新編

魔法少女まどかマギカ

ひぐらしのく頃にの物語

10人の魔法少女達・・・

 

第19章

 


 

最後の結界に突入した魔法少女達・・・そこには、ワルプルギスの夜が具現する危険な結界・・・敵数もより多く、風の勢力も強い。

キュゥべえ「気をつけて!・・・なぜか、この結界だけは出現する魔女が定着されていない・・・パラレルのような結界になっている!」

マミ「固有結界から逸脱した場所のようね・・・」

さやか「人魚の魔女やら影の魔女やらと・・・任意に出現したのも、それだったのね!」

ほむら「何度も時間遡行を繰り返したから、時空の歪度が高くなったのが原因かしら・・・」

まどか「結界のランダムウォーク化ともいうのね・・・非線形現象の1つね・・・」

魅音「うあ〜!!・・・よく理解できないのは、あたしだけ!?」

  その断崖の入り口には、十悪と言われる舞台魔女の手下が多数出現する!

沙都子「きゃあ!・・・集中攻撃をしてきますわね!」

梨花「接近戦では不利なのですよ!」

なぎさ「大丈夫ですよ・・・ベベ!!・・・手を貸して!」

危険を察したなぎさがお菓子の魔女を召喚して魔女の手下を蹴散らした。

圭一「よくやった!!・・・あの魔女にたどり着くまで、このまま乗り切るぞ!!」

まどか「はい!」

ほむら「ええ・・・(にこ)」

 圭一は金属バットで・・・まどかは魔法の杖で・・・その援護でほむらが銃弾でと・・・3人共になって、向かってくる舞台魔女の手下を次々と仕留めていった。

キュゥべえ「さあ!・・・どうか、あの最大の魔女までたどり着いてくれたまえ・・・少年少女よ!」

 キュゥべえは胸高く3人に仰いだ。

 

まどかの家から・・・この強風の夜空から、ほのかに光っているものが見えた・・・玄関前で両親と幼い子供が見届いていた。

知久「圭一君達は、まどかを助けたのかな?」

詢子「そうね、あなた・・・助けてあげられたらいいわね・・・」

知久「彼がそう誓ったからね・・・でも、止めどなく不安もあるけどね・・・」

タツヤ「おねーちゃん・・・きっと助かるよ、パパ!・・・ボク、おにーちゃん信じてるから・・・だから泣かないんだよ!」

知久「そうだなタツヤ(笑)・・・正義感あふれるお兄ちゃんだしね」

詢子「今、私達にできることは、・・・あの子達を見守ってあげることよ・・・」

 

一方、雛見沢村でも魔女の影響が出ていた・・・

大石「あの光・・・もしや!」

富竹「ええ・・・前原さんはきっと、あの中で魔女と戦っている最中ですよ・・・」

  はるかかなただが・・・この場所からも強風が伴い、その異様な光も見えていた・・・

  この夜遅くに、公民館で避難している村人や学校の児童生徒も入り口に集まっていた・・・事件解決のためだったか複数のパトロールカーも停車していた。

 大石「前原君か・・・無茶しなければいいのだが・・・」

 その後ろで、鷹野が何らか不機嫌な様子だった・・・

鷹野「(フン・・・このまま、魔女にやられればいいものを!)」

入江「どうしたんだい、鷹野さん・・・何かご不満そうだけど」

鷹野「別に・・・たいした事ではありませんので・・・」

 そこで、診療所の医者がクールな態度で彼女の前に覗ってきた・・・

入江「圭一さんだからこそ・・・この街や村の平和を取り戻すことができるんだろうな・・・」

鷹野「そう?・・・(汗)」

首を傾げてつぶやく聡明な医者も圭一達の無事を祈っていた。

  そして、悟史と同学年の中学生達も集まってきた・・・

悟史「今日は沙都子も帰ってこないな・・・誘拐されていたら、どうしようかな・・・」

男子中学生1(CV:女性声優)「みんなと一緒に、魔物退治に出かけたのではないのかい?」

男子中学生2(CV:女性声優)「ちゃっかりした妹だから、さらわれることなんてないよ(笑)」

悟史「梨花ちゃんやレナちゃんも同行いるからな・・・大丈夫だと信じるが・・・」

男子中学生2「それより、悟史・・・圭一も魔女退治へ行かせたのかい?」

悟史「ああ・・・あいつは、今までこの村を維持しなければならない奴だからな・・・ヘマさせないように懲らしめてやったんだ」

男子中学生1「君もきついね!・・・でも、それが彼のためじゃないかな・・・」

悟史「さらわれていった詩音を取り戻すためにも、あいつに言ったんだ!・・・必ず救ってこいよてね!」

女子中学生「悟史君って忠実な人だからね」

生徒の中には1人女子生徒もいた・・・悟史と同じ学校で可愛い声の女の子だ・・・悟史に少し恋心を抱いているらしいが、詩音が嫉妬するため控えめにしている・・・

 男子生徒(CV:男性声優)「やあ〜!・・・悟史も詩音ちゃんのことが気にかかっているんだね〜・・・僕も君に嫉妬中だよ〜〜!」

悟史達の1つ先輩で少しミーハーな男子高生もやって来た・・・実家で果樹園を栽培している・・・

男子中学生1「相変わらず・・・ノー天気ですね・・・」

彼の明るい性格に1人の生徒が唖然としている・・・

 悟史「圭一!・・・自分で決めたことは、最後まで実行させるからな!」

圭一が戦っていると思われるあの光に向かって、悟史は声を投げた。

 

