新編 魔法少女まどか★マギカ ひぐらしのなく頃にの物語10人の魔法少女達・・・ 第14章
放課後、見滝原公園に着くと圭一は唖然した・・・そこには、ほむら率いる女子達が集結している・・・その中には梨花や沙都子、なぎさもいた。杏子「お前、何処行ってたんだよ!・・・みんな探してたんだぞ!」圭一「これから、どうするんだ?」杏子「決まってんじゃん・・・みんなで結界に行くための打合せと訓練だよ!」ほむら「結界から円環の理へと導いて行くの・・・そこに魔女の縄張りが存在するから・・・」圭一「お前らに悪いが・・・俺はこの一味には入らないことにした」魅音とレナに連れてこられた彼は、みんなの前でも思い切り断った。梨花「圭一・・・」ほむら「ええ〜・・・どうして・・・一緒に魔女退治する約束だったじゃない・・・」さやか「そうよ!・・・まどかを救うんじゃなかったの?」圭一「俺はそんな約束した覚えはないぞ・・・そもそも魔女ってのは、女同士で対峙するものじゃないの・・・そんな話を聞いたぞ・・・俺は男だから、こんな女みてーのはやっぱり無理だな」魅音「ちょっと・・・そんなへりくつ、誰から聞いたのよ!?」圭一「別に言えないな・・・身が滅びるから・・・」杏子「おい、ふざけんな!!・・・魔法にゃ〜、男も女も関係ねーだろ!!」平気で約束を破る圭一に杏子が激怒する。圭一「大体さ・・・どうして、俺が魔女退治なんざやらないといけないんだ!?・・・俺が『まどかに似ているから』・・・『雛見沢で大活躍したから』・・・それだけのことで契約しろとでも言うのか!」杏子「お前、何ガキみてーな・・・ワガママ言ってんだ!!」魅音「あんたには、キュゥべえが見えないの!?」キュゥべえ「やあ・・・また会ったね」圭一「げっ!いつの間に・・・・」彼の足下にキュゥべえがぽつんと立っていた・・・ほむら「羽入さんは見えるでしょう・・・インキュベーターはね、昔から現在まで魔法の知的生命体で融合された宇宙の生き物なの・・・そいつが見えるから契約できるの」レナ「羽入ちゃんも遠い昔のオヤシロの神様だからお互い共有しているの・・・だからキュゥべえだって見えるんだよ・・・」圭一「それって、俺がいなくても何とかできるだろ?」さやか「出来ないから、あんたもお願いしているの!!・・・か弱いあたし達だけではとても無理だから・・・」マミ「今回は鹿目さんだけでなく羽入さんも他の女性達も魔女にさらわれている事態なのよ」圭一「羽入が!?・・・それって、診療所で詩音が逃がしたんじゃなかったのかよ!?」魅音「逃がしたところで、さらわれたって聞いたよ・・・昨日はその理由であいつと喧嘩した」羽入がさらわれてしまったことで圭一は戸惑う・・・しかし鷹野から拒否反応を受けられてしまったため、妥協できなかった・・・圭一「何がどうであろうと・・・俺はやらないな・・・(汗)」魅音「圭ちゃん!・・・みんなの言うこと聞いてよ!!」圭一「はっきり言うけど・・・お前らは、そいつに騙されているんだよ・・・悪魔と聞いたぞ!」ほむら「ちがうわ・・・私は悪魔なんかじゃない・・・全て本当のことよ・・・お願い信じて・・・」圭一がほむらのことで冷たく言うと、悲しい瞳で思い切り首を振った・・・それを見て杏子が憤慨する!杏子「いい加減にしろよ!!・・・てめーこそ誰かに操られているんじゃねーのか!!」圭一「それに魔女の結界ってさ、死ぬ程の恐ろしい場所なんだろ?・・・生きて帰れねーんだろ?・・・仲間なんてもんじゃないな・・・俺は、そんな危険な行為はしないことに決めたんだ・・・地道に生きる・・・一生に1度の人生だしな・・・ほむら・・・悪いけど俺、魔女退治は断ることにした・・・追試も自分で何とかするよ・・・もう、これ以上付きまとわないでくれ!」杏子「てめ〜・・・それ本気で言っているのか!?」圭一「ああ・・・正気だ!」杏子「この!!・・・バカヤロウ!!!(バキッ)」圭一「痛っ!!・・・何しやがるんだ!!!」梨花「圭一!?・・・」なぎさ「・・・?(ぶるぶる)」沙都子「・・・」ついに感情を抑制できなかったのか・・・杏子は圭一の頬を思い切りぶん殴った!!