新編

魔法少女まどかマギカ

ひぐらしのく頃にの物語

10人の魔法少女達・・・

 

第20章

 


 

その一方で・・・圭一とまどかとほむらは最高峰の『ワルプルギスの夜』までコマを進める・・・瓦礫の建物を上っている最中である・・・

しかし、この後、目を疑うような光景が・・・

圭一「おい、何か景色が異様に変化しているぞ・・・どうなっているんだ!?」

まどか「本当に・・・奇想天外だね・・・(びくびく)」

キュゥべえ「ここは、傍観を目論む結界に変化したんだよ・・・」

 そう・・・ここはパラレルな結界になっている・・・その突然の異変に2人は呆然とする。

 ほむら「どうやら委員長の魔女の結界に変わっているようね・・・」

まどか「制服が干されているあの綱を通過していくの?」

ほむら「そうだけど・・・」

複数の綱が疎らに張られている地平線の奥には、白い渦のような文様が禍々しく見えている・・・ワルプルギスの夜は、この結界より異次元スクロールされた奥で待ち構えている。

キュゥべえ「この先にも魔女とその使い魔が待ち構えているはずだ!・・・その強さも未知数!・・・実態も不明!」

 圭一「構わん・・・どんな敵が待ち構えていようと叩き潰すのみだ!」

まどか&ほむら「は・・・速い・・・!!」

まどかとほむらは綱を慎重に渡っていくが・・・圭一はそれを颯爽に飛翔していく。

  そこで、待ち伏せしているのは委員長の魔女の手下『ティーチャー』が多数出現する・・・

圭一「おっと!・・・いきなり遠距離攻撃かよ!」

 『ティーチャー』が圭一を標的にグラスを投げつけた!・・・バランスを崩しながらも何とか回避する。

 圭一「こっちだって水鉄砲で応戦だ!!」

 マシンガンのような強力な水圧で敵を打ち消す!・・・しかし、距離に制限があるため遠くから攻めてくる敵には届かなかった・・・

まどか「圭一君・・・遠距離なら任せて・・・“マジカルアロー”!!」

誘導する1本の矢が全ての敵を貫通した!

圭一「おお・・・やるじゃないか!」

キュゥべえ「これだけは御説明だけど・・・学力の低い今の圭一には、不利な相手かも知れないね・・・」

圭一「わ・・・悪かったな!!」

そして、魔女が出現する・・・糸のようなロープにぶら下がっているのが見られている・・・制服姿の巨大な魔女だ!

ほむら「あれが『委員長の魔女』よ・・・蜘蛛の巣のように結界を張って、向かってくる敵を捕らえて攻撃する・・・張られている綱に絡まらないように気をつけて・・・」

圭一「平気だぜ、こんなの!・・・ぶった斬ればいい!」

圭一は無数の綱をバットで斬っていき・・・傍観したままの委員長の魔女に攻撃を仕掛ける!

キュゥべえ「危ない!!!・・・下がって!!!」

どか〜〜〜ん!!!

 しかし・・・その魔女は突然撃破された!!・・・その轟く爆音に仲間みんなが驚愕した。

まどか「きゃあ!!」

ほむら「怖い・・・!?」

圭一「な・・・一体、どうなっているんだ!?」

この後・・・何処かしら不穏な声が聞こえた・・・

「「カレーライス・・・食べたい・・・食べたい・・・」」

「「みんなのせいでカレーライスが食べられない・・・」」

圭一「と・・・知恵先生!?」

彼らの前に現れたのは、雛見沢分校の担任、知恵留美子だった・・・取り憑かれているような感じのうつろな瞳でT型定規を持っている・・・

そして・・・彼を見ると豹変して喚き始める!

知恵先生「前原君!・・・やはり勉強もしないで、こんなところで魔法ごっこして遊んでいるのおおおお!!!」

圭一「違う!!・・・これは村や町が滅びる大変な事態なんだよ!!」

キュゥべえ「無駄だよ!!・・・圭一!・・・彼女は完全に魔女化されている・・・もはや、何を言っても皆無だよ!!」

圭一「そんな・・・」

知恵先生「遊びはもう・・・お・わ・り・よ・・・さあ・・・次から言う問題を解いてみなさい!」

圭一「どさくさに紛れて、問題かよ〜!」

知恵先生「【2の100乗の下3桁の数字】を答えてみなさい!」

圭一「んなの・・・しらねーよ!!」

知恵先生「10秒以内に答えられなかったら・・・全員死ぬことになるからね・・・」

変貌している知恵先生は容赦する気もしなかった・・・T型定規をみんなに向けて、照射の準備をする!