  暴風結界の最上場で・・・圭一とまどかの前に魔女の手下『カミテ』が待ち受けていた。

圭一「格闘か・・・接近戦なら有利だぜ!!・・・おらおら!!」

まどか「えい!・・・えい!」

 圭一の前向きな戦いにまどかも気を引き締めて『カミテ』を倒していく。

・・・が、彼が途中で何かに気付く。

圭一「ああっ!・・・ま〜た、ソウルジェムが減ってきている・・・」

 まどか「あたしの1個あるから、良かったら使っていいよ」

圭一「おお、助かるぜ・・・ありがとな」

まどか「どういたしまして(にこ)」

戦闘を一時中断して、まどかから授かったグリーフシードを使った・・・人魚の魔女を仕留めたグリーフシードである。

キュゥべえ「ここからは先は、敵が増え続けていくからね!・・・奇想天外な結界だ!」

圭一「フン、あんな奴ら眼中にないぜ!・・・ここで戦闘再開だ!」

まどか「うふふ・・・格好良い」

ソウルジェムが回復すると、再び派手なバトルに熱中する・・・2人仲良く魔女の手下を退治している。

 さやか「似たもの同士が一緒になって戦っているよね・・・(ふふ)」

 魅音「ホントよね〜」

レナ「はぅ〜・・・このままだと、圭一君は・・・本当にまどかちゃんのものになっちゃうよ〜・・・」

 2人が戦っているのを見て、レナは動揺する姿が漂った。

 その時!?

レナ「え?・・・あれは?」

魅音の後方から、突如誰かが出現する・・・その状況にレナが訝る。

沙都子「詩音さん!?」

梨花「・・・」

魅音「え?・・・詩音!?・・・あんた、どうしてこの場所へ?」

詩音「おねぇ・・・覚悟!!」

 すると、変貌した血だらけの詩音が姉の魅音に攻撃を仕掛ける!

魅音「おっと!・・・ちょっと・・・どうしてなの!」

しかし・・・詩音は何も答えなかった・・・更には『ソデ』と呼ぶ魔女の手下と『カミテ』も多数出現して魅音に襲いかかる!

レナ「ひょっとしたら・・・魔女化されてしまったのかな?・・・かな?」

羽入「レイリーって奴に操られていたのです!・・・」

レナ「え??・・・羽入ちゃんが喋ったの??」

不可思議に思うレナがキュロキョロと見回すが、羽入はやはり瓦礫の近くで横たわっていた・・・この時、レナのソウルジェムが点滅していた。キュゥべえと契約している魔法少女のように、元オヤシロの神様の羽入も同じようなテレパシーでレナに伝えたのだろう。地球外生命体と神様・・・やはり1つの感性がここで共通していた。

魅音「くっ!!・・・敵数が多すぎる!!」

  その時、魅音は1人必死に応戦している・・・詩音の短剣による奇襲と魔女の手下の総攻撃で苦戦を強いられているようだ!

それを上層にいる圭一が彼女達の状況を見下ろしていた。

 圭一「大丈夫か!?・・・今そっち行くからな!」

魅音「大丈夫!!・・・平気!・・・圭ちゃんはまどかちゃんと先行って!」

圭一「魅音・・・無茶しすぎだ!?」

魅音「本当に大丈夫だから・・・うわっ!」

 その時、詩音が短剣で油断した魅音の腕に切り裂く!

さやか「魅音さん!・・・今助けに行くから!」

  そこで、近くにいるさやかが三刀流で手助けにいく!

レナ「レナも協力するね!」

 レナも鉈を持って、敵に押されている魅音の所へ向かった!

梨花「詩音・・・」

なぎさ「今は彼女達に任せて、なぎさ達も先に進むのです」

沙都子「こちらも敵数が多いですから!」

 梨花が2人の対決を心配そうに見つめるも、なぎさと沙都子は悠長なことができなかった。

マミ「梨花ちゃん、言ったじゃない・・・揺るがない信じる力が必要だって・・・だから、魅音さん達を信じてみましょうよ(にこ)」

梨花「はい・・・わかりましたなのです!」

  柔らかな物腰でマミが説得すると、姉御肌の頼れる姿に梨花もすぐにうなずいた。

杏子「もたもたしている暇ないよ・・・でないと生きて帰れないよ」

 声を上げて、みんなに指示を下したる杏子も多数の敵と相手する。

 

  何とか詩音に我を取り戻そうと相手をしているが、レイリーの催眠術と円環の理の力が残っているため通用しなかった・・・これはまさに姉妹対決のようだった。

詩音「このまま穢れてしまうなら!・・・いっそうのこと魔女になったほうが身のためよ!」

魅音「何とかならないものかな!・・・」

更に『ソデ』の波動砲で魅音に集中攻撃を仕掛けてくる!