その状況を見て、梨花と沙都子となぎさが絶句している・・・杏子「何が『生きて帰れねー』だ!?・・・『仲間なんてもんじゃねー』だあ!?・・・こいつらみんなもな、さらわれた仲間を助けるために命賭けるんだ!!・・・死ぬのが嫌でやらないだと?・・・お前、それでも男かよ!!・・・見損なったぞ、前原圭一!!!」さやか「もう、やめてよ〜・・・杏子!」圭一「くっ!・・・」杏子「こうなったら、もうお前には頼まねー!!・・・なあ、あたし達だけ、どうにかしようぜ!」さやかが止めると・・・杏子は圭一を背中で言い捨てて、他の女子に指示を仰いだ。魅音「もう!・・・圭ちゃんなんて、知らないからね!!」魅音も地面にもたついている圭一を強くあしらった。圭一「くそっ!・・・勝手にしろ!!」レナ「圭一君・・・」レナは圭一が公園から去って行く姿を心配そうに見送った・・・
悔し涙で走って行く圭一は、何処に行くかもわからない状態だった・・・圭一「これで・・・これで良いんだろ・・・鷹野・・・」その頬には、杏子に殴られた後が痛々しく残っている。圭一はその頬をしっかりと押さえながら走って行く・・・
そこで、彼とすれ違ったあの人が、その状況を一部始終と見ていた・・・鷹野「どうやら、作戦は上手くいったそうよ・・・仲間割れがね」「「ナイスですね・・・これで安心しましたよ・・・」」鷹野「報酬は高級なものが良いですね」「「今の状況で行けば・・・きっと多くなりますから・・・」」鷹野「期待しているわよ・・・(ピッ)」と言って携帯電話を切った。果たして誰と通話していたのだろうか?鷹野「くすくすくす・・・これで次々と手に入るわ・・・“グリーフシード”がね・・・」そして、再び冷笑した。彼女のもくろみには誰もが気づけない・・・
圭一と仲間割れした女子達は、キュゥべえからある伝言を受ける。ほむら「それで、今度は何の用で現れたの!」キュゥべえ「すでに知っていると思うけど・・・明日、舞台装置の魔女がこの町に訪れてくるんだ!」ほむら「くっ!・・・(ついに明日か!)」キュゥべえに告げられて下唇を噛んだ・・・唯一の運命を変えられる人が不意に裏切られてしまい、作戦がまたずれてしまった・・・杏子「とうとう『ワルプルギスの夜』が襲撃するって訳か!?・・・」これからの過酷な惨劇に、彼女だけは躊躇いがなかった。キュゥべえ「だが・・・その前にさらわれた人間が穢れて魔女化されるのが心配だけどね」さやか「もしかして、まどかも魔女化されるの?」キュゥべえ「勿論・・・魔女の結界に連れ出された人間達は絶望と欲望を胸に懐かれてしまったからね・・・時間が経過すると精神疾患を失って穢れてしまうんだ」さやか「ああ〜、どうしよう〜・・・(涙)」梨花「羽入ちゃんも早く取り戻したいです・・・(涙)」キュゥべえの説明に2人は涙ぐんでしまった・・・梨花は羽入との感覚がすでに途切れてしまっている・・・ほむら「それでも・・・まどかだけは、魔女のいい思いはさせないから・・・絶対に!」レナ「圭一君が考え直して、戻って来てくれたらいいのにね・・・」ほむら「そうね・・・残念なことに彼が外れてしまったから、別の作戦を考えないと・・・」杏子「何も考えなくてもみんなぶっつぶしちゃえば、いいんだよ!・・・あんな腰抜けなんか、当てにすんなよ!!」レナ「でも・・・」非礼な杏子は完全に貶すが、献身なレナは心配そうに彼を遠くで見つめた・・・「なあ・・・今日の使い魔は何処から現れるんだ?(杏子)」「夜にならないとわからないね・・・ソウルジェムがまだ反応していないから(キュゥべえ)」「夜か!・・・じゃあ、その間に修行だ!!(杏子)」・・・一方、雛見沢に戻った圭一は、自転車で走っている富竹と出会った。富竹「圭一か!・・・ん?・・・どうしたんだ、その顔?」頬に腫れている姿を見て、様子を覗った。圭一「同じ年くらいの女子にやられた・・・」富竹「ハハハ・・・何だよ〜、情けないな〜・・男のくせに女にやられたのかい・・・」圭一「笑うなよ!・・・これで良かったんだよ!・・・」富竹「何が良かったんだ?」