベテランですから・・・以前にも数件の事件を解決していることで有名ですよ」

 詢子「助かりますわ・・・」

 知久「どうも、ありがとうございます」

鷹野は2人に大石警部の所属する警察署を紹介させる・・・本人の居場所と電話番号等を手書きで記してある紙切れを手渡した。

 知久「空も暗くなってきたね・・・君も早く帰ったほうがいいよ・・・事件が勃発しているらしいから」

 圭一「はい・・・すみません・・・」

 詢子「もし良かったら、今晩もうちに泊まりに来て・・・」

 圭一「いいえ、大丈夫です・・・心配してくれてありがとう・・・」

ついに・・・まどかがさらわれてしまった!?・・・次々と行方不明者が続出する怪奇事件・・・果たして解決できるのだろうか・・・

 

戻る  続く

 


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