魅音「うわっ!・・・危ない!」

  敵の予測を見計らって、拳銃で数匹打ち砕いたが・・・今度は『カミテ』が格闘攻撃で彼女に襲いかかった!

レナ「おっと・・・ここは、レナが!」

それをレナがかばって、向かってくる敵を切り裂いた。

魅音「助かった・・・」

詩音「よそ見してていいの!」

魅音「うわああっ!!」

  しかし・・・詩音の鋭い短剣のさばきは、スキを見せる彼女の肩を深く抉った・・・

さやか「大丈夫!・・・くっ!!」

そこでさやかも詩音と対戦する・・・両手に剣を握り、もう一刀は口に銜えて相手の短剣2刀と交叉する!

レナ「詩ぃちゃんも雛見沢で戦ってきたから!・・・強いよ!!」

さやか「この位・・・平気平気!(汗)」

詩音「あんたもおねぇの仲間?」

さやか「仲間というより後輩かな!」

詩音「そう・・・ならば、あんたも敵と見たからには容赦しないよ!」

  挨拶がわりとして答えた後に魔法のレイピアで応戦しているが、やはり少し押されている様子だった。

 

一方、見滝原総合病院の病室では・・・上条恭介の病状が治まらないため、酸素マスクで応急処置を行っている・・・それを心配そうに見つめる両親も不安な面持ちだった。

   「この若さでの突然の悪化は急性疾患と考えられますが・・・特定はできないですね」

   「息子は事故で片腕が不随状態になっていたんです・・・結局、それが原因で悪化したのですか・・・」

父親が主治医に尋ねる。

   「一時期は回復しましたから・・・特に治療薬も服用したわけでもないですし・・・副作用が起こったとも考えられませんよ」

   「恭介・・・」

付き添えの看護婦からの説明に母親が心配そうに見つめた。

その時・・・

「停電!?」

「恭介は大丈夫ですか!?」

「院内は常用発電機に切替しているから心配ご無用ですよ」

外はすでに真っ暗になっていた・・・暴風の起因で街が停電している・・・そのおかげで病院も一時期停電していた。突然の事態に母親がうろたえると、主治医は冷静に答えた。

「急な暴風が襲われているから復旧作業も大変でしょうね・・・」

父親も思案下につぶやく。

上条「(羽入さんを救って欲しい・・・僕に見えなくても・・・さやかには見えているはずだ・・・僕も頑張るから・・・さやかも頑張って戻ってきてくれ・・・)」

「恭介!?・・・しっかり!」

この時、彼は酸素マスクの中で大きく息をしていた。母親がそれをしっかり看護している。

 

そして・・・

さやか「え?・・・今、恭介の声が聞こえた?」

  その時、かすかな声がふと耳に届いた・・・空耳ではない・・・間違えなく上条恭介からだった。テレパシーのような彼からの遠いメッセージを聞いて、さやかは羽入の容態を見据えていた。

 詩音「“出力120%”増強!!

  だが、その一瞬の猶予も与えず、パワーアップした詩音は次々と出現する『カモテ』『シモ』を操って総攻撃を仕掛ける!・・・大勢の敵に囲まれて2人はまた苦戦する。

さやか「さすがにきついね・・・でもでも!」

レナ「レナだって、まだまだ戦えるよ!」

 

  その時・・・

羽入「詩音は悪くない・・・詩音は僕を本当にかばってあげたなのです・・・僕は途中でさらわれた・・・レイリーという魔女に!」

 魅音「羽入・・・?」

さやか「必ず恩返しするからね」

更には気絶中の羽入からの声も聞こえてきた・・・

詩音「・・・!?」

その声は詩音にも届いていた。魅音の疑心暗鬼によりお互いに溝をつくってしまった姉妹喧嘩・・・そのために、ひとり落ち込んだ彼女もまたレイリーの猜疑心によりさらわれてしまった。強制的に魔女化されている今の彼女は、羽入からの純潔なメッセージにうろたえた。

さやか「今だ!・・・トリプルスティンガー!!!」

詩音「きゃああああ!!!

相手のスキを見計らって、三刀流の必殺技が炸裂した!・・・血が弾く!・・・詩音はよろめきながら倒れていく・・・

魅音「やったじゃない!・・・さやかちゃん」

さやか「ふふん・・!」

レナ「レナも頑張ったからね!」

魅音「ええ・・・」

さやかは怪我で腰を下ろしている魅音とお互いのガッツポーズを見せ合った。そして、魔女の手下を全て仕留めたレナも力強い笑みを見せる。

さやか「大丈夫よ、恭介・・・信じて・・・あたし、必ず戻ってくるから・・・この戦い終わらせるからね!」

上条恭介との約束・・・羽入救出と・・・自信を持ったさやかは自分の信念を抱く。

 

                                                      戻る  続く

 


TITLE