ほむら「やばいわ・・・どうやら本気みたいよ!・・・1問でも解けなかったら、この結界ごと消し飛ばすつもりよ!!」

圭一「いくらなんでも、そんな難問解ける訳ないだろ〜!」

まどか「376!」

 すると、まどかが難なく答える・・・

知恵先生「くっ!・・・正解だわ・・・」

圭一「ふ〜・・・優等生はやっぱり違うな」

知恵先生「でも・・・問題はまだ1問よ・・・出題はたくさんあるからね」

  まどかが問題を答えたのを、結界の下で魔法少女達も聞いていた・・・

さやか「おっしい・・・下2桁までは分かっていたけどね・・・」

 マミ「私でも・・・下1桁がやっとなのに」

 魅音「桁数はどうであれ、答えられるだけでもおじさんはすごいと思うよ・・・」

知恵先生「ならばこの問題はどうかしら?・・・【ある冷凍サイクルで等温等圧においての湿り蒸気の乾き度が0.2のとき、飽和液の比エンタルピーが173KJ/kg、乾き飽和蒸気の比エンタルピーが373KJ/kgであったときの湿り蒸気の比エンタルピーはいくつ?】」

まどか「213KJ/kg!」

知恵先生「正解!・・・【近代の現役内閣総理大臣『犬養毅』が射殺された5.15事件は西暦の何年?】」

まどか「1932年!」

知恵先生「正解!・・・【英単語『dog』の一般動詞形での日本語訳は?】」

まどか「尾行する!」

知恵先生「正解!・・・」

 出題する問題を次々と答えるまどかは知恵先生と対決中である・・・・その戦況に周囲の仲間は半ば静まる。

知恵先生「次の問題は!・・・え〜と!」

 その時・・・問題のネタが途中で切れてしまったのか・・・思考中の先生に対し、圭一はとんでもない行動に出る!

圭一「知恵先生・・・ゴメン!」

 ゴン!!・・・バシッ!!!・・・ゴン!!!・・・バシッ!!!

知恵先生「ぐああああああああ!!!・・・」

 自分の元担任に金属バットで思い切りすぐりまくった!・・・ホラーのごとく、悲鳴を上げる知恵先生は血飛沫を出して倒れていく・・・

圭一「ぜえ〜・・・ぜえ〜・・・ぜえ〜・・・行こう・・・」

まどか「ええ・・・」

 息切れをしている圭一が、悲しい瞳で見届けているまどかの腕を強引に引っ張っていく・・・

 

いよいよ最後の結界へと突入する!・・・その時、レナ達は結界の下で残っている魔女の手下を退治している最中である。

キュゥべえ「『ワルプルギスの夜』・・・奴も歴史を遡ってきた魔女だからね!」

ほむら「私の真の目的は、あの『ワルプルギスの夜』を抹殺して再び平和を取り戻す!・・・勿論、全員無事な姿でね!」

レナ「大丈夫・・・圭一君が何とかしてくれるよ!」

杏子「フン・・・あいつも世話が焼けるな!」

 

D!・・・C!・・・B!・・・A!・・・@!・・・

 

「「「キャッハハハハ!!!・・・アヒャハハハハ!!!・・・アヒャハハハハ!!!」」」

 

垂直に屹立した断崖の上・・・その真上に廻天する最悪最強の魔女が・・・そう、舞台装置の魔女だった。

建物や建造物が破壊され、異次元のように巻き込まれている禍々しい景観は不吉な色を感じさせる・・・

上空から不気味な笑い声を断続的に響かす・・・それが『ワルプルギスの夜』!

 

圭一「まどか・・・俺はあいつの前で消えていく夢を2度も見てきた・・・」

まどか「圭一君もこの夢を見たの?」

圭一「まさか・・・本当に現実になるなんて、正直思っていなかったな・・・だが、今は違う!・・・俺があいつを消すんだ!」

まどか「ええ!・・・」

圭一「だから、俺を信じろ・・・俺が全てを終わらせる!!!」

まどか「うん・・・信じているから(にこ)」

圭一の心強い意気込みにまどかは微笑みを立てる。

 

最強の魔女と魔法少女達の凄絶な戦いの火蓋が切っておとずれた!