圭一「俺はただ・・・魔女と出会うと死ぬような気がするんだ・・・」富竹「昨日報告した魔女のことでか?」圭一「魅音やレナ、沙都子、そして梨花もその魔女退治に参加するらしいが、俺だけは何か災難に遭っているような感じで・・・」富竹「それで、喧嘩をしたのかい?」圭一「まあな・・・それに、これ以上犠牲者を増やす訳にはいかないし・・・俺が関わると何故か周りの人が犠牲を祓うことになるんだ・・・そのおかげでまどかがさらわれたことだし・・・」富竹「今は知恵さんや他の女性達とか、行方不明者が勃発しているからな・・・」圭一「何が起こるかわからない危険な状況らしいから・・・それで魔女退治は断ってきた・・・大石警部もそう答えていたから・・・」富竹「ふ〜ん・・・周りがどのように起きようが、それが君なりの意志思考ならそれでいいんじゃないのか」圭一「そうだけど・・・」富竹「だが・・・俺としては、今の君は尊敬できないな」圭一「どうしてだ?」富竹「まあ・・・君自身の人生だから・・・俺がとやかく言う筋合いないが・・・後にわかるさ・・・じゃな〜!」と言って自転車で去って行った。富竹から意外な返答を聞いて納得がいかなかった。
そして夕方・・・曇り空からは小雨が降り・・・少し濡れた状態でしばらく歩くと、そこには建築中の雛見沢分校が見えた・・・作業員達はすでに帰ってしまい、作業車だけが横列に駐車してある。圭一は、誰もいないその校舎を見て一息つく・・・圭一「いつ頃、完成するのだろう・・・」圭一「早くみんなと再開したいな・・・」つぶやく彼はようやく気を楽にした。そして、雛見沢分校を後にして去って行く・・・圭一「そのためには、今の追試に合格できないと・・・母校に戻れなくなる・・・」みんなと縁を切ってしまった彼は手を強く握り閉めて・・・今晩、自宅で勉強することを決意した。園崎家で・・・詩音「おねぇはまだ帰ってないんだ・・・」学校から帰った詩音が部屋に入ると誰もいなかった。昨日は喧嘩でうるさかった部屋だったが、今は閑静としていた・・・詩音「まだ怒っているのかな・・・そのために今日は悟史君のところに行ってくるね・・・」ひとりでつぶやく彼女が一通の手紙を書き留めた。その手紙で伝言できるように魅音のテーブルに置いて出かけて行った。
日は淡々と暮れ・・・赤く焼けた村は、不吉な色を想起させる・・・しかし、それを振り切るかのように詩音が1人で歩いている・・・詩音「今日だけ悟史君の自宅に泊めてもらおうかな・・・彼もきっと喜んでくれるよね・・・」羽入がさらわれた失態を責められて気落ちする彼女・・・この後に恐るべき魔が出現する!「フフフ・・・姉に強く言われるのが辛辣じゃないの・・・」詩音「誰なの!?」前方から、不審な声が聞こえた!・・・警戒しながら2本の短剣で威嚇する・・・「そんな武器であたしに向かおうなんて無理よ・・・アンタの絶望な心から解放してあ・げ・る・・・ハハハ!!」詩音「あああ〜!!・・・」あの詩音が対抗しても無駄のようだった・・・後方から襲うその魔女は絶望感の女の子を瞬時に捕らえた!・・・その殺気で、ひっそりと静まっている小高い山からは数多くのコウモリが悲鳴をあげて逃げていく・・・その夜遅く・・・圭一は、自分の部屋で追試の勉強をしていた。圭一「うわああ〜、ダメだ!!」一生懸命に問題集に取り組むが、どうも意欲が湧かないようだった・・・圭一「くそ〜、全然わかんないぜ〜!・・・みんながさらわれていく事態なのに、俺だけこんなことをしていいのだろうか・・・」圭一「“自分の勉学に励めば良い”と鷹野がそう言っていたからしょうがないけどな・・・無難に人生送るためにも、この方法でやるしかないのか?」圭一「それにしても何でこの中学校だけこんなハードル高くするのか!?・・・義務教育ならどの学校も同じでいいのに・・・」雛見沢分校でも、どの中学校なら勉強も試験も上手くこなしてきた彼だのに、この特進学校に限ってなぜか学習意欲が遮られている様子だった。圭一「はあ〜、もう疲れた・・・」脳内集中が欠けてしまったため、ついに横たわった・・・戻る 続く |