キュゥべえ「気をつけて!・・・時々火炎波動砲を放ってくるからね!」

圭一「ああ!!・・・ようし、行くぜ!・・・パニエロケットだ!!!」

この時、圭一はレナから譲ったグリーフシードを濫用する・・・そして、体を膨らませて舞台の魔女に突撃する!

圭一「くらえ!!」

  機先を制して、圭一が体当たりをお見舞いする!

「「「ギャハ!!」」」

 すると、魔女が遠くへ吹っ飛んだ!

 圭一「フン!」

  ゴン!!!

その最中に圭一は敵の前まで高速で瞬間移動して、金属バットで快心の一発をお見舞いした。遺憾なく発揮するその力は、あのワルプルギスの夜をも叩き飛ばす!

「「「ギャアアアアアアア!!!」」」

 さやか「すご〜い力!・・・ホントに信じられない!!」

マミ「あの『ワルプルギスの夜』をあそこまで痛みつけるなんて!!」

杏子「想像を絶するパワーだな!!」

3人は圭一の怒濤な強さに感嘆した。

 圭一「みんなの過去の苦しみをたっぷりと仕返しさせてやるぜ!!」

  諸悪の根源となる魔女に今までの恨みを放つ!・・・相手の業火も難なく躱し、大地を蹴り上げて瞬時にバットで再び叩き付ける・・・ゴン”と痛々しい快音は、上部の歯車に亀裂を入れた!

「「「ギャアアアアアアア!!!」」」

ほむら「ありがとう・・・前原さん・・・」

舞台装置の魔女は悲鳴を上げて更に苦しんでいる・・・

今まで悲劇な追憶に悩まされていた彼女・・・唯一憎んでいるその魔女が嬲り懲らしめられている状態を見て、自分の涙を堪えながらも彼に心から感謝した。

圭一「どうだ!!・・・」

  自分の技は決まった・・・しかし、舞台装置の魔女は再び浮き上がる・・・

「「「アッヒァハハハ!!」」」

圭一「何だ!?」

まどか「圭一君・・・魔女の手下を復活させているよ!」

彼女の言った通り・・・憤怒の様子を覗うようなその魔女は、その手下『ソデ』『カミテ』を次々と出現させた。

圭一「どけ!!・・・お前らと構っている暇なんてねー!!!」

  この時、圭一はボールのような白い玉を多数浮かせた・・・バットで千本ノックをして、魔女の手下を複数爆発させた!

まどか「シューティングスター!!!」

まどかも無数の矢で、残りの魔女の手下を全て消滅させた!・・・その威力は舞台装置の魔女にもかなりのダメージを与えた。

杏子「まどか・・・すげーじゃん!」

キュゥべえ「どうやら魔女は本気で怒らせたようだよ!・・・奴の憎悪はこの地球上も滅亡させることだって可能だ!」

圭一「そんなことはさせねー!!!・・・おら!・・・おら!・・・おら!・・・おら!!!」

 炎をよけながら突進して、笑い声を響かす魔女にバットの乱打を繰り返す!

「「「ハハハ!」」」

  ところが、舞台装置の魔女も彼の攻撃のスキを見計らった!・・・そして、反撃に転じる!

圭一「何!?・・・ぐああ!!」

攻撃を食らった彼は、遠くへ吹き飛ばされる!

  その瞬間に哄笑する舞台装置の魔女が火炎砲で彼を直撃する!

圭一「くっ!・・・しまった!?」

まどか「危ない!!」

それをまどかがかばった・・・オーラのような特殊防御技『救済する白き光』を駆使して敵の火炎砲を打ち消した!

圭一「サンキュー!!・・・助かったぜ!!」

まどか「いいえ(にこ)・・・それより大丈夫?・・・何だか強くなっている様子だけど・・・」

圭一「気のせいだ・・・」

ほむら「みんな、危ない!!・・・逃げて!!」

「「「キッハハハハ!!!」」」

怒り振るう舞台装置の魔女は、自分の最大の技の火炎波動砲を放射した!

魅音「な・・・何なの!?」

初めて見る魅音は驚愕する・・・

ほむら「これで・・・また滅亡か!・・・」

愕然するほむら・・・最大最悪の魔女に対して再び敗北を喫することに諦めかける?

圭一「何のおおお!!・・・こ・れ・し・き!!!・・・毎度毎度、夢のようにいくかってんだあああ〜〜!!!」

すると・・・踏ん張る圭一がその波動砲を必死で食い止める!

そして、上向きに跳ね返した!・・・エネルギーの纏ったような赤い火柱は相手の魔女に面食らった!

 圭一「あっ〜〜〜ちちちちち!!・・・なんちゅー技を使うんだ・・・あいつは!!」

  顔をしかめる圭一は、はっちゃけるような感じで自分の両手を振った・・・過去に、仲間達の命を奪ったほとばしる炎は、彼によって救われた・・・

 マミ「あんな高温のある炎上を素手で食い止めるなんて・・・」

さやか「只者ではないですね・・・」

杏子「フン、やるじゃねーか!・・・圭一!」

圭一「おい、こらー!!・・・てめーがどんな最強の魔女か知らんがな・・・前原圭一の辞書には『負け』って文字ねーんだよ!!」

  圭一は、ダメージを受けている舞台装置の魔女に挑発した・・・

まどか「すごいわ!・・・圭一君(にこ)」

キュゥべえ「前原圭一・・・彼は想ほどのパワーと精神力だ!」

「「「アッハハハハ!!!・・・アッハハハハ!!!」」」

しかし・・・舞台装置の魔女は縦横矛盾に舞いながら、次の恐怖な技を仕掛けてくる・・・

圭一「今度は何だよ!?」

辺りに少し黒影の様子が窺える!

圭一「なっ!?・・・」

レナ「きゃああ!!」

なぎさ「いやあああ!」

梨花&沙都子「助けて〜!!」

魅音「ちょっと!?・・・どうなっているの・・・」

  光る夜空を見上げると、みんなが愕然する・・・上空から半壊した高層ビルが緊急声明を上げる仲間達に落下して来る!

ほむら「動かないで!!」

この時、ほむらが時間停止の技を使用した・・・装着している円形の盾が反時計回りにカチカチ音を鳴らしながら半回転している。

  すると、魔女や建物等が仲間以外を除いて完全停止している・・・

レナ「みんな止まっている・・・」

それを、レナが不思議そうに見つめている・・・

ほむら「これで、終わりよ!!」

そして、バズーカーランチャーで停止している高層ビルを破壊した!

梨花「助かったなのです・・・」

なぎさ「まだよ!・・・(涙)」

沙都子「にーにー・・・」

しかし・・・時間停止が解除されると、また別の高層物が再び落下してくる!・・・なぎさが喚き、お菓子の魔女や沙都子も怯えて逃げる!

マミ「ここは、任せて!・・・ティロ・フィナーレ!!!」

でも・・・ウインクするマミの強烈な波動砲で、襲ってくる高層物を粉砕した!

さやか「マミさん・・・やっぱり格好良い!」

それを見て、さやかも大好評だった。

マミ「前原君!!・・・早くワルプルギスの夜をやっつけて!・・・」

マミが地上から遠くで警告した。その激しい戦闘のせいか、魔法のエネルギーが少なくなっていることに圭一は愕然する。

圭一「いかん!・・・ソウルジェムがま〜た減ってきた!!・・・くそ〜、手持ちのグリーフシードはこれで最後か!?」

まどか「ごめんね(汗)・・・メンバーが多いから・・・」

魅音「圭ちゃんが使いすぎているからだよ!」

圭一「んなこと言われても・・・しょうがねーだろ!」

消耗の激しい自分のソウルジェムに残り1個のグリーフシードを濫用する・・・

しかし・・・

圭一「おい・・・何だよ!・・・このグリーフシード!・・・少ししか回復しないぞ!?」

ほむら「中には、ほんの少ししか回復しないものもあるの・・・まだ、他の人も持っているからしばらくは我慢して・・・」

「「「キャハ・・・キャハ・・・」」」

圭一「あの魔女を倒すまで・・・何とか持ってくれ〜!」

 

戻る  続く

 


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